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軽すぎて耐えられない百田尚樹の国家観

先ず、5/7時点でのあさ8での、有本香・百田尚樹の言葉をここに抜粋する。

有本香「今回いきなりハマスが【奇襲】をかけて……ハマスのやったテロ攻撃を是認するのは良くない。これに尽きる」「長きにわたってあるイスラエル人とパレスチナ人の確執にまで私たちは首突っ込んでもしょうがない。」



百田氏が続ける
百田尚樹「日本は真珠湾攻撃で米国に【奇襲】しました。結局米国の報復に会いましたね。で原爆を落とされた。」「アメリカに300万人くらい殺された。米国やりすぎじゃないかともいえるが、でもこれしゃーないんですよ戦争になってしまったらね。沢山殺したから悪いという問題でもない。

百田尚樹の歴史観に単純に驚きを隠せないが、何より重要なのは【何の為にこれを言ったのか?】である。
番組のトピックとしては「拘束したデモ隊の半数が大学とは無関係 イスラエルに抗議2000人」の中で、イスラエルへの抗議はフェイクであるという趣旨で話を展開。

そして有本香の言葉「今回いきなりハマスが【奇襲】をかけて……ハマスのやったテロ攻撃を是認するのは良くない。これに尽きる」「長きにわたってあるイスラエル人とパレスチナ人の確執にまで私たちは首突っ込んでもしょうがない。」から
百田尚樹の「日本は真珠湾攻撃で米国に【奇襲】しました。結局米国の報復に会いましたね。で原爆を落とされた。」「アメリカに300万人くらい殺された。米国やりすぎじゃないかともいえるが、でもこれしゃーないんですよ戦争になってしまったらね。沢山殺したから悪いという問題でもない。」という流れ。


★要するにイスラエルへのアンチテーゼに対するカウンターとして発言しているのである。(イスラエルを擁護するために、日本を貶める発言と取られてもしょうがない例えとして、真珠湾攻撃は奇襲、300万人殺されたのも仕方ない、とわざわざ発言した。)

明らかにイスラエルや米国の立場にたっての発言であることは言うまでもないが、それは一旦良しとして考えてもらいたい。

百田尚樹は2024.4月の補欠選挙において「日本保守党だけが唯一の保守政党、ほかは全てリベラル」と語った。

保守を標榜する日本保守党の代表が、この発言をする必要があるのか?仮に左翼やリベラル政党がこれを発言するならば、全く違和感はない。
それに例え話なら他にいくらでもできるのである。なぜ左翼やリベラル的な国家観的見解を例えとして出したのか?

それは、左翼・リベラル的国家観としてではなく、例えばネオコン的な日本観としてそれを語ったのではないか?という事である。

※ネオコンの歴史観や日本観については以下のyoutube動画で垣間見ることができる。参考にされたし。(ネオコンを直訳すると新保守主義

ネオコンの論調
ネオコンはアメリカが戦争に関わることで、アメリカに経済的メリットがある(あった)ことを、堂々と語る。
そのネオコンが多用する言葉をいくつかピックアップする。
「自由民主主義」「民主主義を守るための戦争」「ロシアのウクライナ侵攻」「テロとの闘い」「テロは許されるべきではない」他…

民主主義国家に対する比較として「独裁」を使用し、独裁であることだけで思考停止状態で悪だと認定し、武力攻撃(戦争)をも肯定してしまう。
しかし実際は【独裁=悪】ではない。独裁者が自国と一定の利益をともにして、自身と自国の為にリーダーシップを発揮し、他国とうまく外交をこなしていければ、他国のいいなりって富を他国に流す民主主義国家よりよほどましで、民意を金で買えるような民主主義が、軍産複合体の資金で動くのであれば、民主主義は悪である。
(※自由民主主義国の欠点は、経済規模大きくなり、さらにグローバル企業や国際機関の影響が大きくなると、リーダー(日本で言えば総理大臣)が自国や自国民と必ずしも利益が一致しなくなっていくことにある。自国民を無視して国際機関やグローバル企業から、リーダー自信が個人的に利益をえて、国民と利益相反を起こす場合があるのだ。)


