忠内香織

奈良でガイドをしています。奈良の寺社仏閣をめぐる「うるわし奈良」代表。http://u…

忠内香織

奈良でガイドをしています。奈良の寺社仏閣をめぐる「うるわし奈良」代表。http://uruwashinara.com/ 好きな場所は飛火野。好きな奈良漬は白雪さん。好きな仏像は安部文殊院の文殊菩薩さま。好きなお寺は唐招提寺。好きな聖人は聖徳太子。好きなお菓子は「御城之口餅」

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あらたに御仏と出会えた写真展

奈良県立美術館にて『特別展 小川晴暘と飛鳥園 100年の旅』 2024年4月20日(土)~6月23日(日) 開催中です。 奈良には飛鳥園という仏像専門の写真館があります。 飛鳥園の創設者であり、良を中心に各地の仏像を撮った写真家が小川晴暘(おがわ・せいよう 1894-1960)です。 飛鳥園創立100年を記念して行われている大規模な展覧会です。 仏像の写真といえば飛鳥園! と思うくらい有名なところなので、パンフレットや図版で一度や二度見たことのあるものばかり。 この展

    • 奈良町  璉珹寺さんの白色阿弥陀さま

      5月5日(日)奈良 璉珹寺さんを訪れます。 こちらには5月のみご開帳になる阿弥陀様がいらっしゃり、とてもお美しい白色の阿弥陀様。 そしてバラのような雲に乗っていらっしゃいます。 阿弥陀様は「来迎」と言って、極楽浄土からお迎えに来てくださるご様子がよく絵に書かれるのですが、こちらは立体で表現されているのです。 特にその雲が素晴らしく、これだけでも拝観する価値があるかなあと… でもそれ以上に素晴らしい阿弥陀様。 如来様は悟りを開かれた全知全能のご様子を備えているのです

      • 興福寺王国

        いよいよ興福寺の五重塔の修理が本格的です! 大きなクレーンが並び、すごい迫力。 クレーンが大きいのは知ってましたけど、五重塔と並ぶと(そして越えると)その巨大さがよくわかりますね… いよいよ、いよいよ、五重塔が見えなくなってしまいます。 でもこのGWは最後に一目見れそうです。 4月28日(日)に興福寺・北円堂ツアーをやります。 その時に、伽藍配置の話をしようと思っています。 伽藍配置とは、お寺の中で何がどこに立っているのか?ということ。 古代のお寺はそのセオリ

        • 過去って変わる

          タレントの南かおりさんとイベントをさせていただいのが3月の末。 少し時間を経てその打ち上げで食事会いってきました。 もーかおりんと親しくお話できるというだけでも、人生ミラクルだよね…という感じなのですが、その席でさらなるミラクルを知ることになりました。 そもそもかおりんと私も御縁は、十代前半に聞いていた「ラジメニア」という放送。 アニソン専門番組として現在も大人気で、先日はクラファンを大大成功させたばかりです。 かおりんはそのメインパーソナリティで、今も活躍中。 私は

        あらたに御仏と出会えた写真展

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          今週の『光る君へ』ききょう様に見る「夢の叶え方」

          毎週楽しみにしている「光る君へ」 第14回『星落ちてなお』にてついに兼家パッパが死んでしまいました… 時代が変わる。新しい世の中が来る!ということで、まひろの一家と親しくしている宣孝さまは筑紫に赴任することになり、道長の兄道隆兄さんは、自分の息子を大抜擢し…と色々なところで、それぞれの道が開かれている様子が演出されていました。 そんな中、のちに清少納言とよばれるききょう様とまひろが「志」について語るシーンがあったのです。 ききょうは宮仕えを希望していて、自分の才覚でも

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          春日大社 鎮花祭 自然とともにあること

          奈良 春日大社で「鎮花祭」というお祭りがあります。 毎年4月5日に執り行われていまして、今年も参拝してきました。 花が散るころ、これから暑く水ぬるくなっていく季節。 疫病もまた吹き出すと考えられたのです。 疫病を払うことが国家にとって大事なことだったので、この季節の恒例行事になりました。 私達は冬が本番になるころ、風邪に気をつけろー インフルエンザがーと言ってますが、昔のひとは万物の「めぐり」という大きな単位でものごとを見ていたのでしょう。 お祭りのなかでは巫女舞が

          春日大社 鎮花祭 自然とともにあること

          奈良 佐保川沿いの川路桜

          奈良には名所旧跡が沢山ありますが、その中でも「佐保」というエリアがとても素敵です。 『古事記』『日本書紀』には、垂仁天皇の后となった狭穂姫の物語が残り、 『万葉集』の編纂者と考えられる大伴家持の邸宅もこのあたりにあったといわれます。 佐保には佐保川が流れ、昔は蛍も飛び交う清らかな流れだったとか。 現在この佐保川沿いは、桜の名所になっています。 ここに桜を植えてくれたのは、幕末に赴任してきた川路聖謨というお奉行さまです。 日本の命運を決める外交問題が山積する時代、おお

          奈良 佐保川沿いの川路桜

          私の好きな奈良の一本桜

          桜の季節がやってまいりました。 奈良にも沢山桜の名所があり、特に吉野は一生に一度行きたいと願うほどの素晴らしい桜です。 でも今回は、そんなに派手でないけれど、なんとも心に残る「奈良の一本桜」をご紹介します。 一本桜とは、文字通り、一本だけ立っている桜の木のことです。 【東大寺 大仏殿】 東大寺大仏殿 この参道のわきに一本桜があります。 一年のなかで今だけ、華やかに咲いてくれるのでいつも楽しみにしています。 桜の時期はすぐ終わるので、ほんとに一瞬しか会えませんが、そ

