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水木洋子邸(千葉県市川市・京成八幡駅)

千葉県市川市は数多くの文豪、文筆家が住んでいた町だそうで、市川市には文学ミュージアムなどゆかりの場所が点在している。その中の一つが水木洋子邸で、脚本家の水木洋子の住んでいた邸宅が市川市へと寄贈されたことで一般に公開されるようになった。それもあり水木洋子は市川市の名誉市民として選ばれている。水木洋子邸は公開されている日が月に2回のみと少ないので訪問する時には注意が必要。

水木洋子は戦前戦後にかけて脚本家として多くの傑作を生み出した人物で、文芸作品の脚色で多くの傑作を描いている。知られているところでは林芙美子『浮雲』や幸田文『おとうと』など。また戦時中の沖縄戦に取材した『ひめゆりの塔』などはよく名前も知られている作品だろうか。成瀬巳喜男や市川崑、今井正など日本の映画界に燦然と輝く映画監督との仕事も多く手がけている。

生前に使っていた家具にはデンマークのデザイナーのものも

応接間や洋間には当時めずらしかった電気蓄音機や琴など音楽へのこだわりが感じられる一方、注目したいのは増築された部分である仕事部屋で、同じ市川市の作家である永井荷風の全集など多くの蔵書が並ぶ本棚の横で仕事をしていた座卓が残されているほか、ベッドまで当時のまま残されている。仕事スペースにプライベート空間を持ち込むその格好よさと、その一方ですぐ寝られるように用意したのかと想像させるほど激務だったことが窺える。

仕事終わり!寝る!ができる理想的な仕事部屋

トイレは男女共用で洋式。玄関の横から庭に出ることもできる。庭先から眺める数寄屋造りの和風建築の良さもしみじみとする。犬小屋も残されており、愛犬家だった彼女の一面が垣間見える。

石造りの椅子でゆったりできるよ


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