ドラマ【アンナチュラル】名台詞集
2018年1月期 TBS金曜ドラマ「アンナチュラル」より、心に残った台詞をまとめました。
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第1話
法医学は未来のための仕事
ミコトの法医学に対する信念が感じられる台詞です。
死因が灰になる前に
真実を知るために仕事をしに行くミコトが言った言葉です。
灰になってしまえば、あったはずの事実も、知る術がなくなってしまう。
見ようとしなければ、なかったことになってしまう。
響いた言葉でした。
そんな気分じゃないから食べるんです
恋人を亡くした路子に菓子パンを差し出しすすめたミコトがかけた言葉です。
この作品の中では、食べるという行為が、強く生きる象徴として、意地でも前を向き歩いていく意思の象徴として、度々表現されます。
この時菓子パンを食べた路子は、なぜこんな時にも美味しいのかと呟き涙します。
とても切なく、やりきれず、美しいシーンでした。
ご遺族がこれから生きていくためにも
亡くなった後、感染症を日本に持ち込み拡大させた犯人だという風評被害にあった高野島渡さん。
彼の名誉回復を願ったミコトが、ウイルス感染の根源となった病院の院長に伝えた言葉です。
亡くなった人がもう戻らなくとも、ご遺族は生きていかなければならない。
事実を明らかにすることは、本人だけでなく、家族や周りの人々にとっての救いにもなり得る。
切に願ったミコトの言葉が印象的でした。
不条理な死
中堂とミコトの会話です。
自身の過去から、不条理な死に屈しないという強い信念を持って生きるミコト。
この言葉は、その信念を強く感じさせる言葉でした。
第2話
単なる身勝手な人殺しです
無理心中というワードに対するミコトの台詞です。
この作品では一貫して、不条理な死に対して加害者側の事情や心情への共感や同情は描かれません。
勝手にストーリーを作って語ることに価値はなく、あるのは事実と経緯のみ。
ミコト自身の経験からも、この台詞は重く、作品の根幹の価値観が表れています。
自分と子どもが別の人間だということを理解していない
子供は親の所有物でも道具でもない。
それぞれに意思を持ちそれぞれに人生がある。
親心を否定するつもりはないけれど、親であろうと子供のそれを支配し奪う権利はない。
見なかったことにするんですか
目の前に被害者が命をかけて残した手がかりがあるのに、追及せず事態を収めようとする上の判断に、ミコトが言った言葉です。
本来なら、生きている間に救うことが出来たら一番よかった。
でもそれが出来なかった今、法医学を持って出来ることは全部し、事実を明らかにする。
ミコトやUDIのメンバーの信念とするべき仕事が不条理な事情により捻じ曲げられそうになった時、強い意志を持って言葉に変えることが出来るミコトです。
人間は意外としぶとい
ミコトと六郎が冷凍トラックの荷台に閉じ込められ車ごと湖に沈められてしまう。
その絶対絶命な状況で、ミコトが六郎にかけた言葉です。
人間は、意外としぶとい。
どんなに弱気になっても、最後の最後まで、身体は生きようとする。
そんな生の力を感じさせる印象的な台詞でした。
明日
トラックごと海に沈められて絶望的な状況の中、生きて外に出るという願いを持って、ミコトと六郎が交わした会話です。
この物語の中で、生きることの象徴として常に描かれている食べるということ。
外に出たら、明日になったら、あったかいものを食べよう。
当たり前の日常の、特別じゃないごはんさえ、尊い光になる。
印象的な台詞でした。
絶望してる暇あったら
絶望することはないのかと六郎に聞かれたミコトが、笑って言い放った台詞です。
このミコトの言葉に、何度励まされたことか。
人生は、絶望するにはあまりにも短い。
美味しいものを食べて、寝て、起きて、生きる。
それでいい。
ふとした時に思い出す、とても好きな台詞です。
第3話
分かり合えない相手はいます
中堂のパワハラを訴えて職場を変えた坂本との会話の中でミコトがかけた言葉です。
人間関係、合う人と合わない人はどうしてもいて、合わない人とも折り合いをつけながら一緒にいなくてはならないこともある。
あるけれど、だけど、分かり合えない人はいる。
その人から遠ざかることも、自分が生きていくための選択肢のひとつ。
