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漢方を通じて患者さんと深くお話が出来た

薬剤師って日々、無力さを感じやすい職業だと思います。
医師や看護師ほど患者さんにありがとうとも言われないし、処方の重大なミスに気付いて慌てて処方を修正してもらって、事なきを得ても、誰も気づきません。

でもたまに薬剤師で良かったと
思える出来事があり、日々頑張れています。


先日、ある漢方を持参薬として持ってきた女性の入院患者様。
脳や心臓の疾患を疑われ、入院されましたが
幸い特に異常はありませんでした。


漢方は特定の疾患に対してではなく
その方の体質や生活、キャラクター、環境を診て処方されることが多いです。
そのためか、きっかけはあまり覚えていませんが
服薬指導の際に漢方のことについて少し触れると、溜まっていた何かを吐き出すかのように
たくさんのお話をして下さいました。

同じ女性として共感できる部分も多く
特に肯定も否定もせず
お話を伺いました。


そして次の日、退院日が決まったため
改めて伺うと
涙をポロポロ流しながら
昨日話をした事を感謝されました。


『不定愁訴』って
悪い言葉では無いはずなのに
病院で勤めていると
『あれこれ細かい訴えをする人』という
少し悪い意味で使われることが多い気がします。


でもそれを、立派な体からのSOSとして
受け止めようとするのが漢方。


「異常なし」
は良いことだけど、
不安を抱えたまま退院する患者さんの気持ちはどんなものだろう。


あらためて
そこを受け止めてあげられる
医療者になりたいと感じました。


そして、ありがとうと言われる事をした自分が
何より幸せな気持ちになっていることも
じんわり感じました。

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