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見せてもらった背中、見せていきたい背中

「これがわが社の案です」。新人に任せてもらえた経験

今井 一丸さんは段ボール箱の設計という仕事、どのようにスタートされたんでしょうか?

一丸 段ボールに携わって28年になるんですけれども、元々は包装設計に携る職場を希望をして入社したわけではなく、たまたま初めてついた上司が、直近に人が辞めてしまって、誰か新入社員で生きのいいやついないのかと、なぜか私が釣られちゃったことがスタートでした。そこから振り返ればもう28年も経ってしまった、というのが正直なところです。

村上 最初に一丸さんを釣り上げてくださった上司の方とは何年ぐらい一緒にお仕事されてたんでしょうか

一丸 そうそうですね、15年近くは一緒にしてたかもしれません。

村上 相当長い時間ですね。どんなことを教えていただいたんでしょうか。

一丸 前回もお話させていただきましたけれども、やはり設計者として形のないものを形にしていく、そこに喜びを感じてほしいといったことを、常々繰り返し言われてました。それにやはり応えたかった。必死にその上司の思いにも応えたかったなって、今は振り返ります。

村上 これは僕の想像なんですけど、確かに設計って、出来上がったときの喜びって間違いなくあると思うんですけど、それってものすごく一瞬で、ほとんどの大部分は苦労だったと思います。特に最初の頃、右も左もわからないときに、苦労ばかり長い時間あると、結構大変な時期かなと思います。そういう時に隣にいる上司の方って、すごく大事な目安というか後ろ姿のような気がするんですけど、振り返ってみると、どうでしたか、その上司の方の存在は。

一丸 思うように展開していいよって言ってくれて、当然失敗をするわけです。それでも、手出しも口出しもせずに、社内で止めずに「お客様のところへその考えで持って行け」「自分で考え抜いたんだろう」って言ってくれました。そしてお客様に「これは、NTPとして考え抜いた設計案なんです」と話してくれたんです。そんなところに上司の気持ちや、背中を見てきたと今振り返ります。

村上 なるほど。今は肩書きにも、リーダーという名前がついていらっしゃいますけど、一丸さんが後輩たちを育てていく、背中を見せ、言葉を投げかける立場になっていますけれども、一丸さん流というか、どういうことを伝え、何を大事にしながら、リーダーをされているんですか。

一丸 そうですね、やはり楽しく仕事をしたいです。もちろん楽しいだけじゃなく、苦労も当然あるんですけれども、まず考えて、自分が考えて形にしていくものを作っていく。そのプロセスを楽しんでほしいなと思います。また、できない理由を並べるんではなくて、どうしたらできるんだっていう、そんな考え方をぜひ持ってほしいなと思います。そこに出来上がったときの達成感や楽しみがあるんだろうなと思うので、そこを伝えていけたらと思います。

家族と離れて・・・

今井 これまで開発のお話を伺ってきましたけれども、オフの日はどんな過ごし方をされていますか?

一丸 今、私は単身赴任で神奈川の方で生活をしています。この単身生活も3年目になります。

村上 ご家族は今どちらにお住まいなんですか。

一丸 滋賀県で生活をしてます。

村上 そう簡単に行き来できる感じではないですよね。

一丸 そうですね。ちょっと週末にというわけにはいけませんので、会社の制度を利用しながら、月1回は戻る機会を作っていただいて、そこで帰って家族と過ごしています。離れてみてわかる家族の絆っていうか、時間を過ごす楽しさを今かみしめてるこの2年間でしたね。

村上 特にこの数年は移動も制限されちゃうじゃないですか。そういった意味では、この2年間は、一丸さんはだいぶパワーダウンしちゃったんですか。

一丸 そうですね。やはり行動に制限がかかるっていうのもありますし、元々家族もそうですが地元の友達とかと飲む時間がすごく楽しかったので、おとなしく家で1人でお酒を飲んで時間を過ごす、そんな2年間でした。

村上 改めて家族とのコミュニケーションを離れてやっていく上で、工夫とか、コツとかありますか。

一丸 単身生活が始まったときは、本当にコミュニケーション取らないといけないと思い、毎日電話をしていたんです。けれども、なんかそれが無理だったような気がするんですよね。本当に声が聞きたくなるときってやっぱりあると思うので、その時まで離れたまま、接点のないまま過ごす方が、今はバランス的には良いのかなっていう気はします。無理にコンタクトを取る必要はないかなと思えるようになりました。

村上 僕すごく印象的だったのが、ダンダンドームが形になったとき、一丸さんが僕にすごく嬉しそうに、息子さんが「いい仕事してるねお父さん」っていうようなことを言ってくれたんだって話していただいたのを覚えているんですけど、そういった意味では、コンタクトが取れない中でも、あのときの言葉はすごく大きかったんでしょうか?

一丸 以前は息子と仕事の話はそんなに話していなかったんですけど、こうやって離れて「今日こんなことあったよ」などと伝えながら、あのダンダンドームがお披露目になって、映像化されたときに、「お父さんやったね」っていってくれました。そういう直接の言葉もありますし、普段毎日LINEとかでやりとりをしてるんですけど、そこにもメッセージが来て、やってきてよかったなって思いました。

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今井 私達はネイティブという名前で番組をやらせていただいていますが、「長く暮らしを続けていく人」をネイティブと呼んで、番組を続けてきました。一丸さんは28年間この仕事をされてこられたということですが、「ネイティブの設計者になる」には、どういったことが必要だと思われますか。

一丸 やっぱり楽しむことだと思います。楽しいだけではなく、過程の中に当然苦労もいっぱいありますし、無理難題いろいろある中でも、確実にやり遂げる、形にしていく、そこをぶれずにやっていくっていったところが今まで続けてこられたことだというふうに思いますし、これから先もそういうことをしっかり考えていきたいなというふうに思ってます。

村上 一丸さんが楽しいっていうのはどういったときが一番楽しいんですか。意外と苦労されてるときも楽しかったりするんですか。

一丸 実はそうですね。村上さんの無茶を聞きながら、なんてこと言うんだよって思いながら、だけどそれを形にする、実現する、お答えする、そんなときが楽しみであったり、ワクワクする瞬間になるんですよね。

村上 安心したような、これからますます楽しく仕事をさせていただければと思います。

一丸 すみません、実は勘弁してくださいっていつも思いながらやってたんです!

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(文 ネイティブ編集長・今井尚、写真提供 日本トーカンパッケージ)

次回のおしらせ

師弟、同じ会社の先輩と後輩というように、連続した話を伺ってきたラジオネイティブ。次回から編集長の今井と、フィールドアシスタントの村上祐資が直近のシリーズを2回にわたり振り返ります。お楽しみに。

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