ふみ

小説、詩、その他、文章や言葉などを書いていかれたら、と思っています。何か少しでも感じる…

ふみ

小説、詩、その他、文章や言葉などを書いていかれたら、と思っています。何か少しでも感じるものや引っかかるものが描けるようになりたいですね。よろしくお願いします。

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    主に短編ですが、ひとまずのところ、書いたものをまとめています。

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    福祉系の仕事をしております。 その中で考えたもの、感じたもの、教えられたもの、等々、その言葉を残していけたら、と思います。

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    有料記事での小説集です。 お手にとって後悔させないような、作品を目指しています。 お読みいただいた方へ、感謝致します。

記事一覧

大変なこと

 いつも大変なところに送られてしまう。  そんな言葉を聞いたとき、あぁ、私はきっとこの人とは話しができないな、と感じた。  それは、親戚同士の集まりの中、聞こえ…

ふみ
3日前
73

どこを なにを みて いる

 歩けないことは 不幸なことかしら    声が出ないのは 不幸なことかしら  それぞれの抱える それぞれの問題  それらはすべて 比べるものかしら  どんなことを…

ふみ
9日前
62

 相変わらず、不気味に思える。  いつ見ても、どう見ても、変わらない。  ため息も、もうこぼれないくらい。  どうしようもない。  隣にいるお客さんは美容師さんと…

ふみ
2週間前
66

できているつもり

 何事においても、そうかもしれない。  それは、書くこと、介護福祉士として、生きることそのもの、私として――すべてにおいて、言えることだとは思う。  確固たる芯を…

ふみ
2週間前
60

誰もが ひとりの 世界に いて

 いま この手に 触れるもの  いま 鼓膜に 響くもの  いま わたしに 届くもの  いま この目に 見えるもの  それは たぶん きっと  ほんとう ほんとう…

ふみ
3週間前
45

走り続けて

 息を吸うと、肺が焼けそうになる。  息を吐くと、臓腑が出そうになる。  どこへ どこまで  いつまで、私は、走り続けているのだろう。  風を切り、時間を切り、…

ふみ
3週間前
41

きみの ゆめを

 きみを おもい だして  きみの ひとみ ゆれて  きみを すくい だして  きみの えがお ふれる  ゆめの かけら ひかり  ゆめを ひとり かかえ  ゆ…

ふみ
1か月前
58

心は落ちていく

 それはいつも、突然頭によぎる。    私は なんで こんなに できないのだろう  私なんていらない 必要ない  私みたいな ごみ できない人間など いてもいなくて…

ふみ
1か月前
65

部屋に ひとり

 春を通り越して夏のような日差しに辟易しながら、無理やり遠出した買いものが終わる。汗だくになりながら帰宅し、全裸になりたい気持ちをぐっとこらえて さっと シャワ…

ふみ
1か月前
50

誰も知らない

 こぼれていく 言葉  あふれていく 言葉  その想いを 透かせて  わたしは 何を 思う  唇が紡ぐ 声色に灯る  心に咲く 思考に煌く  その 差異は 何か…

ふみ
1か月前
47

おかしいのは――

 部屋の扉をノックすると、どうぞ、と小さく聞こえる。私は聞こえないように深呼吸をすると、扉を開いた。  姉は椅子に座って本を持ったまま、ぼぅっとしていた。あきら…

ふみ
1か月前
38

らしさ よりも

 季節らしさ と 人は言う  早咲きの桜 に 人は憂え  遅咲きの桜 に 人は悩み  季節らしい と 人は言う  咲く や 散る や  桜の 気分 風の 気分 …

ふみ
1か月前
66

すべては利用者さんにつながる

 本日でーー正確に言えば、先日の金曜日ではあったけれど、今年度が終わり、明日から新年度の体制になる。    正直に言えば、不安しかない。  それ以前から上がってい…

ふみ
2か月前
59

たとえ ひとり でも

 ふと、気がついた。  それは何か、前触れがあったわけではない。    けれど、もしかしたら、何気なく過ごしていた日常の中で、感じるものはあったのかもしれないし、…