有本香・百田尚樹は使用する言葉や概念が、ネオコンなどの戦争を暗に肯定する勢力とかなり一致してしまうのである。

ネオコンやイスラエル、軍産複合体にとっては、戦争は望むところであるが、表立って戦争を肯定することはできない。
なぜならば戦争資金は国家予算から捻出されるものだからだ。民意を戦争(戦争に予算をつける)やむなしと誘導しなければならない。

(※真珠湾攻撃・ナイラ証言・大量破壊兵器・9.11・ロシアによるウクライナ侵攻…などが利用されている。確かにロシアが侵攻したのではあるが、例えば「EUによる覇権主義(東方拡大)が招いた戦争」とも言えるし、何とでも言えるのだ。)

その為に「テロとの闘い」「自由主義を守る」「民主主義を守る戦争」などの言葉を多用するのである。

振り返ってみよう
有本香「今回いきなりハマスが【奇襲】をかけて……ハマスのやったテロ攻撃を是認するのは良くない。これに尽きる」「長きにわたってあるイスラエル人とハマスの確執にまで私たちは首突っ込んでもしょうがない。」

まず、これに尽きるとあるが、これに尽きないのである。
テロを誘発するのは過剰報復である。有本は「今回いきなりハマスが奇襲……」と【今回】という言葉を20245.7段階で言っているが、今回(今現在)行われているのはハマスのテロ行為ではなく、ガザへの民間人を含めた無差別過剰報復であり、飯山陽(日本保守党)が当初言っていた
❶ハマスの軍事力の無力化
❷拉致された民間人の救出
の域をはるかに逸脱しており、イスラエルは非武装地帯への空爆もガンガン行っている。

これでは、将来のテロの誘発要因を今現在イスラエルがつくり出していると言えるし、有本香が言う「長きにわたってあるイスラエル人とパレスチナ人の確執にまで私たちは首突っ込んでもしょうがない。」と確執をはるか過去の事として扱っているが、この確執は現在進行形なのだ。
有本香の名誉のために言うが、彼女はボケているのではない、痴呆症なのでもない。イスラエルやアメリカ、ネオコンや軍産複合体の顔色を窺って、言論をつくり出していると考えられる。
親米保守・拝米保守・媚米保守・戦後レジーム保守などと呼ばれる所以である。



それでは本題に入るが、もう一度百田尚樹の発言を振り返る。
日本は真珠湾攻撃で米国に【奇襲】しました。結局米国の報復に会いましたね。で原爆を落とされた。
これは端的にアメリカの言い分である。アメリカの言い分をそのまま代弁しない限り、保守を標榜する日本保守党代表からこの言葉は絶対に出てこない。(左翼・リベラル政党からなら、まだわかる。でも極論は左翼もアメリカ・GHQが作ったんだけどね)

次に
「アメリカに300万人くらい殺された。米国やりすぎじゃないかともいえるが、でもこれしゃーないんですよ、戦争になってしまったらね。沢山殺したから悪いという問題でもない。
これには2つの要素が含まれる。
❶GHQは日本がアメリカに二度と逆らわないようにメディアや教育などをコントロールしてきた。アメリカへの報復感情を消す狙いもある。まさにそれに則った言い分である。
❷イスラエルによるガザ侵攻において、ハマスのテロで亡くなったイスラエル人へ対し、10倍返しでガザのパレスチナ人無差別攻撃を行うイスラエルを肯定する言い分である。(これは、ハマスのテロと真珠湾攻撃を同列い扱っている。まさに欧米ディアやアメリカ、ネオコンの主張通りだし、逆に言えば、ネオコン等の発信する情報に寄り添っていれば自然と出てきてしまう言葉だ。)

すなわち、百田尚樹にとっては、アメリカやイスラエルの方が日本よりはるかに重たい存在であり、はるかに日本は軽い存在なのである。

 「真珠湾攻撃という奇襲をアメリカに行った。だから虐殺としてではなく報復をした」という歴史観はネオコンのそれとも一致する。
ネオコンや欧米メディアなどでは「真珠湾はテロ攻撃」「テロとの戦争は必須」という世論誘導により、戦争を肯定し、戦争資金に予算をつける取り組みがずっと続けられているが、それを百田尚樹が日本でやっている。

百田氏がしきりに「ウクライナへの支援をやめるとウクライナがなくなる。支援は続けなくてはならない。」と言ってきたのもそのためと考えれば合点がいく。

ならば、それはアメリカへ日本の富を流す売国行為ではないだろうか。

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