積乱雲

日々感じたことを書き留めていきます

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最近の記事

孤独

あなたは孤独じゃなかった 星ひとつ見えない真っ暗闇にあなたが遊んでいたとき そうしてゆっくりと溺れゆく自分を諦観していたとき あの夜より暗いhabitを着たわたしが あなたを暖かく抱きしめた

    • 僕が昔ハマっていたゲームの話

      ある平日の夜のこと。 学校から帰った僕はランドセルを勉強机の上に放り投げ、宿題もろくにせずそのまま2段ベッドの上の段に寝転がって「ポケットモンスターパール」をプレイしていた(下の段は妹のものだ)。 しばらくすると玄関のドアが開く音がした。多分おじさん(当時の母の彼氏のこと。話すと長いので今は割愛する)が仕事から帰ってきたのだろう。廊下を歩く足音で分かる。 帰ってきたおじさんはリビングに通じる廊下を渡り、その途中でいつものように子供部屋を覗きに来た。 「ただいまー」 「あ、おか

      • 特にない。強いて言えば、なんとなく

        「なんで大学辞めたの?」 家族や友人に今まで何度も質問された。 その度に僕は「ちょっと鬱気味になっちゃって…」とか、「大学の授業が高校の延長線みたいに感じられてつまらなくて…」とか、「決められたレールを走るのが嫌になって…」とか、色々とそれっぽい答えを返してきた。 まるで面接官に志望理由を聞かれる就活生のような気分で。 嘘だ、全部嘘だ。 本当は分かっていた。 でもどうしても僕は「それ」を認められなかった。 だって常識的にあり得ないから。 他の人に話しても納得してもらえるは

        • 昔好きだった人が夢に出てくることは何度かあるけど、この前全く知らない女性に恋をする夢を見て、起きた時あんなに虚しい気持ちになったことはなかった。 ああこのひとは世界のどこにもいないんだって。

        • 僕が昔ハマっていたゲームの話

        • 特にない。強いて言えば、なんとなく

        • 昔好きだった人が夢に出てくることは何度かあるけど、この前全く知らない女性に恋をする夢を見て、起きた時あんなに虚しい気持ちになったことはなかった。 ああこのひとは世界のどこにもいないんだって。

          僕の尊敬している人

          大学に入ってすぐの頃、「大学院生が新入生に実験レポートの書き方教えます」的なイベントに参加したことがあった。 院生の先輩方がレポートの書き方をざっくり説明した後質問コーナーになり、そこで無知で無鉄砲だった僕は生意気にも院生にこう質問した。 「なんで実験結果って失敗した時もちゃんと書かないといけないんですか?失敗した時の様子って別に誰も知りたがらないと思うんですけど」 失敗は成功と同じくらいの価値があり、現に失敗から生まれた理論や発明もたくさんある。 今の僕ならそれが分

          僕の尊敬している人

          人生最悪の日

          午前6時30分 目が覚めた。 ここ最近は、目覚ましも使っていないのにやけに朝が早い。 というのも、夜は日付が変わる前にさっさと寝てしまうようになったからだ。 夜中に独りで部屋にいても、嫌なことばかり考えてしまうから。 とはいえ早起きしたところで特に何をするでもなく、ただベッドの上でスマホをいじるだけである。 とにかく何も考えたくない。 何も YouTubeを見たり、Twitterを見たり、必死に気を紛らわそうとする。 でもどうしても頭から離れない。 「本当

          人生最悪の日

          高校生時代に夜の部室に忍び込もうとして失敗した話(後編)

          ↓前編はこちら 10分後

 僕らは部室の中にいた。
 
仕方ないじゃないかだって、田中があんなに純粋な目で見つめてくるんだもの。
 「え、行かないの?行くよね?俺たち何のためにここまで来たのかわかってるの?」 みたいな目でじっと見つめられたら僕ももう何も言えず学校へ引き返すしかなかった。 ただまあ、そうは言いつつも僕の中にも諦め切れない気持ちがあったんでしょうね、馬鹿が しかし警備員はもうどこかへ行ってしまったらしく、今度は驚くほどあっさり部室に忍び込むことが

          高校生時代に夜の部室に忍び込もうとして失敗した話(後編)

          僕は自由か

          決定論というものがある。 世の中の出来事はすべて、あらかじめそうなるように定められていて、人間の努力ではそれを変更できない、とする考え方らしい。 誰が定めているのかといえば、神とか物理法則とか色々呼び方はあるが、そこは各々の信条や宗教に任せるとして。 ともかく、砲弾を射出してその初速と角度から落下位置を計算するように、この宇宙の成り行きはビッグバンの時から全て決まっているらしい。 もちろん僕の人生も例外ではない。 僕が生まれた時には既に、僕が死ぬ程努力して高校、大学

