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僕の詩は
ほぼ自己満足
渦巻く想いに
どれだけ言葉で近づけるか
身に染みた単語で
どこまで心をさらけ出せるか
この生で何かを綴り続ける
その自己満足の塊たちの中で
見栄えのよさそうなものを
この蜘蛛の巣の中に放り出す
一瞬でも
誰かの心のどこかに触れること
それが叶えばと
【詩】「プラットフォームの上」
プラットフォームの上
まだ電車は来ない
遠く離れた場所の喧騒を見る
僕はイヤホンでお気に入りの曲を聴く
皆、自分の正義で生きている
皆、自分の流儀で過ごしてる
プラットフォームの上
人がそんなにいるわけじゃない
空いたスペースにピンで貼り付けられた紙の
細かく書き込まれた文字をぼんやりと見る
皆、自分の主張で生きている
皆、自分の正義に拘っている
プラットフォームの上
歩く鳩が同化しか
【詩】「ぼくはわらう」
ぼくはわらう
すがりついていかなきゃ
たちゆかないのをわかってるくせに
つよがるあなたのすがたを
ぼくはわらう
たにんのつみをきびしくきゅうだんし
じぶんのつみをいしきしない
みがってなおまえのみっともなさを
ぼくはわらう
やさしさあふれるけっかをみちびいたと
おもいこんでかんちがいした
えがおをうかべるひとのあわれさを
ぼくはわらう
ちがうみらいをえらべるはずなのに
なにもせずたち
【詩】「Laplace」
その靴音に耳を澄ます
響きで君の調子が分かったつもり
まだ夜にもなってない時間
電車は一本やり過ごすことにした
確か次はガラガラだ
その表情をただそっと観る
翳りで君との逢瀬は切り上げた
まだ夜には程遠い時間
僕のサーカスは始まってもいない
広場は空っぽなままで
日が変わりそうだ
誰か言ってたよな
全ての物理的な現象を計算できれば
未来は分かるんだって
「全て」なんて一言で片付けられるな
【詩】「どうしてか冷えている」
この夜はどうしてか冷えている
流れる風はどうしてか冷たい
誰かの家の下を通り過ぎた
窓は暗いままで変わりない
視線を戻した時に吐いた息は
どこかに消え落ちていく
繰り返す毎日に句読点はない
感嘆符も引用符もない
誰かから届いた文章の
意味は大抵読み取れない
視線を上げた時に入る景色は
いつもおんなじ色調
この夜はどうしても冷えている
流れる風はどうしても冷たい
繰り返す毎日にピリオド