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軽率に出そう、同人誌(16ページ本のすすめ)

最盛期は年5冊ほど漫画同人誌を出していたものの、色々あって3年ほど同人活動を休んでいたのですが、半年ほど前から「16pくらい(表紙+本文8p+事務ページやおまけ4p)の本を少部数作って軽率にイベントに出る」という活動をしていてなかなか塩梅がよく、このくらいの軽率さなら「いや~同人誌作ってみたいんだけど敷居が高いんだよな~」って人とかの役に立つかもしれないので色々書き留めておこうと思います。原稿の作り方のハウツーではないのでそういうのはもっといい記事書いてる人がいると思う。


出たいイベントを決めよう

まずは出たいイベントを決めてしまいましょう。
個人的に「軽率に本を出す」という観点だと、オールジャンルでビッグサイト開催!みたいなイベントよりはデカすぎない規模のオンリーイベントなどがおすすめです。

理由は
■申込み締切から開催までが近めでモチベーションが落ちにくい
■大規模オールジャンルと比べて参加費が安い
■大規模イベントは印刷所が混雑するので締切が早まる
■同じジャンルの固まってるオンリーなら買ってくれる人がきっといる
■小さめのイベントだと会場を回りきれるので初見の人が買ってくれやすい
…などです。

オンリーイベントはモチベーションと財布に優しい。もちろんでかいイベントもそれはそれで楽しいので、まあここはお好みで決めてしまいましょう。
ただ本を作り始める前に参加するイベントはぜひ決めたほうがいいと思います。なぜなら締切や目標は本を出させる魔力があるから。

自分の同人復帰戦は昨年10月のTAMAコミ(200~300sp規模の一次創作オンリー)だったのですが、すごく楽しいイベントだし買い手の会場回遊率も高くて規模の割には本がよく捌けるイベントだと感じたのでとてもおすすめです。

印刷所を決めて見積や予約を取ってしまおう

本文を描き始める前に印刷所を決めて見積もりや予約を取って締切を確定させてしまいましょう。なぜなら締切や目標は本を出させる魔力があるから(2回目)。具体的なことが決まると予定も立てやすいしね。

軽率に本を出しちゃお!ってときにおすすめの印刷所はオンデマンド印刷のポプルスさんです。親切・やすい・締切が遅い・印刷もちゃんときれい。

快速本ってシンプルなプランだと金曜に入稿して日曜に本ができてて追加料金無し。どゆこと?
この記事の主題の「16pくらい(表紙+本文8p+事務ページやおまけ4p)の本を少部数作って軽率にイベントに出る」って目的だと一番いいのではないかと思います。16pの本なら50冊刷って1万前後+送料なのでお得。
標準の表紙用紙がやや薄手なこと以外は弱点のない印刷所です。

ちなみに前述のTAMAコミの主催をしているのもポプルスさんです。
ポプルス推しのTAMAコミ推し、回し者感がすごい(個人的に好きなだけです)。

あと私は部数が多いとき(200部超えるくらい)はオフセット印刷のスズトウシャドウさんにお願いしていましたが、年明けの地震で被災されてしまって営業が止まっており悲しい…ウオーッがんばれ~~~~!!!

でも変形本とか作らない限りは原稿の仕様もほとんど共通してるし、印刷所選びもやりたい装丁や使いたい紙、友達のおすすめなどお好みで決めていいんじゃないかなと思います。
ただ、16pくらいの本を出すぞ!って時は料金表が20pからでそれ以下はお値段が20pと同じって印刷所もあるので注意です。

執筆しよう(本題はここ)

「16pの本」の良いところは、印刷がない表2・表3を除けば14p、つまり1日1pやれば2週間でできるところです。
同人誌って敷居高いよ~と思ってた人もこのくらいならなんだかできそうな気がしてきませんか?お勤めや学校などがあって1日1pやるのが難しそうでバッファをとっても1ヶ月くらいあればできそうじゃないですか?
事務ページやキャラ紹介といったページをいくらか割く場合は漫画本文は8~10pくらいになるのでもっと楽になると思います。

なぜ私が16pの本をコンスタントに出していこう!という方針にしたのかというと、まさに「このくらいならなんだかできそう」がとても大きいです。「完成させる」という成功体験を定期的に得たいな…と思ってこのようなスタイルにしています。
現在会社勤めをしながら商業誌掲載を目指してネームを作っているのですが、なかなか会議を通過せず、ず~っとネームをやってると完成までたどり着かないもどかしさで気持ちがしおしおしてきます。かといって商業誌と同じようなボリュームの読切を同時並行で何本もできるかというとキャパ的に無理だし、完成までが遠くてすぐには成功体験を得られないと思い、「頑張れば2週間でできる」を目標にしてみました。

あと漫画描くだけならウェブ公開でもいいんですが同人誌だと締切の強制力があるのも大きい。締切や目標は本を出させる魔力があるから(3回目)。
あとやっぱり自分で描いたものがブツになると嬉しい。同人誌って最高。

実際にそのように「頑張れば2週間でできる」を目標にした昨年10/1の第7回TAMAコミに出した本は下図のようにおおよそ2週間で1冊出すことができました。

昨年10月に出した本は実際こんな感じでやりました。なおAC6はいまだに途中で積んでいます

ちなみに最新の本・先日のCOMITIA147の新刊は表紙と本文込みで4日で描きました。さすがにそれはよくない成功体験だ…次もそれでできると思っちゃうから…。

そんなわけで気合があればすぐできる工数、かつ、印刷所に頼んでコピー本よりリッチにできる最小単位として16pの本、とてもいいのではないでしょうか。

そしてイベント当日!

本ができたらあとはイベントで売るだけです!お疲れ様でした!
軽率に!とはいえ、せっかく作った本なのでいっぱい宣伝して、スペースも見やすく展示して色んな人の手に渡るよう頑張ってください!

必ずしも什器を色々用意する必要はないけど敷布だけはあるとスペースの見栄えが全然違うのでおすすめです。1スペースの幅は大体90cmなので90×120cmくらいの布を用意するといいです。

一点、軽率に出せる16pの本唯一の難点は「即売会でお会計しやすい500円の値付けをするには心許ない」ことでしょうか。かといって印刷所に出した本だと100円じゃ印刷費も回収できないし。まあ少部数なら言うほど手間でもないので私は程よい300円にしています。私は概ね同人誌の値段を決めるときはページ数×10+100~200円くらいの値付け感覚です。

おわりに

……印刷所に頼む前提でここまでお話をしてきましたが、極論「折れば本」です。真に軽率に本を出すときは前日に思いついて家のプリンターで当日朝刷って会場で製本みたいなこともある。

あと二次創作とかでマジで唐突に急に何かにハマるなどしてイベントに出たくなったときは突貫でコピー本を作ってイベントに出る友達のスペースに置かせてもらうなどの手段もあります。そういうときはしっかりお礼やお手伝いをしよう!

同人誌って本当に最高に楽しい趣味なので、敷居が高そうだな~と思っている人が一人でも多く本を出す側の人になってくれるといいなと思います!

あと本文中で出てきた私の本はこちらで買えます(宣伝)

https://natano.booth.pm/

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