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【臨床日記】側弯症のトリプルカーブの原因

ご本人の承諾を得て掲載しています。
首肩こり、腰痛を主訴とする側弯症のトリプルカーブの方です。

歩行において、右立脚で右の腰部左凸が、左立脚で胸部右凸が強調されています。
上部胸椎の左凸に関しては、歩行では大きな変化はありません。

歩行観察

典型的な遺伝型の側弯症の場合は、胸部右凸、腰部左凸ですが、この方はトリプルであるため、典型ではありません。
また家族歴もなく、習慣性を示唆します。

では何が原因でこのような変形が起こるのでしょうか、、、?
なんだと思いますか?

他の形態的な特徴としては、右の前捻角が増強していること、左に脚長差があり短下肢を呈してたことです。

上部胸椎の左凸は右側屈左回旋でした。
これもとても特徴的です。

結局、一番可能性が高いと思われたのは、中学生から大学まで行っていた楽器であるベース姿勢です。
左荷重で、内股、そして左手を見ながらの演奏という姿勢が、この特徴と矛盾なく合っていたのです。

もちろん、側弯変形があったからベースを選び、そしてそのような姿勢をとったという可能性も否定はできません。
が、、、そこまで変形と姿勢を合わせて数ある楽器の中から自分の姿勢とビンゴに合うベースを選んだというのは、少し無理のある推測でしょう。

修正は、左の補高用インソールと、右の内股歩行。
これで、腰部の弯曲はほぼ取れました。

上部に関しては、本人オリジナルの矯正体操を指導しました。
歩行では、上記の特徴は全て改善されましたので、この対応でほぼ問題なく過ごせると思います。

ここでのポイントは、トリプルカーブは習慣性を疑うということと、問診によって該当する習慣を特定する必要があるという点です。
変形だけを見て、対症療法をするのではなく、原因を追求して対応するというのは、予防運動でも側弯トレーニングでも同じ原則です。


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