ふみ
2か月前
54

誰かのために なんて

 誰のために 生きているのだろう  誰かのために できることは何?  人の役に たちたい  お国のために 世界のために  それが まるで 使命の ように  それ…

ふみ
2か月前
102

少なくとも、わたしは、知っている から

 子どもにしても、大人にしても、何か悪いことをしてしまった。もしくは、悪いと思われることをしてしまった。そんなときに、どんな行動に出るだろう。  多くの場合は、…

ふみ
2か月前
65
大変なこと

大変なこと

 いつも大変なところに送られてしまう。

 そんな言葉を聞いたとき、あぁ、私はきっとこの人とは話しができないな、と感じた。

 それは、親戚同士の集まりの中、聞こえたものだった。

 ちょうど、弟の奥さんにあたる方で、なんでも介護士として高齢の施設に勤めているらしい……ということが、話しの中でわかったあたり、私は私でもともとその人に興味を持っていなかったのだろう。

 その人の話しぶりはいかにも自

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どこを なにを みて いる

どこを なにを みて いる

 歩けないことは 不幸なことかしら
 
 声が出ないのは 不幸なことかしら

 それぞれの抱える それぞれの問題

 それらはすべて 比べるものかしら

 どんなことをしたって
 どんなに満たされたって

 きっと 不満な人は 不満だろう
 きっと 満足な人は 満足だろう 

 何に 目を 向けるのか

 あれがだめ これがだめ 
 あれがない これがない

 そんなことを 思うより
 そんなこと

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鏡

 相変わらず、不気味に思える。
 いつ見ても、どう見ても、変わらない。
 ため息も、もうこぼれないくらい。
 どうしようもない。

 隣にいるお客さんは美容師さんとそれなりに会話をしている。私からすれば、当たり障りのない会話に思える。人は、なんでそんなに話すことがあるのだろう。そこまでして、話さなければいけないのかしら。
 私を担当してくれている美容師さんは、私のことをもうわかってくれているから、

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できているつもり

できているつもり

 何事においても、そうかもしれない。
 それは、書くこと、介護福祉士として、生きることそのもの、私として――すべてにおいて、言えることだとは思う。
 確固たる芯を見出し、見失わずにいられたら、と感じる。
 それでも、ふいに、思う。

 できている「つもり」に、なっていないか
 本当は、どうなので、あろうか

 自信があろうとも、何だろうとも、それは構わないし、むしろ、自信を持って取り組まなければ、

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誰もが ひとりの 世界に いて

誰もが ひとりの 世界に いて

 いま この手に 触れるもの

 いま 鼓膜に 響くもの

 いま わたしに 届くもの

 いま この目に 見えるもの

 それは たぶん きっと

 ほんとう ほんとう なのだろう

 それとも すべては 幻想なのか

 それを 知る術は なんだろう

 この 感覚に 身を委ね

 この 感覚に 心を任せ

 誰にも わからない 世界に 触れて

 わたしの 見えている 世界を 伝え

 届いた

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走り続けて

走り続けて

 息を吸うと、肺が焼けそうになる。
 息を吐くと、臓腑が出そうになる。

 どこへ どこまで

 いつまで、私は、走り続けているのだろう。

 風を切り、時間を切り、とどまることを知らない不安のようにいつまでもねっとりとまとわりついて、舌を伸ばし、首筋を舐められているような。そんなイメージが頭によぎる。
 頭を振り、気持ちを振り払う。イメージを振り払う。それでも、まとわりついてくる。

 混ざり合

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きみの ゆめを

きみの ゆめを

 きみを おもい だして

 きみの ひとみ ゆれて

 きみを すくい だして

 きみの えがお ふれる

 ゆめの かけら ひかり

 ゆめを ひとり かかえ

 ゆめの つづき わすれ

 ゆめを なげき くるう

 きみの こころ ふれて

 きみを おもい だして

 きみの ぶじを いのり

 きみを すがお ゆれる

 ゆめを ひとり えがき

 ゆめの かけら すくい
 
 ゆめ

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心は落ちていく

心は落ちていく

 それはいつも、突然頭によぎる。
 
 私は なんで こんなに できないのだろう
 私なんていらない 必要ない
 私みたいな ごみ できない人間など いてもいなくても変わらない
 私の言葉なんて 伝わらない

