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【トレンド解説】スウェットのセットアップが流行りって、マジ!?リラックストレンドの行き着いた先、スウェットブームを考える

   今日は現在のファッショントレンドについて解説していきましょう。

個別のアイテムについて解説しつつ、今のファッショントレンド全体の空気感みたいなものまでお伝えしますからね。


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さて、トレンドと一口に言っても大まかに2種類の使い方があり、かなり広い範囲で流通しているトレンド、あー確かによく見るよね、というものと、限られた狭い範囲で流通しているトレンド、「え?それが流行りって、マジ!?」と一定数驚かれてしまうものがあります。

前者の広範囲で流通しているトレンド。

これって結構取り扱いが難しい。

例えば先日取り上げた、「パタゴニア・レトロX風フリースジャケット多過ぎ問題」みたいなものです。



ここまで流行ってしまうともう、何らかの差別化が必要になります。
差別化はファッションの全てではないものの、「とにかく皆と一緒なら安心!」というファッションでは「(着る人本人の)素材の良さ」が全てとなり、元からカッコいいやつらが勝つスクールカースト的なところからいつまでも抜け出せません。
そういうのはね、10代で終わりにしましょう。

差別化を整理すると、タテの差別化、ヨコの差別化があります。

タテの差別化、というのは、素材感やデザイン性をアップさせたり、同じアイテムでも高級感や洗練されたもの選び、差をつける、ということです。

ヨコの差別化、というのは、流行っているアイテムと要素的には似ているけれど、アイテムとしては違う、そういうものを選び、差つけることです。


タテの差別化は、前述のパタゴニア・レトロX風フリースジャケットの例で言えば、ユニクロなど廉価なものではなく、パタゴニア自体を選ぶとか、もっと高価格帯のドメスティックブランドなどから選ぶ、などですが…。

フリースジャケットはその性質上、パッと見で明らかに違いを見せるのが難しい。4000円のユニクロと、3万円のパタゴニア、見た目だけで明確に違いを判断するのは非常に難しいのです。
ロゴの有無で分かる、と言えばそうなのですが、なかなか質の違いを見せつけるって難しい。
この方向性だと、もっともっと高いものを…となってしまうかも。

そこで、似た要素を持つ別のアイテムにスライドする、それがヨコの差別化です。

パタゴニア・レトロX風フリースジャケット流行り過ぎているから、別のデザインのフリースジャケットにしよう…という方向性ですね。


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ユニクロなら、レトロX風の「防風アウターフリースジャケット」ではなく、「防風アウターファーリーフリースフルジップパーカ」を選ぶ、というように。


他にも、カラーリングにこだわる、などはタテ・ヨコどちらに入れるべきか迷いますが、有効な差別化の手段でしょう。

サイズ感にこだわる、というのも有効です。

一昔前の「モテ指南」などでは「服はユニクロでも良いから、自分の身体に合ったジャストサイズを着よう」と言われていましたが、今はそれだとちょっと微妙(そもそもそんなんでモテるなら、モテ指南に頼らないと思うのですが…)。

よほどスタイルが良いなら別ですが、古臭く見えがちなのも事実です。
今はちょっと大きめに着たほうが良く見えることが多いので、「え?俺がLサイズ?」となるかもしれませんが、騙されたと思って大きいサイズにトライしてみて欲しいんですよね。

ただ、これも一つ間違えると「とにかく大きく着る!」となって、ユニクロの最大サイズ、4XL着よう!みたいにどんどん極端になってしまうので。

自分の身体の大きさを考慮しないとダルダルになって、普通に着たほうがマシ、となりがちなので。いくらビッグシルエットがトレンドの時代と言っても「ほどほど」を意識しましょう。

この手のサイズ論は、その人のスタイルや服の良し悪しを帳消しにする魔法みたいなものではなくて。

あくまで着る人のスタイルと服の質の良さがあって、最後に調整する香辛料的なものでしかありません。


さて前置きが長くなりましたが、今回解説するのは、狭い範囲で流通しているトレンド。

こちらはもう、流行り過ぎてしまって取り入れるのにどう差別化していこうか?などと考える必要はありません。
取り入れること自体が差別化になるわけで、取り入れるか、取り入れないか、の判断だけでまずはOKなのです。

