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[起業体験記06 設立編最終回]事業計画

ども、ならなすおです。

起業体験記、「設立編」は本稿が最終回になります。
私が会社の口座を作るために銀行に出した「事業計画書」を公開します。
もちろん、無事に口座を作れましたし、その後地銀に口座を作った際も、「さすがですね」とか褒められたやつです。
(いや、そこが下手だったら仕事になんないですから、、、)

事業計画書は、補助金を申請する場合や、融資を申し込む場合は、もっと作り込まないといけませんが、私の場合は、「口座を作れればいい」というクオリティで、ちゃちゃっと作りました。

ちゃちゃっといっても、中小企業診断士の本業の部分ですから、慣れてない皆さんには難しい面も多いと思うので、解説していきます。

今回は、冒頭にムダ口をたたかず、さっさと始めたいと思います。
ムダ口は、最後にたたいていますので、ご覧いただければ幸甚です。

それでは、本編スタート!

(1)銀行に会社の口座を作る手続き

設立登記した際の資本金、最初は個人口座に入っています。
法人の口座を作って、資本金を入れないといけません。

私の場合、法人設立当時は単身赴任で登記地と別の県に住んでいて、近くになじみの銀行の支店が少なかったので、ネット銀行に口座を作りました

ネット銀行では、実体のない会社が口座を作って悪用したりされないために、口座を開設する際、「ちゃんと存在して活動している会社かどうか」を審査されます。

必要なのは、下記のようなものです。

・法人の「履歴事項全部証明書」
・代表者の身分証明
・会社の取引実績
 (ない場合はホームページ)
・会社の事業計画

私の使ったネットバンクでは、法人の印鑑、いらなかったです。
(のちに地銀に口座を作った時は必要だったので印鑑を作った意味はありました。)

取引実績はなかったので、ホームページが必要でした。
ホームページは、無料で作れるやつでもいいと思いますが、私はメールアドレスもgoogleじゃないのが欲しかったんで、WIXという有料サービスを使いました。

そして、ポイントはやはり「事業計画」です。

(2)事業計画

法人口座開設用の銀行向け事業計画は、会社が「存在してるか(ペーパーカンパニーでないか)」「すぐ潰れたりしないか」「怪しい商売をしていないか」などを説明して、先方の審査を受けるためのものです。
よって、「ちゃんとしてます」「潰れないです」「怪しくないです」という説明に全力を傾けます。

事業計画は、「誰が読むか」によって作り分けます。
ポイントは、「見る人が何を見たいか」を理解しておくことで、基本的には相手が見たいものを表現する(嘘はNGですが)のが事業計画の鉄則です。
例えば、下記のような「説明の力点」が想定されます。
・「儲かる」会社です!
・「成長する」会社です!
・「人を大事にする」会社です!
・「実績のある」会社です!
・「代表者が優秀」な会社です!

何に力点を置いて仕上げるかはその都度変わりますが、軸となる計画を1つ作っといて、それをアレンジしていく、というやり方が効率的です。

以下に、私が作った事業計画を公開します。
(固有名詞、実名などは消してます。ご了承ください。)
パワーポイントを使って作っています。
SWOT分析や売上利益計画は、エクセルで作って、パワポに「拡張メタファイル」という形式で貼り付けています。

このパワポとエクセルの様式、いる人がいたら、あげます(無料)。
仕事依頼の問い合わせフォームから連絡をください。

①礼儀的なやつ

ここをおろそかにしていると「この会社ダメだ」と思われるおそれがあります。
もったいないので、そういうところをミスらないように気を付けましょう。

人名・組織名を間違えない
年配の審査者だと、特にこだわっていたりします。
こないだ私、ある会社の営業さんが「中小企業基盤整備機構」のことを「中小企業機構」と略しているのを聞いた瞬間、「あ、ここダメだ」と思っちゃいました。
(業界に精通していないことが一瞬でわかったから。)

西暦か和暦か統一
統一してないと、見る側、審査する側にとって、「見づらい」です。

②目次

私の場合、こんな感じでつくりました。
「技術の高さ」「実績」など、アピールポイントが変わってくれば、それに応じて、メリハリをつけます。


③経営理念・事業戦略

経営理念や事業戦略などについては、様々な解釈があり、各企業とも様々な視点で策定して公開しています。
弊社では、以下のように整理しました。

経営理念
会社の存在理由

事業戦略
仕事を受ける、受けないの判断基準


④事業内容

「事業内容はこんなのです」というのを箇条書きしました。


⑤設立時の会社概況

銀行としては、資本金額、従業員数、住所などの情報が必須だと思いますので、漏らさず書いておきます。


⑥代表者略歴

実績のない段階では、代表者の経験が唯一「書けること」なので、嘘のない範囲で精いっぱい背伸びして書きます
(すみません、ここは公開する内容があんまりないので様式を添付しないです。)

⑦事業環境分析

「ビジネスをまじめに分析しています」というのをアピールする資料を1個付けました。
この手の分析には、いろいろなフレームワークがあるんですが、説明しやすいのを使えばいいと思います。
コンサルとしてこの手の分析を受託する時はもっとガッツリやってますんでご了承ください。


⑧事業の詳細説明

4つの事業について、一枚ずつ、説明しました。
文字だけだと読む気が失せるので、写真などを使うといいと思います。


⑨売上・利益計画

4つの事業ごとに売上、コスト、粗利益を5年分試算しています。
銀行への借入申請の際は、もっと細かく「月次」で作ったり、「売れる根拠」を説明したりする必要が出てきます。

(3)中締め

磯野を野球に誘う人ではないです。
法人設立周りの記事が終わったんで、一旦総括です。

さて、
設立するだけで、結構疲れた人もいるかも知れません。
でも、手続云々は、オマケです。
そればっかりやってて、本業がおろそかになるのは、ヤバいです。
本業を軌道に乗せて、利益があがったら、将来は税理士さんや社労士さんに手続業務を外注できます。
それまでの辛抱です。

どうか、心の余裕をなくさないでください。

起業家が事業を続けていくうえで大事なのは、1勝する突き抜けたアイデアよりも、99敗しても前を向けるメンタリティと財務管理能力だと思っています(ど天才は除く)。

お読みいただいて、ありがとうございました。
少しでも「参考になった」という方がいらっしゃれば幸いです。

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