ドラマ【アンメット-ある脳外科医の日記-】名台詞集
2024年4月期フジテレビ月曜ドラマ「アンメット-ある脳外科医の日記-」より、心に残った台詞をまとめました。
最終回まで、放送毎に当記事を更新していきます。
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第1話
昨日の記憶が私たちを明日に繋げる
不慮の事故により脳を損傷し、過去2年間の記憶をすべて失い、新しい記憶も1日限り、寝て起きたら前日の記憶がなくなってしまう記憶障害になったミヤビのモノローグです。
昨日がなく、明日もなく、今しかない。
そんな毎日を生きるとは、どういうことなのだろうか。
その人とは、人生とは、積み上げてきた記憶や経験がつくるもの。
だとしたら、そのすべてを失うとは、どういうことなのだろうか。
第1話にしてとても考えさせられる台詞でした。
強い感情は忘れません
アメリカから帰国し新たに着任した三瓶がミヤビにかけた言葉です。
記憶がなくても、心が感情を覚えている。
強い感情は忘れない。
第1話ではまだ三瓶のキャラクターやミヤビとの関係性は深堀りされていませんが、この「強い感情は忘れない」とう言葉は、物語において重要なキーワードになっていくかもしれません。
障害のある人は人生を諦めてただ生きてればいいと思ってるんですか
記憶がなくても確かな技術力は残っているミヤビに対して、手術に入るよう提案した三瓶。
しかし、ミヤビはやはり直接治療に携わることはいまだ怖く、会話の中で、三瓶がミヤビにかけた台詞です。
「障害のある人は人生を諦めてただ生きてればいいと思ってるんですか?」
この一言に、ミヤビははっとさせられました。
そして、患者を救えないことよりも自分の絶望が怖いという言葉に、反論出来ず、自分の本音をえぐられたような痛みに、涙しました。
三瓶は、感情を荒げることもなく、同情することもなく、淡々とミヤビに語りかける。
これから三瓶がミヤビとどう関わっていくのか、見所です。
あなたが生きてきた日々は確かにある
三瓶が川内に手術に入るよう依頼した際、躊躇う川内に対して、三瓶が川内を見てまっすぐにかけた言葉です。
記憶と技術は司る機能が違うため、理論的には川内は問題なくオペが出来るはず。
それでも、川内にとって心理的負担は強く、そんな川内に三瓶は、この言葉をかけました。
「自分を信じる」とうことは、これまで積み上げた自分を信じるということ。
でもその積み上げについて一切の記憶がなくなった時、自分を信じることなんて、出来るのだろうか。
考えさせられる台詞でした。
その想いを心が覚えてる
手術が成功し、一歩ずつまた歩み始めた患者のレナの姿に涙するミヤビに、三瓶がかけた言葉です。
今日が明日に繋がる。
第1話のキーワードが回収されたシーンでした。
第2話
苦しんでるこの時間も亮介くんの人生だから
サッカーの試合中に倒れて救急に運ばれてきた、サッカー強豪校でエースとして活躍する高校生の鎌田亮介。
検査の結果、右脳を損傷している亮介には、身体の左側の感覚を全て失う“左半側無視”という後遺症が残っていることがわかりました。
それでも仲間と再びサッカーがしたいという想いで、回復の可能性が低い中でも、必死にリハビリに取り組む亮介。
彼を励ましながら対応していたミヤビに、津幡が"期待を持たせすぎるのも良くないのでは"と伝えた際に、ミヤビが言った台詞です。
苦しむ時間も、悩む時間も、憤る時間も、涙する時間も、すべてが人生。
絶望し、すべてを奪われたように感じる時間も、すべてが人生。
とても心に残った台詞でした。
自分の可能性は自分で決めたいよね
右脳の損傷により左半側無視の後遺症が残ってしまった亮介に、ミヤビが自分の障害を打ち明け、かけた言葉です。
第1話では、障害のある自分は医者なのかと迷っていたミヤビでしたが、第1話最後の三瓶の声かけにより、医者でありたいと強く思い直したことが汲み取ることが出来る台詞でした。
好きでいることまで諦める必要はない
後遺症が残りサッカーを再びプレーすることが難しくなってしまった亮介に、ミヤビがかけた言葉です。
