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オランダの学校教育の特徴④<学区制がない>

「学区制がない」
この言葉を聞くと、その意味がすぐにイメージできるでしょうか?

日本では、「現在住んでいる場所」で小学校が決まります。
「学区制」とは、どの地域に住んでいるか、厳密に言うと今現在、住民票に登録されている住所によって、通うべき学校が決定する。ということです。

日本において、この学区制は無視できません。

例えば、お友達にこんな人はいませんでしたか?
「住んでいる家から1番近い小学校と、通っている小学校が違う」

「家から1番近い小学校なら歩いて5分なのに、何でわざわざ15分かけて遠い方の小学校に通わないといけないんだ〜」

日本において、そんな風に言いながら小学校や中学校に通っている生徒は比較的多いと思います。
しかも、学区制に関することは自治体によって管理されているため、個人の判断で「家から近い方のB小学校に行こうと思います」というのは、よっぽどの理由がない限り認められません。

その「学区制」がオランダでは存在しません。

つまり「どの小学校に通っても良い」ということになります。

「どの小学校でも良いって、本当にどの小学校でも良いの?!」
と思われるかもしれませんが、本当にどの小学校を選んでも構いません。

ただ、通学は毎日のことなので、どれだけ気に入った教育をしている小学校があったとしても、車で往復3時間は現実的ではありません。
子どもと保護者の負担を考えると、多くの家庭が家から無理なく通える範囲の小学校を視野に入れるというのは、ごく自然なことです。

オランダの学校教育の特徴①<学校設立の背景>
https://note.com/naom_27/n/nf6f8badafb4c

でも書いた通り、オランダでは憲法23条で学校設立の自由が認められています。
よって、小学校は特色を出しやすく、保護者はそれらの特色や魅力を考慮して、我が子の小学校選びを行います。

しかし、その自由さ故に、人気の小学校ではウェイティングリストが発生することもあるのが事実です。
人気の小学校では、生まれた時からウェイティングリストに登録しておく。というようなことも起こり得ます。

学校自身が「魅力ある学校作り」を積極的に行うのには、学区制がない。ということが関係しています。
どの学校も、学区制という制度に頼ることなく、生徒獲得のために学校運営を行わなければいけないのです。


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