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社内コミュニケーション 1on1について

4月は新入社員や新しい従業員さんが入って来る季節です。新しく入ってきた社員の方の教育手段として、または有効なコミュニケーションの手段として、弊社では「1on1」という制度を取り入れております。


「1on1」とは?

簡単に言えば“わざわざ定期的”に上司と部下との間で行う1対1の対話のことです。事前に場所や時間を決めて、テーマもある程度決めておきます。

上司は部下の仕事の進捗状況を確認し、問題があれば解決をサポートし、最終的には部下の目標設定と成長の支援を行います。いわば部下のために行う面談のようなものです。

「1on1」の目的

目的としては「社員の経験学習を促進するため」です。経験学習とは以下のサイクルを繰り返すことです。

座学よりかは経験して学んだ方が、人は成長するスピードが早いというのは誰もが実感したことがあるのではないでしょうか。そして敢えて振り返りの時間を取り、フィードバックをすることで学びが深くなります。「1on1」はこのサイクルを確立させる手段としてとても有効です。

「1on1」で大事なこと

【1】部下から話を聞きだすこと

部下の悩みに対して上司は先に自分の考えを言わない方が良いです。1on1は評価の場ではなく、部下の成長の場なので、一緒に問題解決の方法を考えるということに重点を置いた方が良いです。

× 悪い例 ×
部下「~の仕事がうまくいきません」」
上司「それは私の経験上~をして~をするとうまくいきますよ」

〇 良い例 〇
部下「~の仕事がうまくいきません」
上司「その仕事のどういうところがうまくいかないのですか?」


【2】相手と真剣に対峙すること

「傾聴」という言葉があります。

「相手を見て話を聞く」「頷く」など、「あなたの話を聞いていますよ」という態度を示すだけでも話しやすさは格段に上がります。

【3】行動のイメージを作って終わる

問題解決のために部下が具体的な行動のイメージが出来上がったら、それを共有します。そしてまた次回の1on1でその行動を振り返り、うまくいかなかった理由も考えてまた次に繋げるということがとても重要です。

導入していくために

かける手間以上の価値がある

1on1は「仕事の追加」なので正直、面倒に思うことはあると思いますが、コミュニケーションがうまく取れないとお互いストレスが溜まります。自分の意見が反映されない・常に苦手な人の機嫌を伺いながら仕事をするというのはとても大変なことです。

最悪、そのことが理由で退職してしまう社員さんは少なくありません。その手間と時間を考えれば、少しの時間を社員に充てるという意味はあると思います。

理想の実施頻度と時間

理想としては「週に1回30分間」時間を取ることですが、なかなか難しいと思います。 弊社では1か月に1回1時間ほど時間を取っています。隔週で15分でも良いと思います。

大事なのは部下に「自分の為に定期的に確保されている機会」と思ってもらうようにすることです。期間が空きすぎたり、突然不定期に開催したりすることは準備が十分にできないので避けた方が良いです。

1on1の効果

「自分の意図が相手に伝わって、相手が意図に沿って動いてくれる」というのは仕事をするうえでとても重要だと思います。

1on1はその人の性格や価値観も見えてくるので、他の人から仕事を任されたときに「この人はこの部分を気にしそうだな」という予想が立てられるようになります。

私も実際、上司と1on1を行った結果「自分の為に確保してくれている時間」と感じることができ、「この機会に色々相談させてもらいたい!」という意欲が湧きました。

分からないことを気軽に聞けたり、悩んでいることの解決策を一緒に考えてもらえたりするので、仕事がスムーズに進みます。

何より、自分ができるようになったことや苦手なことをフィードバックしてもらえるので自分の成長を実感できる場になりました。

コミュニケーションを取っていたつもりでも、人によって偏りはあるのではないでしょうか。

新年度になるのを機に、従業員の方とじっくりお話をする機会を設けてみてはいかがでしょうか。


引用・参考

「ヤフーの1on1(ワンオンワン) 部下を成長させるコミュニケーションの技法」| 本間浩輔


執筆担当

医療福祉事業部 西山夏希