奈良正哉(鳥飼総合法律事務所弁護士)
記事一覧
機関投資家を交えた座談会
社外取締役として、機関投資家一社を交えて座談会をした。主要トピックは経営計画全般とESGに対する取組だ。座談会のファシリテーションをしてくれたアナリストは、「偶然にも」かつての職場の仲間であった。
筆者がなれなれしい口調で話し始めたので他の取締役も次第に打ち解けて、率直かつ有意義な意見交換ができたように思う。仲間はありがたい。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
投資商品としての現代アート
5月26日日曜日の日経トップは、投資商品としての現代アートだ。日本のバブルの絶頂期から崩壊にかけて見てきたような内容だ。現代アートは不動産や株式より投資利回りが高いとする。
記事中さらに気になるのが中国市場の台頭だ。米国市場に肉薄している。日本など物の数ではない。アートは投資商品としては金利も配当も生まない。むしろ保管に金がかかる。中国富裕層が資金繰りに困ったら真先に売りに出されるだろう。か
空き家の仲介手数料引き上げ
空き家対策として、仲介業者(・・・不動産販売という会社)の取る手数料の上限が、18万円から30万円に引き上げられる(5月22日日経)。仲介業者の手数料は売買価格の一定割合だ。高額物件の方が手数料は高いので空き家のような低額物件は敬遠されがちだった。
しかし、どれだけ効果があるのだろう。空き家は需要が乏しいから空き家になっている。加えて長年放置されているから物理的な損傷も大きい。都心から離れた
私大101法人経営困難
私大101法人が経営困難な状態にあるという。うち16法人は26年度にも破綻のおそれがあるという(5月20日日経)。
記事にある少子化の影響はもちろんあるだろう。それとともに、特徴のない大学やいわゆるFランクの大学の乱立も原因ではないか。
大学で専門教育を受ける気持ちがない、あるいはその学力がない高校生は、早くに労働市場に入る方がいいのではないか。同時に高齢者はなるべく遅くに労働市場から出
CSR ESG SDGsさて
企業経営にかかわる者としてはあるまじき状態かもしれない。ただ、かつてのCSR、その後ESG、さらにSDGs 最近では単にsustainable 。これらの関係が分からない。後者は前者の発展形なのか、包含関係なのか、はたまた異なる概念なのか。
いずれにせよ、企業外部者が問題にするのはE(環境)のようだ。ただ、これも全世界一枚岩というわけではない。一枚岩どころかアメリカでは社会分断のひとつの象徴
伊藤忠ビッグモーター救済はどうなるか
伊藤忠によるビッグモーターの救済スキームが明らかになった(5月2日日経)。しかし企業の風土、体質変革は大変だ。長く務めている者ほど同社の違法体質は染みついているだろう。稲盛さんがJALを救済したが、JALの体質といっても収益認識が甘いなどというものであって、もちろん違法体質ではない。伊藤忠派遣50人の幹部で従業員4,200人に染みついた体質を変えられるか、壮大な実験だ。
しばらくは、伊藤忠か