見出し画像

頭カチコチだった夫に訪れた海外生活による色んな変化

こんにちは!今日は夫の義則に最近訪れた変化について書きたいと思います。


義則は結婚相手ですが、親友です

私たちは1年付き合った記念日に結婚したのですが、私が彼と結婚したのは1年を通してとにかくたくさん話をした結果、彼のことを「親友」だと思えたからでした。

オランダに来てから自営業の私たちは、ある意味ずっと一緒にいます。それでも話は絶えず、ずっと一緒にいても楽です。彼は私と同じように家事仕事育児を全般的にするし、私たちはどこまでもフェアな関係です。

お腹を抱えて死ぬほど笑うこともあれば、仕事の話も、子育ての話も、ありとあらゆる話を夜中まで語り合うこともあります。彼は何でも話せるとても特別な存在です。

進学校あがりの彼のカチコチ感

「感覚で生きる」私とは対象的に、よく勉強ができるタイプの彼。今も小学生から高校生まで日本語指導や算数、国語、理科、社会…と全ての教科を指導しています。

「俺はオールラウンダーやけど、斗出して何もできない」

これは彼自身が自分を描写する時の言葉ですが(笑)、音楽と言語に能力が偏っている私からすると、彼のバランスには素晴らしいものがあると思っています。

ただ、オランダで暮らしていると引っかかってくるのが言語です。英語の文法についてはよーーーーーく知っている彼ですが、会話はかなり苦手。そんな彼が最近ついにオランダ語教室へ通いだしました。

そこで、超内向的だった彼に大きな変化が起きていることに驚いています。

海外旅行は高校の修学旅行(オーストラリア)だけだった人

そもそも彼は高校の修学旅行を除いては、海外に行ったことがありませんでした。よって、私は「世界史を教える人間が日本の外を見ないで何を語るん?」と、彼のプライドに擦り傷(?)を加え、これまで2回海外へ連れ出しました。

1回目はアメリカ東海岸。大学時代の親友を訪ねてワシントンへ行った後、ニューヨークマンハッタンでハーレムに長期滞在して、彼のイミューンシステムには免疫がついたと思っています。← (あ、そういえばマンハッタンでプロポーズされたんでした)

2回目はオーストラリア、ゴールドコースト。娘が生まれてから家族旅行で2週間ほど滞在しました。

海外に出るたび、彼の物事を見る視野が広がったと思います。英語がわからず不便をして、人々にあたたかく助けられ、変質者にからまれドキドキして、日本は安全で良い国だ!と再確認する。そんなことを繰り返しながら「日本の外などほとんど見たことのなかった人」の中に変化が起こるのをそばで楽しく見てきました。

オランダ語教室に通い出したことで一気に世界が広がったようだ

小学生から高校生を教室に迎え入れ指導したり、オンラインの授業を行なっている彼にとって、外の社会に出て他人と関わるという必要性はほとんどありません。

ただ、娘の学習言語がオランダ語なのと、家族での外出や買い物などちょっとした時にオランダ語で話せないことを乗り越えたいと思ったのか、最近オランダ語教室に通いだしました。…これは内向的な彼にとってはすごいことです。

教室に通いだしてから彼は言いました。

「今まで30年以上、全く違う国から来た人と"共通言語"というものを持って話をしたことがなかったけど、それができるという感動がすごい….」

と。そして、元社会科の教諭として聞きたいことが山ほどあるそうです。笑

もちろん彼の言う"共通言語"とはオランダ語です。拙いオランダ語でも、拙いオランダ語同士で「そうそう!」みたいな瞬間の喜びを34歳にして彼は初めて味わったようです。その感動の大きさ、私も理解できます。

「娘の小学校のボランティアをやってみようかな」

今週末から1週間ほどフィンランドに学校視察に行く私ですが、その間、彼には1人で家事育児仕事をこなしてもらわなくてはなりません。

ちょうど私が留守の間に、娘の小学校でスポーツdayがあります。日本ほど体育館も校庭も広くないオランダなので、日本の運動会とは比べものにならないくらい小規模なものですが、そこで各クラスから保護者のボランティアが5名必要でした。

ずっと最後の1人が見つからずクラスのママが困っていたようなのですが、オランダ語に通いだした彼がボソっと、

「俺、行ってみようかな。助けになりたいし。」

と言ったのです。うっそーーーーーーーん!!!が正直な感想でしたが(笑)、前回の娘のクラスでの授業に引き続き、彼は「困っている人がいると助けなければ」という気持ちが人一倍強く、そこにハマったのかと思っています。(もはやメシアやないかい)

確実に彼は変化していると感じる

オランダに住み、時に人々の優しさに触れ、時には困り、生活の中で周囲の人々がどのように生きているかを観察し、子どもたちを見て、大人を見て…とする中で、がつくほど内向的だった彼には確実に変化が起きていると感じます。

「菜央がオランダに行こうって言ってくれへんかったら、俺は一生日本で先生やってたやろうな〜。それも悪くなかったとは思うけど、こんなに世界が広くて、こんなに違う世界があるなんて気づけたのはやっぱり自分の人生にとってすごく大きなターニングポイントやと思う。ありがとうね!」

そんなことをあっけらかんと言う彼ですが、実際に変化しているのは彼自身。私は自分のしたいことをやって、彼の成長を変化をそばで楽しんで見ているだけなのです。

それでも誰かに感謝しながら生きる彼の人間性がとても好きだし、不器用ながら「自分にできること」を模索し続けるその姿勢に尊敬さえ感じています。

人を変化させるのは環境だけではありません。
でも、時に環境こそが人を大きく変化させる。
誰でもない一番近くの存在である夫に起きる変化を隣で楽しんでいます。

この記事が参加している募集

これからの家族のかたち

私たちの活動内容に賛同いただける方々からのサポートをお待ちしています。ご協力いただいたサポートは、インタビューさせていただいた方々へのお礼や、交通費等として使わせていただきます。よろしくお願いいたします!