第4話
あったことも全部なかったことにされる
職場での過剰労働の結果、事故で亡くなった父親。
その父親の職場は、労働の実態について知らぬ存ぜぬの態度。
それを目の当たりににした少年が、苦しそうに呟いた言葉です。
大好きなお父さん。
家族のために働いてくれたお父さん。
そんなお父さんのことを馬鹿だなんて言わなければならなかった彼の心が、どんなに傷ついたか。
とても苦しいシーンでした。
そんな大人の姿を見せられたら
父親を過剰労働が原因の事故でなくした少年。
彼は、過剰労働の実態を隠し、売上ばかりを優先する父親の会社が運営する店の窓に石を投げ、窓ガラスを割ってしまいました。
その少年に対して、ミコトがかけた言葉です。
大人が作っている社会は、子供たちの未来になる。
大人は、子供を失望させてはいけない。
石を投げた少年の苦しそうな顔が、忘れられません。
人を死なせてまでやることなのか
自分を含む現場の過剰労働を、上からの指示で口封じされていた工場長。
社員を1人、過剰労働が原因の事故で亡くした工場長が、思いを改め、社長に立ち向かった。
その時に大きな声で叫んだ言葉です。
仕事には頑張りどきはあるし、仕組みが整うまでに時間はかかる。
声をあげたところで届かないこともあるし、理不尽なこともある。
でも、立場の弱い者が、声の小さい者が、何も言えずにすべてを背負わなければならないことはないはず。
この物語の中では、大切な命がひとつ失われてしまいました。
失ってから気付くのでは遅すぎる。
けれど、気付いたのなら、声をあげる。
工場長と、共に立ち向かった社員の強い意思を持った表情が、忘れられません。
夢なんてそんな大げさなもの無くてもいいんじゃない
夢なんてそんな立派なものがなくたっていい。
ミコトの言葉が、胸に残りました。
未来を選ぶ時や、今をささげる理由を考える時に、人に語れるほどの立派な夢を持てたら素晴らしい。
だけどそれが出来る人は、どのくらいいるのだろう。
なんのために働くのか。
それはどんな仕事であっても、代え難いモチベーションになる。
でもその目標の大きさは、人と比べるものでもなければ、大きくなければならないものでもない。
少し目線を下げれば、きっと皆、小さな目標を叶えたり、掲げたりしているはず。
それを見つめて、理解すること。
自分次第で、モチベーションはつくれる。
第5話
同情なんてしない。絶対に。
中堂にミコトがかけた言葉です。
人の気持ちや過去は、どんなに想像したって本当のところは結局わからない。
勝手に考えて、理解した気になって、同情して、可哀想に思ったところで、何も進まない。
だからと言って諦めない。
向き合って、進んでいく。
その強さを感じる言葉です。
第6話
合意の無い性行為は犯罪です
男にホテルに連れ込まれた東海林。
その服装を原因のひとつかのような言い方をした刑事の毛利に対してミコトが言った言葉です。
この台詞をまっすぐに言葉にして残したこの脚本に、強いメッセージを感じます。
野木さんの脚本で描かれる女性にまつわるテーマは、いつも一貫したメッセージが込められていて、心に響きます。
第7話
いじめという名の殺人
いじめを苦にした友人を亡くし、自分も後を追おうとした白井に、ミコトがかけた言葉です。
このシーンは多くの人の心に今も残っているのではないでしょうか。
あなたの人生はあなたのものだよ
あなたの人生は、あなたのもの。
他の誰にも奪われない、自分のもの。
それを自分で手放してはならない。
理不尽にも、不条理にも、生きていれば、負けない。
許されるように生きろ
白井に中堂がかけた言葉です。
遺された者は、答えのない永遠の問いに苦しむ。
生きて、苦しむ。
自分の人生を手放したら、負け。
第8話
うちの優秀な六郎に何を言うんだって
父親に馬鹿にされたような物の言い方をされた六郎。
ミコトがその六郎と居酒屋で話を聞きながら言った言葉です。
諭すわけでもなく、慰めるわけでもなく、自分事のように腹が立つと言ってくれる。
こういう言葉をもらえると、救われる時がある。
ミコトの六郎に対する態度や言葉には、気付かされるものが多いです。
私たちは私たちの仕事をしよう
父親に否定された法医学で、自分達は自分達の仕事をしよう。
ミコトが六郎にかけた言葉です。
腹が立っても、傷つけられても、感情的になったら負け。