今回そんな「狭い範囲でのトレンド」として、取り上げるのは、スウェットです。

そう、現在いわゆる「服好き」界隈では、空前のスウェットブームなのです。
1着3万円以上するような高級スウェットもバンバン売れていきます。

さらに「スウェットのセットアップ」まで流行っているのです。 

スウェット単体が流行る、スウェットパンツ単体が流行る、ならまだ分かる。
でもスウェットのセットアップってそんな馬鹿な…と思われるかもしれませんが…最近本当よく見ますよ。

よく見る、と言っても、パタゴニア「レトロX」風フリースジャケットのように本当に広範囲でよく見かけるレベルではなく、ごくごく限られた範囲で、ですけどね。


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こんな感じ。

いや大真面目です。

まあもちろん外を歩く時はこれにコートを羽織ったりしてそれっぽくするわけですが。このスウェットセットアップの提案が今、結構なされています。

「リラックス」は新型ウイルス禍以前よりファッション界ではトレンドワードになっていましたが、新型ウイルス禍がさらにそれを加速させました。

「家に帰ってきたらすぐ脱ぎたくなる」≒着用に何らかストレスが掛かっているような服、よりも、「家に帰ってきても脱ぎたくない」という服が求められるようになっています。

「家着と外着の中間」的な服が今は強い。

あとはこちらも空前の「セットアップ」ブームが背景にあります。まあ本当に信じられないくらいセットアップ流行っています。

今はとにかくなんでもセットアップが売れるのです。


とは言え、スウェットのセットアップは、なかなかハードルが高い。

店員さんに「騙されたと思って試してください」と言われても、おそらく多くの人が「騙された!」と思うことでしょう。

上下揃いのセットアップは、スタイリングにおける同調性(「同調」とは、素材・色・テイスト…アイテムの持つ要素が似通った物同士を組み合わせることを言います)を極限まで高めます。

だから、着る人とアイテムの属性との相性がストレートに問われやすい。
スウェットというアイテムそれ自体が似合う人なんて、そうそういないですよ。

もちろん、これで靴までスニーカーにしてしまうと全身がスポーティーになり過ぎて、これからランニングですか?となってしまうので、あえて革靴を合わせるなど工夫の余地はあります。
はるか以前ドレッシーなセットアップにあえてスニーカーで外す、という提案がなされ、今はむしろ定番になりましたが、それと同じロジック(逆バージョン)が使えたりはします。


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とは言え、スウェットセットアップスタイルを成立させるのはそういったファッションロジックだけでは如何ともし難いのも事実。

スウェットの印象が強くなり過ぎるので。

身長があれば着こなせる、とかそういう問題でもなく。
芸能人、デザイナー、アパレル関係者…など、髪型やヒゲなどをはじめとにかく自由で、地力の部分で雰囲気が出せる人でないとなかなか難しいでしょうね。

私はよく「表参道の常識は世間の非常識」なんて言っていますが、中目黒あたりで成立するものが、日本のどこででも成立するとは思いません。

それに「最近は上下スウェットばかり着ています」というのは、究極の「ハズシ」なわけで、誰でも似合ったらそれはそれで嫌なわけですよ。


あとはそういった影響力、「憧れ力」みたいなものをもった人たちでもって、どれだけ「スウェットセットアップってカッコいい」という流れを作れるか?ですが、「本格的に流行ったら、それはそれで嫌」なのです。

