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はじめての、

某月某日

通勤中に電車が止まり、車内で身動きがとれなくなった。運転再開の目処がたっておらず、周辺の路線ももれなく運転見合せをしている。

荒天以外の理由の運転見合せは初体験。東京だなあとか考えてしまう。止まってから20分もすると、ぽつぽつと電車を降りていく人がいた。私の場合は降りたところでどうしようもないのだけど、降りた方がいいのか?とソワソワする。

10分後、結局迂回ルートで会社に向かうことになった。知らない路線バスと地下鉄をスマホの案内のままに乗り継いだ。疲れた。初体験は必ずしもいいものではない。

某月某日

会社の後輩の仕事姿が堂々としていて、すごいなあと感心してしまった。

テレワーク勤務が基本の会社で、顔見知りですらない社員さんが大量にいる。その後輩を見たのは2年ぶりくらい。社外の人とミーティングしている声が聞こえてきて、てきぱきとした受け答えや臨機応変な対応が、手慣れているなあ、場数をふんでいるなあ、と思ったのである。改めて、すごい。

順調に経験を積み、社会人として成長、というより成熟?した彼の姿は頼もしい限りだし、自分も自分のペースでやれることを頑張ろうと思った。

某月某日

育児休暇から復帰されたばかりの先輩社員の方と雑談した。2歳と6歳のお子さんが週単位で色んなウイルスを拾ってきては風邪を引くらしい。週単位って…。お子さん主体で動くことがまだまだ多い時期。そんななかで職場復帰されるなんて、もう拍手喝采だ。

大変ですねえと言うと、まあそんなものだしねえと返す先輩。その表情がとってもやわらかくて、私まで子どもになったみたいな気分でホワホワした。

某月某日

自宅で一日作業をして疲れたので、気分転換に近所にできて間もないコーヒーショップに行った。住宅街にあるスタンドタイプのお店で、併設されたギャラリーでイートインすることもできる。

窓越しに外を眺めていたら、通りすがりの小学生が「こんにちは!」と店員さんに挨拶していった。いつものことらしく、店員さんも「おかえり~」と返す。おかえりって何といい響きなんだろう。私もおかえりと言える近所のおばちゃんになりたい。


20230531 Written by NARUKURU


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