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引越し

暑い、暑い夏だった。
朝から大きな段ボール箱を抱えて、家と車とをもう何往復しただろう。
家から車を停めている駐車場の間に聳え立つ階段が、いつもの何倍も長く感じる。もはや転がり落ちたい。
そんなことを考えながら、やっとの思いで車2台分を荷物でパンパンにした。
「ふ〜。」
だがしかし、ここからが始まりなのだ。
荷物でパンパンになった車を約1時間走らせ、やってきたのは私の新天地「紫波町」。
新しいお家は、紫波町の東の端っこにある、大きくて立派な一軒家。これからここで始まる暮らしを思うと、疲れが吹っ飛びはしないけれど、少しは飛んでいった。
休む間もなく、一気に荷物を家の中に運び込む。
ここでお昼。午前の部終了。
炎天下の引越しは、ものすごく体力が奪われる。布団に入ったらすぐにでも寝れる気分。
しかし、今日はこの流れをもう1セット予定している。終わりにして帰りたい欲望に打ち勝ち、また、ダンボール箱を抱えて長い階段を往復し始めた。
こんな日々を1ヶ月ほど耐え抜いた。
夏の終わりはまだ見えない8月、怒涛の引越しに終わりを告げて、紫波の里山での暮らしがはじまった。

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