当たり前にあったものを奪われて、すぐに気持ちの切り替えが出来るわけはないけれど、好きという気持ちまで手放す必要はない。
この言葉を受けて、亮介はプレーとは違う自分なりに出来ることでチームに貢献し、チームの仲間と喜びを共有することが出来ました。
俺がずっと覚えてるから
左半側無視の後遺症を抱えた亮介が、退院する際にミヤビにかけた言葉です。
ミヤビの記憶は1日しかもたず、亮介のことも、また覚え直さなければ、記憶には残れない。
それでも、毎日亮介を思い出し、心に寄り添ってきたミヤビは、亮介にとってはきっと忘れることのない大切な人になった。
第1話で三瓶が言っていた「記憶を失っても、強い感情は忘れません。患者を助けたいと強く願えば、その想いを心が覚えてるんです。」という台詞。
"その想いを心が覚えている"のは、ミヤビ自身だけでなく、ミヤビが強く願い心を込めて接した誰かにも当てはまりますね。
ミヤビが覚えていなくても、誰かが覚えてる。誰かの心に、ミヤビがちゃんと生きている。
まっすぐな亮介という少年が残していったこの言葉には、とても心があたたまりました。
第3話
正常化バイアス
過去に津幡が携わったオペにて、重要情報の医師同士の共有不足により患者が命を落としてしまった。
そのことを話していた時の三瓶の言葉です。
そんなはずがないと思い、口を閉ざしてしまうこと。
まさかそんなはずがと信じたくなくて、目をそらしてしまうこと。
人にはどうしてもあって、結果的に取り返しのつかない事態になってしまった時、それを悔やむ。
その後悔は呪いのように自分を縛って、決して癒えない傷になってしまうものです。
私たちの償いは辞めることじゃないはず
オペでの不備の責任をとるかたちで辞めることになった医師に向けて、津幡が言った言葉です。
何かが起きた時、誰かが責任をとらなければならないことはあるけれど、辞めること、その場から離れることは、終止符を打つだけで、責任を取ることにはならないのかもしれません。
そうやって笑ってんのも簡単じゃないだろうけど
ミヤビと昼食を取りながら綾野が言った言葉です。
「そうやって笑ってんのも簡単じゃないだろうけど」の一言に、綾野のミヤビを想う気持ちや優しさが感じられて、心に残った台詞でした。
人生の持ち物が増えただけ
津幡との会話の中でのミヤビの台詞です。
1日しか記憶がもたず、毎朝目が覚めては自分の知らない自分を辿る日々を生きるミヤビにとって、自分を知っている周りの人を通じて"変わらない自分"を知ることは、どこか救われるような気持ちになることなのだと思います。
そんな日々を繰り返しながらミヤビが至ったこの考えにより、トラウマを抱える津幡の心も、少しずつほぐれていきました。
第5話
道の先だけを向いて歩いて行けばいい
難しい手術を執刀するよう三瓶から言われ、自分は無理だと迷っていたミヤビに、星前がかけた言葉です。
星前は、自身の母が患った際に病院の各科をたらいまわしにされたために発見が遅れた過去があり、全科において専門医レベルの医者となることを目指しています。
そんなのは無理だと三瓶に言われても、自分の目指す道を進む決意の星前が言ったこの言葉は、ミヤビにとっても響くものでした。
今はそれだけ覚えておけばいいんだよ
ミヤビが執刀医として担当する難しい手術の当日、前夜にミヤビは陽南子に、家に泊まり朝目覚めたらこのことを自分に伝えるように頼んでおり、約束通り、陽南子が朝一番にミヤビにかけた言葉です。
自分ひとりで出来ないことは、周りに頼む勇気を持つこと。
その時に力になってくれる仲間がいること。
少しずつ変わり始めているミヤビと、森ちゃんとの絆が感じられて、泣けるシーンでした。
自分だけで完璧である必要はない
難しい手術を無事に終えたミヤビに、「この景色を目に焼き付けてください」と言った三瓶。
その景色とは、手術室にいる、ミヤビの仲間たちがいる風景。
この日、ミヤビがプレッシャーに打ち勝つ努力をしたのはもちろん、仲間たちがそれぞれの距離感で、それぞれの役割で、それぞれの優しさで、ミヤビをフォローした。
