katsunariasano

宮城県仙台市で高校にてストレングス&コンディショニングコーチ(S&Cコ…

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宮城県仙台市で高校にてストレングス&コンディショニングコーチ(S&Cコーチ)をしています。 トレーニング科学や教育に興味あります。

最近の記事

スティフネスとは

スティフネスという言葉を見聞きしたことがある方は多いのではないでしょうか。 トレーニング界隈ではよく耳にする言葉ですが、私自身深く理解していなかったので、今回調べてみました。 スティフネスとは スティフネスと調べると、「剛性」というWikipediaの記事がヒットします。 それによると、“曲げやねじりの力に対する、変形のしづらさの度合いのこと。力に対して変形が小さい時は剛性が高い(大きい)、変形が大きい時は剛性が低い(小さい)という。”とのこと。 よく「スティフネス=硬

    • 体温・筋温上昇による運動パフォーマンスの向上~神経伝導速度に着目して~

      なんか大そうなタイトルにしてしまいましたが、知らないことや勉強途中なことを記しているだけです。 体温や筋温を適度に上昇させることで、その後の運動パフォーマンスの向上に貢献します。Bishop(2003)は、体温・筋温の上昇によって誘発される身体反応において、以下のポジティブな効果が望めると述べています。 ・筋や関節の粘性抵抗の減少 ・筋への酸素供給量の増加 ・代謝反応の活性化 ・神経伝導速度の増加 この中から、神経伝導速度に着目してみます。 神経伝導速度とは? 神経が

      • Haleo Basketball Summitに参加して

        昨日、Haleo Basketball Summitに参加してきました。 多田我樹丸さんと中山佑介さんのお話を仙台で聞けるとは、とても贅沢な時間でした。以下、内容(+自分の考え)を備忘録として綴ります。 信頼構築 相手に時間を使うことが信頼を構築していく一つの重要な手段。とにかく時間を共有してコミュニケーションを図る。 S&Cの価値を高める BリーグのチームスタッフにS&Cコーチは必須ではないというのは初めて知りました。裏を返せば、いなくても良い存在と捉えられると。そ

        • 2022年に読んだ本10選

          2022年は年100冊を目標にしてました。結果は68冊でした。6月までは月8-10冊ペースでしたが、7月からはペースが落ちました。 コロナのせいにしてます。7月に国際学会に参加した際、帰国前72時間以内のPCR検査で引っかかってしまい(無症状)、約3週間のアメリカに滞在期間以降にペースが落ちました。なので、コロナのせいにしておきます(笑)まあ、もちろん他にも理由はありますが。 いろいろありましたが、今年読んだ68冊の中から個人的に良いなと思った本を10冊選びました。順番に関

        スティフネスとは

          最新ではなく最適を

          “新しいアイデアをどんどん取り入れろ!” ”流行のものをどんどん試してみよう!” たまにこんなことを言われたり、聞いたりします。 スポーツ科学は日進月歩で発展するものなので、新しい知見には触れておいたほうが良いし、より良い仕事を行うには新たなアイデアや流行のものを率先して取り入れる必要も時にはあると思います。 しかし、学生時代から思っていた疑問があります。 最新のものを取り入れるのではなく、最適なものを取り入れるべきでは? 今回はそのことについて触れていきたいと思い

          最新ではなく最適を

          新入生へのトレーニング導入が割と上手く進んでいるかも?

          新年度が始まって1ヶ月が経過しました。この1ヶ月の間は新入生がトレーニングを開始する時期でもあります。 新入生の8-9割は資格を有するトレーニング指導者の下でのトレーニングを経験したことがありません。従って、この時期に行うトレーニングは、  ①初めて行うエクササイズ  ②行ったことがあるけどより緻密なフォームが求められるエクササイズ  主にこの2つで構成されます。 ①だとRDLやリバースランジなど。②だとPush Up(腕立て伏せ)など。 この時期、①と②の両方のタ

          新入生へのトレーニング導入が割と上手く進んでいるかも?

          ウエイトを中止してパフォーマンスが上がる要因を考えてみた

          ウエイトトレーニングを捨てて動き作りに特化した結果、高校3冠を取ったチームや全国トップレベルのチームがあったことをツイートで教えて頂きました。貴重な情報ありがとうございます!! 一方で、ウエイトを中止したことでどのような効果がもたらされたのか、またはウエイトトレーニングを行っていたことでパフォーマンスにどのような弊害が与えられていたのかは気になる所です。推測を基にした考察を書いていきます。 考察1:動き作りに特化する前にウエイトトレーニングをしていたかもウエイトトレーニング

          ウエイトを中止してパフォーマンスが上がる要因を考えてみた

          ユースピッチャーの傷害リスクの要因について

          今回も「ACSM Essentials of youth fitness」を読んで気になった部分を書いていきたいと思います。 今回はユースピッチャーの傷害リスクについて記されている箇所があったので、そこを少し調べてみました。 ユースピッチャーにおける傷害リスクRisk of serious injury for young baseball pithcers: 10-year prospective study https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