          私の好きな奈良の一本桜

          生まれて始めて仏像写真集を買った

          仕事がらいろんな御仏に出会う機会が多いのですけど、どうしても奈良県内にかたよりがちです。 全国の仏像にくわしい!何百何千の仏像を来訪したーという記事なんかを見ると、いいなあすごいなあと思うのですが、わりと1回2回だとすぐ忘れてしまうのですよね。 みほとけには何度も会いたい。定期的に会いたい派閥です。 不思議なもので、その都度見え方が変わったり、雰囲気が違ったり、それまで気づかなかったところに気づいたりします。 そんな私ですが、滋賀県の渡岸寺というとことに行ってきました

          生まれて始めて仏像写真集を買った

          おばあちゃんが教えてくれた「信心」

          神社仏閣に行ったら、おみくじを引く方多いですね。 最近では可愛い七福神の中に入っているおみくじとか、水にひたして文字が出てくるものとか、色々ありますけど、私の中で一番「信心している」のは東大寺 二月堂さんのおみくじです。 昔友達のおばあちゃまが、すごく二月堂信者で、もう足が悪くなってひとりでは階段を登れなくなっているのに、毎月の月参りを欠かさない…という話を聞いたことがあるんです。 いつも私の友達が車で連れて行って上げていたのですけど、その時に二月堂はもう目の前まで車で

          おばあちゃんが教えてくれた「信心」

          蛇行剣 発掘は続く!

          奈良市にある富雄丸山古墳で、前代未聞の長さを誇る蛇行剣が出土して、その公開が始まったので見てきました。 場所は橿原考古学研究所。 発掘したのは奈良市です。 当時は実に沢山の人たちがお見えで、今回始めて入場まで30分以上並びました^^; 目的の蛇行剣に至るまで、発掘やその後の保存に関する詳細なパネルが用意されていて、そちらを眺めながら順番を待てるので、長い列も全然苦ではありませんでした。 この世紀の大発見は、現場の土ごと持ち帰ることから始まって、丁寧に土を取り除く作業

          蛇行剣 発掘は続く!

          蛇行剣見てきた!

          奈良市にある富雄丸山古墳という所で、史上最長の長さを誇る「蛇行剣」が発見されました。 クリーニングと保存のための処置が施され、一般公開されたので見てきました。 私が疑問だったのは、2メートルを越える剣なんて、ほんとに作られたのか?ということでした。 ほんとか?って言われても出てきたのだからほんとなのよ…ということろですが、それってほんとに剣なの? 別のものじゃないの?とずっと疑ってました。 いくら儀式用だろうっていったって、2メートル越える剣って、どうやって扱うのよ…

          蛇行剣見てきた!

          花会式を通じてわかる「尊さ」

          奈良 薬師寺で行われる修二会 「花会式」 奈良の修二会は「六時の作法」といって、一日を6つにわけ、6回祈るという作法が残っています。 これはとても丁寧なやり方で、時代が経つにつれ省略されていきます。 昔ながらの6回の祈りが残っているのが、奈良の古さの証であり、大きな特徴なのです。 薬師寺さんの花会式では、お昼間13時~15時ころまで 夜19時~21時頃まで、夜中(朝?)午前3時から5時ころまでを使ってそれぞれ2回ずつ、計6回の祈りがあります。 午前3時からの祈りはな

          花会式を通じてわかる「尊さ」

          薬師寺花会式 薬師如来様のお名前を呼ぶこと

          薬師寺の花会式。 お昼間の法要に伺うと、花会式とは知らずに訪れた観光客の方も多くいらして、金堂の中は人でいっぱいになります。 入る場所、出る場所が決まっているので、係の人が立っているのですが、たまたま僧侶の方が誘導係になっていました。 なんとなくその周囲をうろうろしていると、誰にも声掛けしていない時、その僧侶の方は中で唱えられているお経と同じ文句を口ずさんでいたのです。 薬師如来様は、薬師如来さまとなられる時、12の願いを掲げたといいます。 人々が飢えないように、乾

          薬師寺花会式 薬師如来様のお名前を呼ぶこと

          聞きたい 花会式

          奈良では「修二会」と呼ばれる法要があります。 お坊さんが俗世から離れ、精進潔斎して国家のために、国民のために祈ってくださる法会です。 東大寺さんにある二月堂で行われる修二会が「お水取り」などと呼ばれて有名なのですが、薬師寺さんでも行われています。 薬師寺さんの修二会は通称「花会式」と呼ばれます。 花がつくのは、その昔、平安時代に生きた堀河天皇という方が、皇后様の病気平癒を願って始められたのが最初だといわれ、病気が治った皇后さまは造花を奉納したことから、今も薬師寺修二会

          聞きたい 花会式

          『光るきみへ』庚申待ちの夜

          先週の『光る君へ』にて「庚申待ちの夜」というものがでてきました。 私達の体の中には虫が住んでいて、その虫が悪さをすることで病気になる、と信じられていたのです。 今でも「虫の居所がわるい」という言葉が残っているくらいですけど、この虫が体内から抜け出して、天帝に告げ口をする。 それを阻止するために、眠らないでおく。 これが暦の上で「庚申の日」かのえさるの日に行われていました。 昔むかし文武天皇という方がいました。 この時代疫病が流行したそうです。 その時、元興寺の僧が

          『光るきみへ』庚申待ちの夜