一人で背負わず、周囲を頼ることを少しずつ覚え始めたミヤビ。
この景色を忘れないよう、日記にイラストで記して焼き付けたミヤビでした。
第6話
全体のために犠牲になる人たち
大迫のミヤビに対する診断について真相を探ろうとする三瓶を止めるため、大迫はいつも全体を見て最善を考えていると反論した西島麻友に、三瓶が言った言葉です。
三瓶の医師としての強さ、内で静かに燃える思いが伝わってくるシーンでした。
あなたは医者ですか
ミヤビは過去にてんかん発作を起こしたことがあったが、大迫はそれを隠し、ミヤビに記憶障害だけが残りてんかんの症状を抑えるべく、予防薬だといって低濃度の薬を処方し、てんかん性健忘を意図的につくっていた。
そのことを突き止めた三瓶と綾野が、大迫と対峙した時に、三瓶が言った言葉です。
ミヤビの元婚約者としてという個人的な感情ではなく、ひとりの医師としてミヤビの症状と向き合ってきた三瓶の、医者である大迫に対するさまざまな思いが溢れるシーンでした。
三瓶先生の表情や声色からは怒りがヒシヒシと伝わりつつも、声を荒げず、まっすぐに大迫を見て、医師として対峙した。
とても印象に残るシーンでした。
海馬に眠ってるだけです
三瓶が大迫に対して、ミヤビのことを言った時の台詞です。
記憶障害を抱えていても、記憶は失われたわけではなく、取り出せない状態になっているだけ。
心がちゃんと覚えている。
海馬に眠ってる。
いつも変わらない、三瓶の考え方です。
正しく理解することで大半の事は解決出来る
後遺症でてんかんの症状を抱えた山本という患者が、勤める企業からしばらく休むように言われてしまい、企業を訪問して山本の症状について説明をしたミヤビ。
付き添っていた藤堂が、珍しく少し声を荒げて介入し、言った言葉です。
院長という立場にありながら、一人の医師として、患者に寄り添う姿勢を常にもっている藤堂。
この後、余計なことを言ってしまったと後悔し落ち込む藤堂ですが、ここぞという時に、医師として、上司として、正しく守り伝えてくれる藤堂の姿が、素敵だなと思うシーンでした。
こうすると影が消えます
過去の回想の中での、三瓶とミヤビの会話です。
ミヤビが三瓶の前でてんかん発作を起こした時、朦朧としながらも呟いたのが、「影が消えます」という言葉。
この言葉は、三瓶にとってミヤビと過ごした時間の中でも特に大切な言葉だった。
曖昧な記憶の中で、確かにその時の記憶がミヤビの中には眠っていた。
そのことの喜びと、記憶障害が治らない苦しみ、大迫への憤り。
さまざまな感情が溢れるかのように、この場面を思い出しながら涙を流した三瓶でした。
第7話
記憶は仕事のためだけにあるわけじゃありません
薬の量を減らしたことで記憶障害に少し改善は見られたものの、脳の中で記憶がすり替わる記憶錯誤が起きてしまったミヤビ。
仕事にも支障が生じ苦労するミヤビの様子を見て、薬の量を戻さなくてよいのかと星前が三瓶に聞いた時の、三瓶の言葉です。
ここでは、ミヤビの人生、仕事だけではない心の豊かさや生き方に配慮する三瓶の医師としてのスタンスが見える一方で、元婚約者としてのミヤビに対する思いも垣間見える、複雑な表情が印象的なシーンでした。
いつも冷静で、医師として患者のことだけを考える三瓶が、ミヤビに対しては時折心を揺らし、迷う。
そんな三瓶の揺れを、少ない言葉と(役柄的に)決して豊かではない表情でしっかりと表現される若葉さんのお芝居が、回を追うごとに私たちの心を動かします。
変化するものをちゃんと感じられると
記憶障害に少し改善がみられ、過去のことを覚えていることによろこびを噛みしめるミヤビの言葉です。
オープン準備をしていたお店がついにオープンした。
蕾だった花が咲いた。
そんな風に、当たり前のように過去は今日に繋がっていて、今日は明日に繋がっていく。
当たり前すぎてそのことを意識したり感謝したりはなかなか出来ないけれど、あらためて、その尊さを感じさせる台詞でした。
以上、ドラマ「アンメット-ある脳外科医の日記-」の名台詞集でした。