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【読むラジオ】#007 カンボジア語はかわいい?

今井)前回まで吉川舞さんから「大地に根を張って暮らす人々」や「遺跡に対しての向き合い方」などについてお話を伺ってきました。ラジオネイティブは今回で7回目となりますが、新たなゲストをお招きしますます。村上さんからご紹介お願いできますか。

言葉を通してみるカンボジア

村上)はい、日本とカンボジアでデザイナーをされている貝塚乃梨子さんです。今回は帰国中ということで宮城県からご登場いただきます。僕は貝塚さんとカンボジアでお会いしたんですけれども、本当にも現地の人と間違うくらいに現地に馴染んでるんです。言葉がめちゃめちゃペラペラで、僕はカンボジア語は全然わかんないんですけど、貝塚さんがしゃべってるのを聞くと、多分ものすごくネイティブで話してるなっていうのを感じます。言葉を通してカンボジアの人達やその暮らしについて理解されてるんだなーってすごく感じているので、今回はそんな言葉の違いや似ているところとか、そういう観点からお話を聞きたいなと思ってます。

貝塚)はじめまして! カンボジア人に間違えられるデザイナーの貝塚乃梨子です。よろしくお願いします。

村上)やっぱり間違えられますか!

貝塚)間違えられますね・・・、カンボジア人かっ!てよく言われます(笑)。

今井)このポッドキャストでは毎回キーワードごとにお話を伺っていきたいと思ってるんですけれども、今回はこの言葉を通して人と人がつながるということについて伺いたいと思い、「言葉」をキーワードにお話を伺いたいと思うんです。そもそも、カンボジアの言葉って、どういう特徴なのですか?

貝塚)カンボジアはですね、カンボジア語とかクメール語って言われる言語を話しているんですけど、音で文字を作っていく表音文字と言われるような言葉なんです。なので結構、音がポイントになってきます。独特の韻を踏んだりですとか、言い回しがあったりというのが特徴です。

村上)僕は貝塚さんが作った九九を覚える「九九の歌」をクメール語で作った動画を見て、お気に入りなんですけど、ちょっとそれしゃべってもらってもいいですか?

貝塚)ピム・ドンピーン・ピーバイドーン、みたいな歌なんですけどね(笑)

村上)これだけリズムがいいと、現地の人でも自分達の言葉を喋っていると、楽しくなったりとかしないんですか?

貝塚)最近、日本で言う「しゃべくり漫才」みたいなのが若者たちの YouTube とかですごく人気です。リズムがいいので、ラップみたいな感じでどんどんみんな早口でしゃべるっていうのは結構若者の間は流行っています。

村上)貝塚さんご自身はどうですか? 日本語をしゃべっている時と、現地の言葉でしゃべってるときと、性格変わるなぁみたいなこともあったしないですか?

貝塚)ありますね。やっぱり言い回しもシンプルなので、すごくに端的に話せるようになります。あと英語をしゃべろうと思っても、クメール語が出ちゃったみたいな時はあります。

今井)ちょっと基本的な事なんですけど、カンボジアの言葉って「カンボジア語」って言ったり「クメール語」って言うんですけど、何か違うんですか?

貝塚)言語自体はまったく一緒です。カンボジア語は、カンボジアで話されている言語という意味ですが、クメール語って、英語で書くとスペルが khmer なんです。それを日本語にした時にクメールって訳してクメール語っていう風に言われることもあるんです。なので二通り言い方があるって感じです。

村上)同じ言語のことなんですね

今井)カンボジアでは国じゅう一つの言語っていうことでいいんですか?

貝塚)一応基本はクメール語/カンボジア語ということなんですけど、少数民族の方が結構いらっしゃるので、そこではまた違う言語が話されてたりとか、あと「なまり」っていうのも実はあるんですよ。地方によって。

猫みたいで、かわいらしい言葉

村上)カンボジアの言葉を貝塚さんなりにひとことでシンプルに説明すると、どんな言語ですか? 雰囲気として、「楽しい言語」とか「激しい言語」とか。

貝塚)ニャ、ニィ、ニュ、ニェ、ニョっていう感じです。私の中では(笑)なんか、猫みたいな。

村上) まるくて、軟らかいような感じなんですね。

今井)カンボジア語、初めて注意して聞いたんですが、すごくかわいらしい言葉だなと思いました。貝塚さんはこのカンボジア語に最初に触れてから随分、カンボジアやカンボジア語に対してのイメージが変化してきたんじゃないかなと思うんですけれども、いかがですか?