自分の仕事をきっちりして、仕事で、正しく、勝つ。
意地とプライドを感じさせる、まっすぐな言葉です。
安心できる場所とか人とか
ミコトの義理の弟・秋彦が、電話越しにミコトにかけた言葉です。
帰る場所。
帰る場所があるって、大切なことで、幸せなこと。
誰もに当たり前のようにあるようで、本当は当たり前のない、かけがえのないもの。
場所でも人でもいい。
誰もにそんな場所が、ちゃんとあったらいい。
帰すべきところへ帰してあげる
被災地で医療に従事した際、帰るべき場所へ帰れない人たくさんの人を目の当たりにした神倉が、六郎との会話の中で言った言葉です。
この回では「帰る場所」がテーマになっていました。
帰るべき場所があり、そこに帰れることは、決して当たり前ではない。
帰れることが、帰してもらえることが、かけがえなく思えます。
俺は想いが足りないんだな
恋人を亡くした中堂。
夢にさえも出て来てくれない恋人を想い、中堂がミコトの前で呟いた答えです。
もう会えない。
もう一度会いたい。
いなくなれば会えないという、誰もが知っている事実を突きつけられた時、やはり願ってしまうのは、もう一度会いたい、ただそれだけなのかもしれません。
死を忌まわしいものにしてはいけない
妻を亡くしたことをバチが当たったと話すゴミ屋敷の老人に、神倉がかけた言葉です。
死はバチでも罰でもない。
生と死を分けるのは、そんなものではない。
生かされて、生きている、たまたまいる私達は、死を忌まわしいものにしてはいけない。
生きてるうちしか話せない
六郎といる時、ミコトが呟いた言葉です。
この言葉を受けた六郎は、父親に会いに行き、自分の想いを伝えます。
生きているうちにしか話せない。
わかっているのに、また今度でいいや、今じゃなくていいやと、先送りにしてしまうことって、ある。
言えなくて言わなかったこと。
聞けなくて聞かなかったこと。
「いつかまた」と思ってと、その「いつか」は、来ないかもしれない。
知っているはずなのに、知らないふりをしてしまう。
第9話
同情なんかしてたら
中堂を思ったミコトの言葉です。
同情されたくないと生きてきたミコトならではの言葉でした。
第10話
負けそう
ミコトが珍しく家族の前で吐いた弱音です。
どんな時も常に法医学者として仕事で不条理と闘ってきたミコト。
そのミコトが負けそうだと言った姿は、胸を締め付けるものがありました。
ひとりでなんて持てっこない
事件の事も、中堂のことも、1人で闘おうとして弱音を吐いたミコトに、母親の夏代が優しく強くかけた言葉です。
1人で背負わなくていい。
1人じゃない。
生きてる限り、負けない。
その言葉を胸に、また前を向くミコトでした。
職員ひとりに背負わせて
犯人逮捕のために鑑定書に事実を書かないようプレッシャーをかけられていたミコト。
ミコトが悩む姿を見て、上司の神倉が、ミコトに背負わせまいと立ち向かった時の言葉です。
責任転嫁しないでいただきたい
犯人逮捕のために解剖結果を捻じ曲げろと指示を出した烏谷に対して、神倉がUDIラボの所長として、強い口調で真っ直ぐに言った言葉です。
それぞれが、それぞれの仕事をする。
当たり前のようで、ひとりひとりの意思がなければ保たれない正義。
ひとつひとつのプライドの積み重ねが、正義をつくるのだと考えさせられます。
私を絶望させないでください
ミコトが中堂にかけた言葉です。
不条理な殺人により人生に苦しみを背負った2人。
自分の人生を、不条理に負けて手放さないために、ミコトが必死に叫んだ言葉でした。
不幸な生い立ちなんて興味はないし動機だってどうだっていい
ミコトが法廷に立ち、容疑者にかけた言葉です。
法医学者としての信念として事実を曲げずに法廷に立ったミコト。
過去に女はすぐ感情的になると馬鹿にされた経験すらも逆手にとり、容疑者の感情をあえて逆撫でするように語った姿、ミコト自身が最も嫌う同情をつかって不条理に勝利した姿が、見事で、とても印象に残っています。
絶望する暇がない
ひとつの事件が収束し、ミコトがまたひとつの不条理に勝利した後の、母娘の電話での会話です。
人生には、絶望することもあるかもしれない。
だけど明日はくる。
次から次へと、やるべき仕事が訪れる。
絶望に浸っている暇はない。
生きている限り、負けない。
以上、ドラマ「アンナチュラル」の名台詞集でした。