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「真摯」を考える。

「マネジメント」の生みの親であるピーター・F・ドラッカー氏は「真摯」という言葉を頻繁に使います。

真摯さに欠ける者は 組織の文化を破壊し 業績を低下させる

真摯さを絶対視して、初めてまともな組織といえる

上司が持つべき唯一の資質は真摯であること

学ぶことのできない資質、習得することができず、もともと持っていなければならない資質がある。他から得ることができず、どうしても自ら身につけていなければならない資質がある。才能ではなく真摯さである

ピーター・F・ドラッカー

とても重視しています。いったいこの「真摯」とはどういうことでしょうか。

真摯
まじめでひたむきなこと。一所懸命に物事に取り組むこと。また、そのさま。

まじめ
① 真剣な顔つきであること。本気であること。また、そのようなさま。
② 誠実であること。まごころがこもっていて、飾りけがないこと。誠意があること。また、そのようなさま。

誠実
① まごころがあっていつわりがなくまじめなこと。また、そのさま。
② ほんとうであること。また、そのさま。

精選版 日本国語大辞典

原典では「integrity」ということです。

integrity
1 正直,誠実,高潔,廉直.
2 ((形式))完全な状態,無欠(性),もとのままの状態,無傷の状態.
2a (構造的な)一貫性,統一性;(電子データの)整合性.

プログレッシブ英和中辞典(第5版)

まじめ、誠実の他にも高潔、廉直があり、完全性、一貫性、統一性という意味あいも増えました。

高潔
けだかくて、けがれのないこと。人柄が立派で潔いこと。また、そのさま。

廉直
① 潔白で正直なこと。正直で曲がったことをしないこと。また、そのさま。廉正。
② やすい値段。安価。転じて、安易なこと。手軽なこと。また、そのさま。

完全
①必要な条件、要素などがすべてそろっていること。不足や欠点が無いこと。また、そのさま。〔文明本節用集(室町中)〕
② (━する) 欠点、不足などの無いようにすること。

一貫性
始めから終わりまで同一の主義や方法で貫き通すこと。始めから終わりまで矛盾がない状態であること。

統一
① 一つのものにまとめること。一つの組織・系統のもとに整えること。一つにすべ合わせて支配すること。一統。統合。
② (unity の訳語) 哲学で、多様な諸要素がある点で一致して、一つの全体に属するようになること。総合と全体という概念を伴う。

精選版 日本国語大辞典

言葉が巡ります。真摯さとは「まじめ」だけでもなく、「誠実」だけでもなく「人間力」に近いかもしれません。

人間力
社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力

内閣府の「人間力戦略研究会」

僭越ながら「真摯」を私なりに定義させていただくと「その仕事の意義にまじめに向き合い、一所懸命に取りくむ。その姿を他人が馬鹿にできない美しさをもつ」。

漫画や映画でよくあるエピソードの一つに「ひたむきな姿がまわりを変える」というものがあります。そんなイメージです。

「至誠天に通ず」です。

姿勢と至誠が同じ音なのは、深い意味を感じます。

天……

ということは「天網恢々疎にして漏らさず」「お天道様が見ている」という仕事観があるということなのかもしれません。

ドラッカー氏が重要視する「真摯」。
あなたも思い巡らせてはいかがでしょう。

お読みくださりありがとうございます。

追伸、大好きな映画「ルディ」は「ひたむき」です。おすすめです。


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