とってもややこしいですが、狭い範囲で流通するトレンドというのはそういうものなのです。


さて、スウェットセットアップは決してオススメしませんが(「騙されたと思って」、とか言って本当に「騙された!」って言われるのは嫌ですから笑)。

スウェットをスタイリングに取り入れること自体はとてもオススメです。

ニット代わりにスウェットシャツを着る、パンツだけスウェットパンツに置き換える。

それだけでカンタンに「肩肘張らない」、今求められるリラックス感が出せますからね。かなりこなれた印象になってきます。



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スウェットセットアップは、バラで使いましょう。




究極のコスパ、スウェットパンツみたいなアイテムこそユニクロの出番


 その取り扱いに常に葛藤するのが、ユニクロ。

オススメが、ユニクロユニクロユニクロ…となってしまっても、どうなのだ?という思いはありますし。

実際ユニクロの全てがオススメ出来るアイテムなら良いのですが、私も過去にユニクロアイテム買って、使わなくなってしまったこともありますし。


どれだけ安くとも、使わないアイテムを今スグ買ったときのお金に戻せるなら、戻したいですよね。
そんなんどんな価格のアイテムでもそうだろ、と言えばそうなのですが。

着ない洋服ってどれだけ安くとも、結局高いのですよ。


本当に使えるアイテムだけ、厳選して紹介していくのが理想だと思っています。

その意味で言えば、このスウェットパンツほど使えるアイテムも無いですよ。


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ヒートテックボアスウェットパンツ


「ヒートテックボアスウェットパンツ」は、ユニクロUや+Jといったデザイナーズコラボではなく、ユニクロインライン(通常ライン)のアイテム。

おそらく、今ユニクロで売っている数多くのアイテムの中で、最もコストパフォーマンスに優れたアイテムです。

同じようなコンセプトだったUNIQLO and JW ANDERSONのアイテムも、このアイテムが強過ぎてどれも敵わなかった…。




これ本当に良く出来ていて、まずスウェットパンツなのにシルエットが綺麗。


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大抵スウェットパンツは太過ぎるか、細過ぎるかなのですが、これは本当に丁度いい太さで、スッキリ見せてくれます。

このバランスって本当絶妙で、スキニースウェットパンツみたいな、タイツのように脚にまとわりつくようなタイプもありますが、今のトレンド的にはイマイチ。
その点これは、生地の厚みも相まって、脚の形を拾わない、絶妙な細さなんですよね。

またドメスティックブランドが出すような本格的なスウェットパンツは、シルエットの綺麗さなどはあまり考慮されていません。
今はスウェットパンツに限らず、細さもそうですし、あまりストイックなシルエットは求められていないからです。

これ意外なようですが、今スウェットパンツのシルエットはユニクロが一番綺麗なのです。

厳密に言うと、高いスウェットは最初目を詰めて編んだ生地が馴染んでいないので。着込んでいくうちに生地の固さが取れて、落ち感が出てきてどんどん見た目の雰囲気も良くなっていくのですが。

そういった経年変化を経ずとも、最初からシャキッとしたシルエットが出る、ということですね。


シルエットが綺麗なお陰で、革靴でバランスを取ったりせず、スニーカーを合わせても全然OK。

部屋着をそのまま着ている手抜きファッションには見えません。


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全身ユニクロでまとめても、決して手抜きには見せません。


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ダウンジャケットとの合わせも、積極的にオススメはしませんが何とか行けちゃう。これ、他のスウェットパンツにはなかなか出来ません。


ちなみに私は最近「家に帰ってきても脱ぎたくない」ような服が大好きではありますが、流石にちょっとお値段するような服は、家に帰ってきたらどれだけ脱ぎたく無くとも、脱ぎます笑

まだデザイナーがやっているようなライフスタイルみたいなところまでは行けないなあ…。一生そこには到達しないかもしれませんが。

でもこれは家でもよく着ていますね。値段的に気兼ねなく使いやすい、というのもありますが、スウェットって本来そういうものですよね…。

ただ化繊服は、火災時などを考えると、寝間着や火を使って料理をする時には決してオススメしません。
最近もよく注意喚起がなされていますが、改めて再認識したいですね。


これ先月紹介時は期間限定値下げされていて、1990円だったのです…。いやはや恐ろしい。
今は値引き無しですが、それでも全く関係なく強くオススメしたいですね。

どうしてもスウェットシャツやスウェットパンツって、高い値段するものに理解を得られにくいアイテムジャンルだと思っていて。

吊裏毛とか、良い物が手間掛かってるのは分かるけれど、スウェットでしょ?というのは私も共感出来るところ。

ただそのぶんと言ってはなんですが、スウェットは安くて良い物も手に入りやすいですね。

それにしてもこのヒートテックスウェットパンツは、あまり言うことが無いです。

ユニクロってどうしても「ここがあとこうだったら…」みたいなことがありますが、これは文句無いでしょう。


今オンラインでオススメのダークグレーの在庫切れてしまっていますが、実店舗にはまだまだありますよ。

ブラックだと、スウェットパンツ感が軽減されて気恥ずかしさが大分無くなりますが、その分トレンドとしてスウェットパンツを穿いている感も減少。
グレーだと、逆にスウェット感が出過ぎてしまって、気恥ずかしくて外で穿けない!なんてことになってしまうかも

ダークグレーが一番良い塩梅なのです。

ご面倒でなければ近くの店舗にないか、オンラインページより在庫検索をしてから実店舗で見てみてください。


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ヒートテックボアスウェットパンツ


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