 意識的にしろ、無意識的にしろ、そんなことを感じ、心が塞ぎ、思考が回らず、うまく行動ができない。

 今回は特に、久しぶりに、それが重かった。

 ここ数か月ほど、突然フラッシュバックのよう

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部屋に ひとり

部屋に ひとり

 春を通り越して夏のような日差しに辟易しながら、無理やり遠出した買いものが終わる。汗だくになりながら帰宅し、全裸になりたい気持ちをぐっとこらえて さっと シャワーを浴びて着替える。それでも暑さはぬぐえない。
 まだまだ夜まで長いと感じられているが、ようやく夕暮れの涼やかな風が窓から部屋に通り抜けて、裸への欲は消え去ったように、感じられた。

 静けさとは無縁な強風がその存在を知らしめて、それ以外、

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誰も知らない

誰も知らない

 こぼれていく 言葉

 あふれていく 言葉

 その想いを 透かせて

 わたしは 何を 思う

 唇が紡ぐ 声色に灯る

 心に咲く 思考に煌く

 その 差異は 何か

 その 矛盾は 何か

 外の世界は まやかしか
 
 内の世界は まぼろしか

 乖離する わたしの 夢に

 言葉は 何も うまれない

 誰にも 届かない

 誰にも 伝わらない

 わたしの 思う 世界の かけら

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おかしいのは――

おかしいのは――

 部屋の扉をノックすると、どうぞ、と小さく聞こえる。私は聞こえないように深呼吸をすると、扉を開いた。
 姉は椅子に座って本を持ったまま、ぼぅっとしていた。あきらかに本に目を向けておらず、ページを開いているのも、おそらく適当であろう。いつからこうして佇んでいるのか、を想像するよりも、ごはんできるよ、と伝えるほうが先決だった。
 姉は静かにこちらに目を向けると こくん 何も言わずにうなずいた。

 リ

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らしさ よりも

らしさ よりも

 季節らしさ と 人は言う

 早咲きの桜 に 人は憂え

 遅咲きの桜 に 人は悩み

 季節らしい と 人は言う

 咲く や 散る や

 桜の 気分 風の 気分

 いつまで 見られる?
 そんなもの 知ったことではない

 一日たりとて 同じ日は ないのに

 季節の流れは 同じだと 思うのか

 同じではないから こそ

 季節らしさ よりも
 その瞬間の 感動を

 それでもなお 美

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すべては利用者さんにつながる

すべては利用者さんにつながる

 本日でーー正確に言えば、先日の金曜日ではあったけれど、今年度が終わり、明日から新年度の体制になる。
 
 正直に言えば、不安しかない。

 それ以前から上がっていた不満はだいぶたまっているどころか、ところどころみんな毒として現れており、いい状況であるとも言えない。

 明日からの体制は、特に、だ。

 今いる事業所だけで考えれば、こんなに人に恵まれたところはないように感じられる。それはスキルとか

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たとえ ひとり でも

たとえ ひとり でも

 ふと、気がついた。

 それは何か、前触れがあったわけではない。
 
 けれど、もしかしたら、何気なく過ごしていた日常の中で、感じるものはあったのかもしれないし、前々からうすうす気がついていたのかもしれない――いや、うすうす、とか、気がついていた、とか、そんなことよりももっと、具体的に、知っていたのかもしれない。

 わたしは、なんて、からっぽ、なんだろう。

 このごろ、特に、そう感じる場面が

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誰かのために なんて

誰かのために なんて

 誰のために 生きているのだろう

 誰かのために できることは何?

 人の役に たちたい

 お国のために 世界のために

 それが まるで 使命の ように

 それが まるで 正しい ように

 聞こえて ふるまい 気づけば ひとりで

 誰のために 生きているのだろう

 誰かのために できることは何?

 そもそもが すべて

 傲慢だった すべて

 偽善だった すべて

 はじめから

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少なくとも、わたしは、知っている から

少なくとも、わたしは、知っている から

 子どもにしても、大人にしても、何か悪いことをしてしまった。もしくは、悪いと思われることをしてしまった。そんなときに、どんな行動に出るだろう。

 多くの場合は、それを隠そうとしたり、見られないようにしたりーーつまり知られないようにする、だろうか。

 その心理はどこからくるのかしら。

 それはつまり、知られなければ、見つからなければ、何をしても構わない、ということだろうか。

 小さなこと、大

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