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読んだこと、見たこと、食べたこと、遊んだこと、感じたこと、色々。※個人的な内容は有料設定にしてあります。 これまでの読書の記録はこちら→https://profile.ameba.jp/ameba/masaecox-x/

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  • 読書記録(国内編)

    未読の純文学作品、現代文学作品の記録。これまでの記録→https://ameblo.jp/masaecox-x

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    本を読んで感じたことを自由に綴ります。

最近の記事

慶應通信科目等履修生

本が好きなら大学で勉強してみれば?と言われ続け、色々考え調べたあげく、慶應通信の科目等履修生になりました。 慶應通信の入学倍率に関しては全く開示されていないので、謎しかありません。本科生も科目等履修生も入試課題として作文が出ます。昔はパスしやすかったようですが、最近は結構落ちるとかなんとか。入学後はレポートに苦しむことになるので、ある程度のものは必要ということでしょうか。 卒業に関しては、2024年3月文学部全体で66名だそうです(慶應通信による)。少なっ!! 私の場合は、

    • カフカのアフォリズムなど

      とある語学の初級クラスの授業で新しい文法の導入が連続で続くとさすがに疲れる。今日は帰ってからしばらく体が動かなかった。 カフカのアフォリズム集をながめてたらいつの間にか寝てしまっていた。 誰か来たみたいだったけど全然気がつかなかった。 ごはん作る気力もお風呂洗う気力も出ない。。。 頑張ってお風呂を沸かして入ったらちょっとだけ元気になった。 ごはんは作る気がしないけれど、、、まあ今日はいいや。 先週はいろいろと勇気を出したりして精神的に疲れたので、なかなか本が集中して読めな

      • S.T.コウルリッジ詩集

        平野啓一郎の『本心』を読んだきっかけに、コウルリッジの詩集を手に取りました。 『本心』の作中、亡くなる前に読む詩は、コウルリッジの《小夜啼鳥》だと決めていた人物が出てきました。 その人は、本当に死ぬ前に、人生最後に恋をした女性(彼女はVF(ヴァーチャル・フィギア)でした)の前で《小夜啼鳥》を原文で諳んじました。 その場面が印象的でした。 自分が死ぬ前に読みたい「詩」というものを、まだ見つけられません。今後色々な詩、または本に出会って、そういう一文が見つけられればいいなと思

        • 【日記】人生はじめてしたこと

          個人的なことなので有料にしてます。

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        慶應通信科目等履修生

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        記事

          『本心』平野啓一郎

          「もう十分なのよ。‥‥‥もう十分。」 母はこう言って自由死を望んだ。「もう十分」とは‥‥‥? ストーリー舞台は2040年。自由死が合法化された近未来の日本。 自由死‥‥‥。映画『PLAN75』を思い出してしまう。 裕福ではないながらも、母と息子で仲良く慎ましやかに生活をしてきた。誰が見たって仲の良い親子であり、母親思いの息子だと評判だった。母は健康だったし、まだ七十前だった。 しかし母は「自由死」を望んだ。それを望む母の本心は分からないままだ。 結局母は自由死をすることな

          『本心』平野啓一郎

          『吹雪物語』坂口安吾

          好きな作家のひとりである坂口安吾の長編小説。これはちょっと長かったな。 1. はじめに安吾の作品はエッセイとか力強いイメージがあるんだけど、この作品は弱さを感じる。それはそれで人間的でいいと思うんだけれど、登場人物の気持ちが行ったり来たりしすぎていて、ずっと彷徨っている。 絶望と虚無と退屈に満ちた観念が目的地にたどり着けぬままウヨウヨ渦巻いているようだ。それは、男女の複雑な気持ちを描いているからなんだろうけれど。おまけに舞台は1930年代の冬の新潟、重苦しい曇天が続く。

          『吹雪物語』坂口安吾

          三島由紀夫『詩を書く少年』『15歳詩集』

          『詩を書く少年』は三島由紀夫の初期短編のひとつ。これを読もうと思ったきっかけは平野啓一郎の『本心』を読んで気になったから。 『本心』を読み、作中に引用されていた一文が気になり、三島由紀夫の初期短編集を引っ張り出してきた。 実は今年、ある方かから「三島由紀夫選集」を全巻譲り受けた。ご家族の遺品であるようで処分するつもりだったようだ。それならば必要な人に譲りたいとのことで、ありがたくいただいた。全て初版であり、1巻は昭和32年に出版されたもの。三島印も押されている。 1巻には

          三島由紀夫『詩を書く少年』『15歳詩集』

          【日記】個人競技の順位

          運動会を見に行ってみた。 50m走、90m走という競技、1位、2位、3位‥‥‥、当たり前のように順位がつくものだと思っていたけれど、今時は順位をつけないんだなあと気づいた。 よく見る光景は、走り終わったあとは、1位の人は赤いリボン、2位は黄色のリボンだとか、そんなのをそれぞれの担当の人から腕につけられて自分の順位の旗の所へ並んでいた。4位以降はリボンがつかないという感じで。 今回見ていたら、順位をつけず、走り終わったらそそくさと自分達の席へ戻るというスタンスだった。 台風の

