見出し画像

【側弯トレーニング日記】バレエと側弯症〜症例を通して〜

先日、バレエと側弯症の関連を強く示唆する症例が来店されました。
遺伝性を示唆する典型的な側弯のパターンは胸部右凸、腰部左凸です。
今回の方は胸部左凸、腰部右凸でした。
医師からは珍しいねと言われたそうです。
そりゃそうです、習慣性ですから、、、。

ちなみに医師は側弯の原因に習慣などはないと思い込んでいます。

今回の方は、コルセットはしていたものの、残念ながらシェノーやゲンシンゲンのような3D装具ではなく、筒型の時代遅れのものを処方されていたようです。
(僕が親なら憤慨ものです)

成長が止まったということで装具は卒業しましたが、その後弯曲の角度が進行して、手術の適応である40度に達したことで、手術の検討となり他の方法はないかと来店されたのでした。

本来成長が止まれば進行しないはずですが、進行していました。
その理由は医師には分からないでしょう。
進行したから手術が必要だということでした。
さらに運動は意味がない、装具も効かないということでした。
手術以外はお手上げということですね。
その理由は説明なく、、、。

理由は単純です。
この方はバレエが原因のケースだからです。
上半身重心も片方にずれており、そのバランスの崩れが残っているから進行したのです。
癖を直さなければ増悪するのは当然でしょう。
またダンスをされており、動きやすい方を繰り返し動かしてしまったため、進行を助長してしまいました。
医師は、やってはいけない動きや、行うべき運動などは指導できません。
遺伝としか思っていないので、原因を追求することはありません。
残念ながら医師の思考停止によって放って置かれたということになります。
でもこれが今の医療の常識なので特別なことではありません。
バレエの指導者も側弯症に関して当事者としての意識が低いですので、このような方の場合、泣き寝入りをするしかないのが日本の現状なのです。

僕がいくらバレエの業界に連絡をして訴えても変わりません。
医師に訴える方法は文献ですが、当社は医療機関ではないため、レントゲンを使用したりすることはできません。
医師は個別性よりも、文献や研究を優先するので、こちらも変わりません。

力及ばずで悔しいですが、僕にできることは個別にこのようなケースを救うことしかできません。
ただ、側弯トレーナーには医療機関で勤めている人も多いので、これからデータを集めて数年後には論文として医師に訴えていこうと準備しています。

さて話を戻しますが、今回は典型のパターンと違ったのは、バレエの脚の上げ方が逆だからで特段驚くようなことではありません。
ちなみに、側弯症の基本は胸の変形です。
今回は腰がメインのパターンでした。
これもバレエの方の特徴です。

指導はとても明確です。
上半身のシフトを逆にします。
今はバレエはしていませんが、運動としては反対の脚を上げる練習をします。
また、腰部の変形は骨ではなく椎間板が中心です。
今回も椎体の変形はありませんでした。
ですので、装具の適応になります。
一般的に装具は成長期のみが適応ですが、腰部タイプであれば成長期が終わっていても効果を期待できます。
医師が無理だと決めつけているのと、腰部パターンなどの限定した処方をしないからエビデンスがないだけでしょう。
エビデンスは、過去の実績ですから自ら新しい常識を作ろうとしなければ新しいエビデンスもできません。
そういう意味で、挑戦する人がいなければ、何も変わらないのです。

有難いことに、医療機関で成長期が止まっていても装具を処方してくれるところと繋がっているので、このような方にも装具作成ができています。
感謝です。
こちらでも、データを集めて装具の効果について、適応についていずれ論文にしていきます。
新しい常識を側弯トレーニングから作っていきます!

よろしければサポートをお願いします。私自身ではまだまだ微力です。当たり前の選択や情報を得ることができていない方々に、予防医学の視点で、知らなかったことで損した方を少しでも減らすよう、有益な情報を発信していきます。皆様の応援を励みに、より精進して行きます。応援ありがとうございます。