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ダウンジャケット特集・セレクトショップオリジナル編…今年は本格的に勢力図が変わった年!【フィーチャー】


良い方向に変われた新生西川ダウン、新たなフラッグシップモデル「MATSUMI」

 

  ここ10年単位で大きく変わったのが、セレクトショップオリジナルのダウンジャケット。

中間価格帯のダウンジャケットを大きく変えたのが、nano・universeナノ・ユニバースの「西川ダウン」です。

誰もが聞いたことのある、羽毛布団の西川と組んでリリースしたこの西川ダウン。
当初こそ粗粗しさを感じるものでしたが、年々洗練されていき、中間価格帯のダウンジャケットの金字塔を打ち立てました。

ナノ・ユニバースと言えば西川ダウン、となってしまいましたから。

その後、ユナイテッド・アローズBEAUTY&YOUTHビューティーアンドユースが小松マテーレ(旧小松精練)の生地を用いたダウンジャケット(私は勝手に「小松ダウン」と呼んでいました)を定番化。

アーバンリサーチがシェラフ(寝袋)メーカーのNANGAナンガと組んだダウンジャケットを定番化したり。

各セレクトショップが独自のダウンジャケットを定番化していくきっかけになりました。

10万円超えのダウンジャケットに手が出なくとも、3-4万円でユニクロとしっかり差別化出来る中間価格帯のダウンジャケットの充実期が始まったのです。

ただ正直に言えば、近年中間価格帯のダウンジャケットは、デザイン的には若干停滞している感があります。

12月に街を歩けば、もうダウンジャケットを着ている人をたくさん見掛けますが、そこそこに見えるダウンジャケットって既に飽和してしまっているんですよね。

そこから先の差別化って、本当に難しくて。

ダウンジャケットのモコモコ感を逆手に取り、ボディもアームも、パンパンに膨らませたようなボリューミーなシルエットのダウンジャケットなんかが一応今最もトレンド感のあるものになりますが…。

NANGA × Steven Alan SHORT DOWN JACKET

NANGA × Steven Alan SHORT DOWN JACKET/ダウンジャケット

これは相当難しい…。ビッグシルエットのコートなどと違い、生地が落ちたりはしてくれませんから。
その横に横に広がるボリューム感をそのまま受け止めなくてはいけないので…かなり着る人のポテンシャルが問われます。

「ありきたりなダウンジャケット」と、差別化はしたいけれど、そういうのじゃないんだよな…という人も多いはず。

数年前と全く代わり映えしないダウンジャケットを作っていたり、変わったは変わったで良い方向性ではなかったり。
各社模索している最中なんですよね。

その点、西川ダウンは、上手く変われたと言えるでしょう。

nano・universe 西川ダウン MATSUMI

LB.03/西川ダウン(R)/SOLOTEX MATSUMI


ナノ・ユニバース・西川ダウンが昨年新型としてリリースした「MATSUMI」。

従来型のダウンジャケットではなく、マウンテンパーカー型のダウンジャケットです。

ダウンは細かく小分けにしないと偏りが出てしまうため、ダウンパックを表に配すると、パックごとの縫い目が出たいわゆる「ダウンジャケットらしい」デザインになります。

逆に表にダウンパックの存在感を感じさせなければ、スタイリッシュに見せることが出来ます。

マウンテンパーカー型ながらも、ダウンパックを見せない仕様と、アームホールを太くし過ぎないデザインで、かなりスッキリと見せるのがMATSUMIの特徴。

ソデ先のベルクロや、ハの字の止水ジップなど、アウトドアのディテールはあるのに、全体としては、全然それらしくない雰囲気。

生地も帝人のSOLOTEXを使うことで、マウンテンパーカーのアウトドア感はほとんどなく、もはや死語になりつつありますが、あくまでも「きれいめ」に見せることが出来る。

ダウンジャケットの宿命、どうしようもない野暮ったさを回避出来ることで、ダウンに苦手意識のある人にもハマり、かつ温かくて軽いダウンジャケットのメリットをフルに享受出来るとあって、昨年の登場以来売れまくっています。

ナノ・ユニバースは2010年代最後半頃に起こったトレンドの転換期に乗り遅れた感があり、トレンド感のあるアイテムという意味では他のセレクトショップに遅れを取っていました。
ただ、誰もがトレンド感の溢れるファッションをしたいわけではありません。

最先端でなくとも、流行遅れ感さえなければ良い、と考えている人も多いはず。
「きれいめ」的なものを志向する人もまだまだ多いのです。

そこにかなりハマった感がありますね。

まだまだ12月というのにこの売れ行き…人気の黒の大きいサイズはもうほとんどありません。

これタイトなサイズ感というわけではないのですが、できれば大きめに着たほうがカッコいいので、そんなに身長が大きくない人でもLやXLで試して欲しいんだよなあ…(いつも着用画像のモデルを務めてくれている172cmの子で、サイズLがベストでした)。

年末-年明けくらいに再入荷があるかもしれませんが、気になった方はまだ在庫のあるチャコールグレーを早めにチェックしたほうが良いでしょう。

チャコールグレーはちょっと好み分かれそうな色味なんですよ。

オンラインストアの画像だと、パープルっぽいチャコールグレーですが、現物はそういう感じではあまり無く、もう少し地味な色味。

若干ですがオリーブがかったようなグレーなのです。
実物がオンラインの色味に見えることはほぼ無いと思います。これ昨年からなんだよなぁ…何で変えないのだろう?

何なら黒よりチャコールグレーの方が深みがあって良い色味だと思いますし、黒のパンツ主体の方はこちらのほうが合うと思いますが、こればかりは好みかなあと。

ベージュは垢抜け感はありますが、マウンテンパーカー本来のアウトドアテイストに回帰してしまう感があるので、あまり積極的にオススメは出来ません。

アウトドア感を軽減させたところに、このアイテムの良さがあると思うので。

私の今の志向とはちょっと違う方向性ながら、西川ダウン、良い方向性に変われたなと思う良作です。


nano・universe 西川ダウン MATSUMI

LB.03/西川ダウン(R)/SOLOTEX MATSUMI


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