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【エッセイ】 コーヒー

朝になると決まってコーヒーを淹れる。
ドリッパーに引いたコーヒー粉末を入れて、ケトルのお湯が沸くのを待つ間、洗濯機に入っている洗濯物を外に出してかごに入れる。カチッと音が鳴ってお湯が沸いた合図を聞いたら、そっと注ぎ口から細く注ぐ。そうして、じわじわとあたり一面にいい香りが充満するこの瞬間が堪らなく好きだ。その香りを吸い込むだけで、目が醒める。
今日も1日が始まったと思う香りはきっと、コーヒーの香り。
街中を歩いても、どこかしらから香ってくるコーヒーを一瞬でも感じたら振り返らずにはいられない。
あれ、あの匂いってって匂いの元をうろうろ探すのが常日頃。
でも、大抵の場合近くにはなかったり、誰かのカップからの匂いだったりしてちょっと残念に思ったりするのが関の山。
中々出会えないけれど、いい味のコーヒーに出会った時の感動も一入で。

最近いいなと思ったことは、誰かが言っていたこの言葉
「1杯のコーヒーはインスピレーションを与え、1杯のブランデーは苦悩を取り除く」
彼もまた同じようにコーヒーを飲んでインスピレーションを得ているのだ。全人類への共通作用としてインスピレーションを提供する飲み物だとしたら、コーヒーは随分と魔法のような飲み物のような気がした。
今日も一口、ホットをいただく。
口に含んだコーヒーの苦みがじんわりと広がり旨みに変わる。気がする。
少なくとも、私にとっては。
さて、今日も1日がんばりましょうかね

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