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空海✕光る君へ 奈良博『空海展』鑑賞のあとに行きたい場所

奈良博で空海様の展覧会が行われています。

空海様の素晴らしい宝物が一挙に集められ、密教のことがとても良くわかる展覧会です。

じっくり見て歩くと3時間はかかる大ボリュームな展覧会ですので、見終わった跡はぐったりするでしょう。

展覧会のあとは、奈良博の庭園を散策してリフレッシュするのがおすすめです。

奈良博に庭園なんてあったっけ?という人もいらっしゃると思うのですが、グッズ売り場から出入りできる扉があるのです!


そんなに広くはないので、ゆっくり巡っても10分かかりませんし、とても風情のある東屋と池など見どころたっぷりです。


そして今は大河ドラマ『光る君へ』を見ている方ならぜひ眺めてほしい桜の木があります。

今はもうすでに桜の季節は終わってますから、葉桜なんですけど。

『奈良の八重桜』というのがあるのです。


平安時代、ちょうど『光る君へ』の時代の頃。

宮中にて働く伊勢大輔という女性がいました。

彼女は献上された桜の木を前に、即興で詩を詠むことが求められたのです。

その時に歌われたのが、百人一首にも選ばれている
「いにしえの 奈良の都の八重桜 けふここのへに におひぬるかな」

もともと、奈良が日本首都・都である平城京でした。
それがこの頃には平安京に遷都しています。

奈良はいにしえの、古代の都。
そのかつての都からやってきた八重桜は、いま九重(ここのへ・宮中のこと)にある。

ここのへとは、ここのつの門に囲まれた中国の王宮からたとえて、宮中のことを現します。

八重桜の花びらが重なった美しさと、花咲き誇る宮中を重ねてことほぎの言葉を歌にしました。

その時の天皇は一条天皇

藤原道長の娘・中宮彰子が奥さんのひとりで(大河ドラマでは三上愛ちゃん)
がこんな詩を返します。

九重に にほふをみれば 桜狩 重ねてきたる 春かとぞ思ふ

宮中があでやかだなーと思ったら、桜がきてくれたからなんですね。
春が再びやってきたみたいですね。

この雅なやりとをした桜の木が、奈良博の庭園に植わっているのです。


展覧会で空海様その人にふれて、展覧会の後は、奈良の自然の中で空海さまがもたらした密教の修法によって守られた天皇や宮中のことに思いを馳せて下さい。




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