1万円台で良いウールコートは買えないのか…そんなこと無い!MUJI Labo(ムジラボ)の再生ウール混コート侮るなかれ!
冬のアウターと言えば、ダウンジャケットと並んで王様と言えるのがウールコート。
ただ、ウールはここのところ高騰している上に、ビッグシルエットのトレンドでゆったり・たっぷり、多量に生地量を使うようになった影響が大きい…。
ここのところ、ドメスティックブランドが渾身の力を振り絞って作るような良いウールコートはめちゃくちゃ高い。
セレクトショップオリジナルのような中間価格帯では、なかなか良いウールコートに出会えない、という事態になっています。
中間価格帯でも、本当に頑張ってくれているところはありますけどね。
ユニクロ渾身のコラボ、+Jでも、2万円台中盤~3万円台のウールコートが展開され、決して悪くない出来でした。
ただ、そこまで飛び抜けてクオリティが高いというわけでもなくて。
ユニクロで2~3万円出してもこれだと、もはや1万円台で良いウールコートなんて、とても無理か…と絶望的な気持ちになってしまうところですが…。
意外にも、MUJI Laboの「再生ウール混コート」、良いです。
これは、名前の通り回収したウール製品や生地を粉砕し、再度紡績した糸で織り上げた生地を使ったコート。
毛73%,麻15%,ナイロン12%という割合で、しっかり天然素材の割合高めです。
ただかなり薄手ですけどね。
イメージ的には、シャツコートと言った感じ。
この値段で厚手のウールコートを作ろうとすると、ウール25%とかになってしまうので…。
非常に細かい千鳥柄が入ったような生地で、ランダムな霜降りのような感じ。
ところどころ白っぽいのは、生成りの白い糸が使われているからで、化繊による変なテカリではありません。
お陰でカラーは黒表記ですが、真っ黒ではなく、チャコールグレーと呼んで良いものになっています。
麻が入っているので、シャリッとした感じがあり、さらに雰囲気を生んでいますね。
裏地も、ソデの裏~背中部分の半分くらいまでしかありませんが、しっかりキュプラ55%(ポリエステル45%)のものが使われていて。
黒だと分かりづらいですが、もう1色のダスティブラウンのほうだとわかりやすく高級感出ています。
スナップボタンだけが、うーん要らんなぁ…という感じですが、黒だとほぼ目立ちません。
ムジラボは「利便性を持った新しいシャツを作る」というテーマの下、シャツのボタンは全てスナップボタンにしています。
分かりづらいですがスラッシュポケットもしっかりあります。
普通にカッコいいですからねこのコート。
今っぽい大判で、かなりロング丈。
これだけ生地を使って、値段は14900円と、本当ギリギリ…というか、よくこの値段で出来たなと。
ムジラボのこうしたシャツコート的なアイテムは、この秋だと他にコーデュロイテーラードカラーロング丈シャツなどがあり、価格面では大差ありますが、それでもこちらが良い、と言える出来ですね。
結局安くても着なかったり、カッコ悪かったら、どうしようもないですからね…。
もちろん薄手で、年明けからの厳しい冬を超すのは、よほどの暖冬で無い限り無理かな…。
完璧な冬物コート、ではありません。
ただあれもこれも言い出して、結局どのシーズンも使えない、使いたくないアイテムになってしまうよりは全然良いと思います。
色は黒とダスティブラウンの2色展開ですが、黒は前述の通りチャコールグレーと捉えた方が良いでしょう。
「ダスティブラウン」というカラー名は、今季のムジラボではシーズンカラーという位置づけで、様々なアイテムで展開されていますが、その色味はアイテム・素材によってマチマチ。
要するに、ただのブラウンではなく、何色とも付かない曖昧さ、ニュアンスを持っている、という意味なのです。
今回はウールのダスティブラウンは、ベージュ・ブラウン・グレーが織り重なったような複雑な色味で、全体としては淡いベージュといった色味。
この色も凄く良いのですが、本当に若干、スナップボタンの基部が目立ってしまうので、私は黒のほうが良いかな…と思います。
サイズは本当に大きくて、特に着丈は、メンズの小さいサイズであるS-Mサイズでも115cmもあります。
ロングコートの着丈は年々長くなっており、今は100cm超えなど全く珍しくなくなりましたが、それでも着丈110cmを超えてくるとしっかり長めな印象になります。
110cm中盤を超えると、いや長いですね。
私はムジラボで、カットソーなどはL-XLのほうを選んだりしますが、こちらはL-XLなんて大き過ぎて大き過ぎて。
これ生地が薄手なので、何とか気負わず着れますが、うーんちょっと大きいなぁ…という人も多いはず。
そこはもうサイズ展開がメンズはS-M、L-XLと実質2サイズしか用意が無く、「サイズ合わないなら諦めてください」というのが、ムジラボですからね…。
15000円で、このクオリティと、しっかり仕上げてきたことを評価したいですね。
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