          ユースピッチャーの傷害リスクの要因について

          最大酸素摂取量vs最高酸素摂取量~子どもの心肺持久力を評価する指標にはどっち?~

          最大酸素摂取量  VO2max 専門家でなくても聞いたことがある方は多いのかなと思います。心肺持久力の評価指標の1つである最大酸素摂取量は、マラソンなどの持久系アスリートにとって最も重要な身体能力要素であるとともに、近年では健康との関連性もあると言われています。そんな最大酸素摂取量ですが、子どもの持久力を評価する指標としてはどうなのでしょうか。 最大酸素摂取量か最高酸素摂取量か最大酸素摂取量は単位時間あたりに摂取できる酸素摂取量の最大値であり、単位は絶対値でL/min、相対

          最大酸素摂取量vs最高酸素摂取量~子どもの心肺持久力を評価する指標にはどっち?~

          競争心について

          競争心、それはアスリートにとって必要不可欠なものであります。 ではその競争心はどうやって育まれるのか、どのようにして高めていくのか、それとも遺伝的なもので変えることが出来ないものなのか、少し考えてみました。 競争心とは何なのか?どのような定義があるか分かりませんが、心底勝ちたいと思う心かと思います。では勝ちたいと思う心はどうやって育まれていくのか? それは勝つ喜び、つまりは達成する嬉しさ(達成感)を経験しているからかなと思います。 何かを達成する喜びが競争心に繋がる?試合

          競争心について

          子どもに運動指導する際の留意点の1つ

          今回は、ACSM Essentials of Youth FitnessのSpeed and Agility Trainingという章を読んでいて感じたことを綴ります。 以前書いた記事に通ずる内容です。 基礎技術のドリルは必要だけど・・・何かしらのスキルを習得・改善する際には、スキル動作の全体像を細かく分解して何が課題かを把握する必要があります。例えば、スプリントならば腕振りが課題なのか、脚のスイングが課題なのか、etc。課題を抽出することで、その課題を改善する手段・方法

          子どもに運動指導する際の留意点の1つ

          子どもの理解力や成長度合いは人それぞれ

          奥州市で行われたバスケ男子日本代表のイラン戦を観戦してからというものの、男子A代表、男子U19、女子A代表の試合をよく観ている。ここ最近は午前中はオオタニサンで午後はバスケが日常に楽しみを加えてくれている気がする(笑) 今回は「ACSM Essentials of Youth Fitness」ではなく、日々の指導から感じたことについて書きます。 慣れって怖いなと感じたこと普段は高校生を対象にトレーニング指導に従事しています。つまり、成長して卒業していく生徒もいれば、大きな

          子どもの理解力や成長度合いは人それぞれ

          Proficiency Barrier

          今日も「ACSM Essentials of Youth Fitness」から得た知見を踏まえて、私なりを雑感を書いていきます。 Proficiency Barrierとは日本語訳すると「熟達バリア、熟達の壁」とでも言うのでしょうか。 その意味とは、 基礎的な運動能力が早期に低下すると、後に複雑な運動パターンを習得する際に支障をきたす可能性がある。 基礎的な運動能力の土台の上に複雑な運動能力が構築されるイメージ。 土台が崩れれば。その上に載っている物を崩れます。 別

          Proficiency Barrier

          子どもへの運動指導~Product and Process of motor skill performance~

          最近読んでいる本の1つに「ACSM Essential of Youth Fitness」があります。子どもの発育・発達や体力要素のトレーニング方法などについて網羅している約500ページ弱ある教科書的な本です。なぜこの本を読もうかと思ったかと言うと・・・それはまた別の機会に記そうかな。 本日読んだ章で興味深い部分があったので、それについて書いていきます。 Product of Motor Skill PerformanceとProcess of Motor Skill P

          子どもへの運動指導~Product and Process of motor skill performance~

          個別性の原則は体育にも必要

          トレーニングには原理原則というものがあります。 その中でも「個別性の原則」というものがあります。これはどういうものかと言うと、身体は個々人によって別物であるため(年齢、身長、体重、性別、習熟度など)、トレーニングが皆同じではなく、個々の特性や状況に合わせてトレーニングプログラムを調整する必要があるという原則です。 小学校から高校まで体育という授業があります。集団行動や球技や水泳など様々なスポーツを体験することが出来る貴重な授業の一つです。マラソン大会や体力テストなどの苦しさ

          個別性の原則は体育にも必要

          選手からの質問で成長度合いを感じる

          「自分、次のセットで5㎏足しても行けますかね?」 このようなニュアンスの質問をトレーニング中にしてきてくれる選手がちょこちょこいます。 その場合のおおよその返答はこうです。 「行けると思ってるでしょ?行けるよ!」 ※前セットを見て、フォーム崩れそうだなと思ったら別です。 「足しても行けますかね?」と質問してくる選手は、背中の後押しが欲しい場合がほとんど。「行けると思うけど大丈夫かな・・・とりあえず聞いてみよう。」って感じ。挑戦したいけど、まだちょっとだけ自信がないだけ。そ

          選手からの質問で成長度合いを感じる