貝塚)カンボジア語に対してというわけではないですが、やっぱりここ数年ですね、カンボジアに住んでいて感じる著しい変化ってのがあります。それは開発の波がすごく押し寄せてきていて、高層ビルですとかショッピングモールがもう青竹のようにできています。携帯電話とかも保有率が100%を超えるぐらいの感じで、村に行っても子供たちがスマホで YouTube を見るみたいな感じのキャップみたいなのが結構あって。
その一方で、個人の時間の流れはほとんど変わらないなーって私は印象を受けています。家族でちゃんとご飯を食べるとか、暗くなったら寝て、朝は早く起きるみたいな自分のリズムをしっかり持っている人たちだな、と感じています。

村上)「身の丈」っていうのを昔から大事にしているっていう感じですか?

貝塚)なんか、そんなに欲がそこまでないというか、多分宗教も関係してくるとは思うんですけど。やっぱり徳を積むですとか、欲を持たないみたいな考え方があって、仏教すごく信仰している人たちなのでそういうのが根底にあるのかなというのは感じますね、生活の中で。

自然のリズムで暮らす

村上) 今、カンボジアの人たちと一緒にお仕事をされてますけど、働き方みたいな部分では、集まってくる時間とかも結構皆さんしっかりなのか、逆にゆるかったり、どんな感じですか?

貝塚)日本と同じで人にはよるんですけど、基本的には時間を守ってちゃんと来るすごい真面目な方々が多いと思います。ただ雨が降ると来ないとか、自然にあらがわない部分もありますね。

村上)交通機関とかは日本だと分刻みで動いていたりしますけど、カンボジアではいかがですか?

貝塚)基本的にはバイクが一般的な移動手段ですね。あとバスとか、トゥクトゥクがあるんですけど、トゥクトゥクはアプリですぐ呼べるんですよ。なのでもドア・トゥー・ ドアで色んな所に行けるので、日本より便利です。逆に日本の方が本当に不便で私ショックを受けました。それぐらい移動手段は本当に困らないですね。自分のタイミングで全て動かせるので、楽です。ただ電車は来ないです。

村上)休み時間とか、そういったリズムはどうですか? 日本だと「休み時間もそこそこに」ってとこもありますけど、お昼休みは皆さん結構しっかり取ったりしてるんですか?

貝塚) はい、もうやっぱり食べることが一番大事なので、お昼ご飯は絶対に食べるっていうスタンスはありますね。あと空いてる時間があったら何か食べてるっていう感じです。

村上) 僕がカンボジアのみなさんとお仕事させてもらった時に印象的だったのは、雑談を楽しそうにいつもしていることでした。でも手はずっと動いてるみたいなイメージが印象に残っています。貝塚さんからみてどうですか?

貝塚)おっしゃる通りで、本当におしゃべりが大好きなんですよ。止めないとずっとしゃべってるみたいな。知らない人でもすぐ仲良くなれるみたいな民族性っていうのはあるのかなと思います。

村上)パソコンの仕事だと、それぞれ場所が決まるので、しゃべろうと思ってもしゃべりづらかったりするじゃないですか。それはそれで集中するのかな?
貝塚)結構みんなオンオフの切り替えもできてる人が多いと思うので、その辺は多分うまくやってるのかなっていうふうには思えますね。

今井) 今回、カンボジアの社会がどんどん近代的に変化してきているということに、そうなんだなという風に思ったんですけれども、日本だと例えば会社で、隣の席や後ろの席にいる人とチャットしてたりとか、仕事場でそういう風にコミュニケーション取っちゃったりするんですけれども、カンボジアの人たちはそれでもすごくおしゃべりをずっと大切にし続けていると聞いて、すごくうらやましいと言うか、余裕があるなと感じました。

(文・ネイティブ編集長 今井尚)
(写真 貝塚乃梨子さん提供)

次回のおしらせ

ラジオネイティブ #008 「家の前にマンゴー」

カンボジアの人たちの、少しゆるくて、自然とともに生きる暮らしぶりについて貝塚さんにお話うかがいます。

The best is yet to be, お楽しみに!

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