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【ヨガ日記】ヨガとピラティス両方やった方がいい理由

最近はピラティス(特にマシンピラティス)の人気が出てきていますが、ヨガもピラティスも両方とも20年近く実践し指導してきた身としては、ヨガからピラティスへ乗り換えるのではく、ヨガもピラティスも実践してほしいなというのが率直な思いです。

その理由をこれから解説します。

ゴール

まずヨガとピラティスの違いですが、大きく分けて実践のその先のゴールである心身への働きかけが違います。

  • ヨガ;身体→スピリチュアル(霊性)

  • ピラティス;身体→スピリット(ヤル気)「Body-Mind-Spirit」

両方とも体を整えることが実践のほとんどですが、そこからヨガは精神性に、ピラティスは元気になることを目指しています。
心というものの深さというか、ヨガは「悟り」、「解脱」という輪廻転生の概念からの究極の目覚めみたいなところを目指します。
そこが宗教的、哲学的な要素といってもいいでしょう。

ピラティスは、健康体操の範疇からは出ないので、「元気になろう!」とはいっても「悟ろう!」とはいわないのです。
ピラティスの方がサバサバしているという印象でしょうか。
ヨガは、お経のようなマントラというご真言もありますし、瞑想もあります。

この大きな違いから、気楽にできるのはピラティス、でももっと人間とは何か哲学的に深めたいならヨガという感じになります。
僕は、体が元気になったらそれで十分という人ならピラティスだけでもいいと思います。
いますよね、元気で陽気な人。

でも時には挫折したり、絶望を感じることもあるでしょう、人生ですから。
元気になろうといわれてもなれない時、、、。
後は歳をとってくるといつまでも元気にといっても無理なものは無理です。
衰えていく、死に近づいていくという時期に、元気だけではやってられないのも事実です。

ヨガは、そんな時にも示唆を与えてくれます。
あるがままを受け入れて、妄想しない。
苦しみの多くは執着であり、どうしようもないことをどうにかしようとしようとするから起こる現象。
悟りを目指さなくても、そこにいくまでの過程でも十分に凡人の僕らにはためになることがヨガにはあります。

ヨガのポーズ

思想

また背景として、以下の違いも大きいですね。

  • ヨガは東洋思想

  • ピラティスは西洋思想

思想は、考え方ですから、ヨガは前述したように輪廻転生の概念があります。
また、インドはゼロを見つけた国です。
哲学的にも「ゼロ」を持っています。

勝ち負けや、優劣、悪と正義のように二極的な考えをするのが多くの人ですが、ヨガの場合はその中庸こそがバランスの取れた理想と考えます。
「±」ではなくゼロを持っているということですね。
まさに東洋思想です。

比べて、ピラティスはやる気を出そう!ですからプラスに目が向いています。
落ち着いてゼロを見つけようではなく、プラスの状態になろうという明確なメッセージがあります。
胸式呼吸をして、全身を活性化させ、生き生きとした状態になるためにエクササイズをします。
それが健康の秘訣ということです。
スポーツ選手に好まれるのもそのためでしょう。
ヨガで落ち着いてしまっては戦えませんから、、、。

ヨガがスポーツで用いられるとしたら、コンディショニングとして回復を促すために用いられます。
また、精神的なプレッシャーに負けないために、心を制御する方法として用いることがあるようです。
特にプロ選手にかかるプレッシャーというのは想像を超えるものでしょうから、ヨガでバランスを取っている人は多いでしょう。

祈り

歴史

歴史に関しても歴然とした違いがあります。

  • ヨガは約3500年前から

  • ピラティスは約100年

ヨガはインド文化そのものでもあります。
健康法というか、哲学であり文化ですから、それはそれはその周りの要素、項目がとてつもなく広いのが特徴です。
ピラティスは、ジョゼフピラティスという一人の健康オタクのおじさんが作った健康法です。
これは流石に比べてはいけないレベルですね。

ただ、歴史が少ないからといってピラティスが低俗ということではありません。
近代に出来上がったものだからこそ、近代的な科学や医学との親和性が高いという特徴もあります。
つまり、医学的に説明しやすいエクササイズが多いということです。
この点は、何をしてるのか明確にして健康法として実践したい人には向いてるでしょう。

一方ヨガはサンスクリット語で、昔から使われている俗称が多いです。
「プラーナ」「バンダ」「チャクラ」「クンダリーニ」、、、など。
いったいそれが科学的に何を指すのか?と言われても概念なので、曖昧にならざるを得ません。
ある程度は解説できますが、その時代の感覚で作られた言葉ですから、厳密に科学とイコールというのも変です。
曖昧な部分も含めて受け止める寛容さがないと、ヨガは少し怪しくなります。

祈りの儀式

まとめ

このようにヨガとピラティスは、色々と違います。
一長一短といえばそうですが、それぞれに魅力があります。

人ですから、元気になりたい時もあれば落ち着きたい時もあります。
状況に合わせてその都度、適切な対応方法があるのは素晴らしいと思いませんか。

僕は両方やってきてよかったと思っています。
相乗効果が期待できます。
ライトなピラティスも、深遠なヨガも両方魅力的で、そして効果的です。

ヨガもいい!ピラティスもいい!いいとこ取りで皆さんが健康でいられますように。
ぜひどっちも継続してくださいね(^^)
どちらも入門書を書いてますので、ぜひそちらも参考にしてもらえたら嬉しいです。


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