          【日記】個人競技の順位

          平野啓一郎『本心』を読んだので・・・

          色々なテーマがつまった一冊だった。 思う所はたくさんあるけれど、感想を書く前に、以下の二冊を読みたい。 『詩を書く少年』三島由紀夫 『コウルリッジ詩集』コウルリッジ なぜならば、この二作品が本文に出てきたから。 まずは三島由紀夫。 平野啓一郎といえば、三島由紀夫をリスペクトする作家として理解しているが、『本心』本文に「三島初期短編」としてある一文が引用されていたのだ。二度も。 三島作品の有名どころはほぼ読んだので、こちらも既読。さっき再読したら、『詩を書く少年』の一文

          平野啓一郎『本心』を読んだので・・・

          『星に仄めかされて』多和田葉子

          多和田葉子の長編三部作の二作目『星に仄めかされて』を読了した。 前作『地球にちりばめられて』では、旅は道連れ的な感じでユニークな面々が集まり、冒険が始まったような感覚で終わった。 主な登場人物主なメンバーは以下の通り。一言でまとめるとこんな人物たち。 Hiruko:故郷は日本の北越。留学中に母国が消滅、同郷の人物、母語を話す人物を探している。 クヌート:言語学者の卵のデンマーク人。Hirukoに協力し共に同行している。Hirukoと恋人のようだがセクシャルな関係はないよ

          『星に仄めかされて』多和田葉子

          #11 カフカ短編『万里の長城』

          うーむ。 これまでの作品とは明らかに趣が変わっている…。 一度読んで、いつもとは異なる感じの不明瞭さがあったので、もう一度読み返した。 タイトルを見て分かる通り、誰もが知っている「万里の長城」について書かれているのだが、主には建築に関する論究が書かれている。 ここでのポイントは工事方式。万里の長城は「工区分割方式」で工事がなされているということだ。 それはつまり、数人のグループを作り、そのグループごとに担当する地区が定められ、担当地区ごとに工事が進められる方式である。 南東

          #11 カフカ短編『万里の長城』

          『地球にちりばめられて』多和田葉子

          先月読んだ作品。noteにも記録しておく。 1. はじめにコロナがあって、ロックダウンという現象が起き、国境という壁の存在が濃く感じたのは最近のこと。今回読んだ『地球にちりばめられて』は、そんな国境という壁を取っ払ってくれたように感じる。 以前、多和田葉子の『聖女伝説』を読み、その独特なことば遊びの感覚を楽しみながら読了、続いて『献灯使』を読んだところで、当時はそういう気分でなかったのか途中でやめてしまった(念のため『献灯使』は評価高い作品なので私の勝手な気分の問題)。

          『地球にちりばめられて』多和田葉子

          個人的な心情吐露

          現在の心情を書いて自分の心を癒すための記事なので、有料設定としております🙇

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          個人的な心情吐露

          #10 カフカ短編『狩人グラフス』

          インスタを見ていると、美味しそうな料理動画が流れていて、ついつい見入ってしまう。 家にある材料で簡単にできそうなものを時々参考にして作っている。そのうちの一つがこちら。 ツナにクリームチーズを混ぜ、ニンニクやスパイスなどを混ぜるだけでそれなりのパテになって、バケットに合う。 滅多に飲まないけれどワインにも合うだろうし、おにぎりの具にもできる。軽食のお供はやはり本で、今日もカフカ短篇集をパラパラと振り返りながらつまむのだ。 ということで、今日は『狩人グラフス』という作品につ

          #10 カフカ短編『狩人グラフス』

          #9 カフカ短編『中年のひとり者ブルームフェルト』

          いつまでカフカ短編記事を書き続けようかなー、と思いつつも、今日また色々借りて来てしまった!! 1. ブルームフェルトとカフカ今回は『中年のひとりものブルームフェルト』という…、なんとなーくさびしげな響き…。 白水Uブックスの方の解説には、この作品の主人公でもあるブルームフェルトという名前について言及されていた。どうやらカフカの伝記的な事実に即しているようだ。 カフカは1914年、フェリーツェ・バウアーというベルリンの女性と婚約したが、翌7月、解消したとのこと。カフカの方か

          #9 カフカ短編『中年のひとり者ブルームフェルト』

          #8 カフカ短編『橋』

          タイトルと共につけた上部の写真は以前、東京の六義園で撮った写真。 ちょうど人が橋を渡っているところで、どなたかは存じないが個人が特定できないので使わせてもらった。 ちなみに、この記事後半にこれまで旅してきた中で撮った橋の写真をまとめてみた。 さて、今回もカフカの短編を綴っていく。 『橋』は、とてもユニークな作品だった。 わずか2ページほどの掌編だが、強烈な印象がついたので、たぶん忘れないだろうと思う。 ありえない話ではあるが、橋が突然ぐるりと寝返りを打ったらどうだろうか

          #8 カフカ短編『橋』