          僕は自由か

          いつか来る幸せ

          中3の頃、僕は塾で一生懸命勉強していた。 一日中勉強していて本当に苦しかったけどそんな僕を励ましてくれたのは塾の先生の「今は苦しいと思うけど、ここで頑張って良い高校に入れば人生バラ色だから!」という言葉だった。 その言葉を信じて死ぬ気で勉強して、僕はその県で一番の高校に合格した。 やっと勉強の苦しみから解放される、これから僕を待つのはバラ色の人生なんだ。 そう思っていた。 だけど僕は間違っていた。 勉強のレベルは中学時代と比べものにならないほど跳ね上がり、クラスメ

          いつか来る幸せ

          目が覚めて意識が覚醒するまでの数瞬間が好きだ

          とても寝覚めが良い日は、目が覚めてからほんの僅かな間小さい頃住んでいた家のベッドにいるような錯覚に陥ることがある。 あの頃は幸せだった。 平日はランドセルを背負って母に見送られて家を出ていた。 1人で早朝の通学路を歩くのも好きだし途中で友達を見つけたら声をかけて一緒に登校するのも楽しかった。 休日は目が覚めてすぐに今日は何をして遊ぼうかワクワクしていた。 友達と約束があれば友達の家に行って一緒にゲームしたり、公園で遊んだり。 何も予定がない日は朝から日が沈むまで大好きなゲーム

          目が覚めて意識が覚醒するまでの数瞬間が好きだ

          つれづれなるままに

          悩みのない人間はいないとよく言うが僕は全人類の頭の中を覗いたことがないのでこれについてはなんとも言えない。 また、もし今を生きる人間全ての頭を覗いて皆それぞれ悩みを抱えていることが分かったとしてもそれではまだ不十分で、今度は過去に生きていた人間の頭の中を覗き、そして未来に生きる人間の頭の中も全て覗かなければならない。 この中にたった1人でも何の悩みもなく生きている人間を発見すれば上の仮説は否定されるわけだ。 これは所謂悪魔の証明というやつで、何かが「ある」ことを証明するのは簡

          つれづれなるままに

          僕は「人はなぜ生きるのか」という問いから目を逸らし続けて生きていくしかない

          問:人はなぜ生きるのか 答:意味などない。 問:ではなぜ人生という意味のない行為を、こんなに苦しい思いをして続けていかなければならないのか 答:生きなければならない理由はない。 問:では死んでも良いか 答:そうしたければそうするが良い。止める理由はない。 これ以上に反論の余地のない理屈に僕は出会ったことがない。 自分が死ぬと悲しむ人がーとか、まだ人生の楽しみを経験してないからーとか、色々反論を組み立てようとしたが「人生是無意味也」の前にはあまりにも無力だった。 もしこの

          僕は「人はなぜ生きるのか」という問いから目を逸らし続けて生きていくしかない

          車の後部座席に乗るのが好きだ

          車の後部座席に乗るのが好きだ。 僕はただ座っているだけで、他の誰かがハンドルを握って運んでくれる。 僕は携帯をいじったり、流れる景色を見たり、ぼーっとしたり、そうやって時間を潰していたらその内にまぶたがだんだん重たくなってきて... そして気づけば目的地に着いている。 そんな人生を送りたかった。

          車の後部座席に乗るのが好きだ

          一歩間違えたら死ぬところだった話

          気づけば随分遠くまで流されていた。 底は見えず、足もつかない。 泳げない上にライフジャケットも着ていない。 助けを求めて必死に辺りを見渡すが、僕以外は誰もいない。 それもそのはずだ。だって今は朝の5時過ぎなんだから。 大人たちは誰も起きて来ない。 とにかく顔を水面から出そうともがき続けてはいるが、自身の体力が一歩一歩着実に限界に近づいているのを、僕は絶望的な気持ちで感じ取っていた... 小学五年生の夏休み、僕は家族友人ら10人くらいで遊びに行った。 2泊3日の小旅行だ。 目

          一歩間違えたら死ぬところだった話

          Desideriumとテレビ石

          英語には、日本語ではひとつの単語として表現できない意味を持つ単語がいくつかある。 例を挙げると Petrichor... 雨が降った時に、地面から上がってくる匂い Ambisinistrous...両手が左手である状態、転じて両手が左手であるかのように不器用で危なっかしい状態 Azymous...イーストを入れられていないパン Artolater...パンを崇拝する人 Paneity...パンがパンである状態 などなど。 調べてみるとこれがなかなかどうして面白い。 なぜかパン

          Desideriumとテレビ石

          高校生時代に夜の部室に忍び込もうとして失敗した話(前編)

          「夜中に学校に泊まるとかワクワクしねぇ?wwwww」的な頭の悪いノリで僕を誘ってきやがったのは、同じ部活の田中(本名)である。 もっとも、その誘いに軽率に乗って夜の9時に正門前に集合した僕も大概馬鹿ではあるのだが。 正門前に集合した僕達は、正門から堂々と入るのはさすがにバレそうだということで門から少し離れたフェンスをよじ登って学校に侵入することにした。 ガシャガシャと不吉な音を立てながら、それを全く意に介さず2mはあるであろうフェンスを軽快に登る田中。 僕はその音が周りに聞

          高校生時代に夜の部室に忍び込もうとして失敗した話(前編)