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折りたたみ自転車を連れて、飛行機で伊豆大島に行ってみた!

2022年3月27日(日)、折りたたみ自転車を飛行機に乗せて、伊豆大島まで出かけました。今回は連れ合いと2人旅です。飛行機ならば、調布飛行場から伊豆大島までたったの25分。しかも、我が家から調布飛行場までは自転車で30分ほどという好立地なのです。

日帰りが可能なので、猫がいるために泊りがけの旅行はハードルが高い我が家にも好都合。伊豆大島まで日帰りで行けちゃうなんてすごすぎる! ということで、2021年の12月くらいから「春になったら、伊豆大島に飛行機輪行に出かけてみよう」という話が出ていたのでした。

旅行の様子を準備段階からまとめました。大島への自転車旅行を検討している方の参考になれば幸いです!

今回のルート(自転車合計約40km)
 自宅→調布飛行場(自転車 7.5km)
 調布飛行場→大島かめりあ空港(飛行機25分)
 大島かめりあ空港→裏砂漠→波浮港(タクシー)
 筆島見晴台→波浮港→元町→大島かめりあ空港(自転車 24km)
 大島かめりあ空港→調布飛行場(飛行機)
 調布飛行場→自宅(自転車 7.5km)

今回の行程(イラストACの画像に文字を加えました 場所はおおよそです)

本格的な準備は1ヶ月前から

フライトチケットは1ヶ月前から予約できます。善は急げと2月27日に、調布飛行場を9時に出発(大島かめりあ空港9時25分着)し、帰りは大島かめりあ空港を16時20分に出発(調布飛行場16時55分着)する飛行機の席を押さえました。

チケットはインターネットでも予約できるのですが、自転車を持ち込みについては電話確認が必要ということだったので、予約も電話で行いました。2名の日帰りの往復チケットで、折りたたみ自転車を2台持ち込みたいことを伝えると、「自転車は輪行袋に入れること」「搭乗手続きは30分前までだけれども、荷物が大きいので1時間前くらいまでに来てもらえるとうれしいこと」など、丁寧に教えていただけました。料金は2人で往復4万4800円、インターネット経由で支払えます。ここに当日、超過荷物の料金がかかります。

事前に決めたこと

伊豆大島というと、ロードに乗る方には「大島一周」「三原山ヒルクライム」が有名です。大島は外周約50㌔。距離だけ見るとちょうどよいのですが、島の東側はアップダウンがかなり激しくミニベロ+私達の脚力では押し歩き覚悟です。今回は、実質6時間の滞在時間で、飛行機に乗り遅れるわけにはいかないため、タクシー観光を部分的に使うことにしました。空港から島の南東部の波浮港まではタクシーで車窓から風景を楽しみ、その後、島の半分くらいを自転車で走行して一周しようという作戦です。

その他、事前に決めたことは、「雨だったら自転車は持っていかずに、普通に観光を楽しむ」「北風が強いようだったら、空港から波浮港まで自転車で走って、帰りはバスで元町まで戻る」といったことです。伊豆大島に訪れること自体初めて、観光もできるだけ楽しもうと、1ヶ月前からワクワクです。

いざ出発! 調布飛行場は輪行向き

お天気は前日まで荒れ模様でヤキモキしましたが、当日は晴れ。予定通り自走で空港に向かい、8時頃に調布飛行場につきました。ありがたかったのは、ターミナルを入ってすぐにチェックインカウンターがあることです。輪行袋に入れた自転車を持って歩いたのは10mくらいでしょうか。電車輪行だと、構内を輪行袋を担いで歩くのが結構大変です。それに比べると調布飛行場は非常に輪行向きです。

荷物は一人5Kgまで持ち込み無料、その後は1kgあたり210円の超過料金がかかります。8時半に保安検査がはじまり、出発10分くらい前に飛行機に乗り込みました。ユニークなのが、飛行機の前で名前を呼ばれて席が指定されることです。19人乗りの小さい飛行機なので、重さのバランスを取る必要があるそうです。

調布飛行場にて 搭乗直前

実は飛行機もあまり得意ではない私、離陸するまでは揺れるのではないかとドキドキでした。でも一旦離陸すると、低空を飛ぶ飛行機からの眺望は抜群。車や電車、新幹線など生ジオラマが眼下に展開していく様子は圧巻でした。「読売ランドだ」「多摩川だ」「ランドマークタワーだ」「江ノ島だ」「三浦半島だ」と思っている間に、海に出て大島に到着。面白いのが、飛行機は時速350Kmくらいで運行しているはずなのですが、(低空とはいっても)地上から距離があるので、ゆっくりに感じたことです。電車で遠くの山を眺めているような感じでした。この経験だけでも行った価値があると思える25分間でした。

お値段的にはジェット船よりも高いのですが、25分と本当に速いので、調布飛行場までのアクセスがよい方にはおすすめです。

到着後は、すぐに自転車を受け取り、空港前のタクシー乗り場へ。こちらもそれほど距離はなく、自転車を持っていてもスムーズに移動できました。ただし、タクシーは電話で呼ぶ必要があったので、タクシー会社の電話番号は控えていった方が安心です。なお、2台の折りたたみ自転車は、少し重なる形になりましたが、無事にセダンタイプのタクシーのトランクに収まりました!

タクシーで観光しつつ、筆島見晴台まで

タクシーにのるときに、「基本的には大島一周道路を裏砂漠経由で波浮港の見晴台まで行ってほしい。そこからサイクリングしたい」と伝えたところ、「波浮港から東側(裏砂漠側)を通って空港に戻るサイクリングコースは、坂がキツイのでやめておいた方がよい」とのアドバイス。元々そのつもりはなかったのですが、知識がない場合もあるので、こうしてアドバイスをもらえるのありがたいです。

3月27日はちょうど椿まつりの最終日で、大島公園では「メーター止めておくから、ちょっと散策してきたら」と勧めてくれました。残念ながら椿は前日の嵐で散り気味でしたが、それでも大層きれいでした。大島公園だけでもゆっくり観光できそうです。

大島といえば椿。当日は、椿まつり最終日でした

その後、裏砂漠の入り口でも少し止まってもらったりしながら波浮へ。筆島の見晴台に到着したところで、「せっかくなら、ここから自転車に乗ったら?」とのご提案。予定より少し早いタイミングでサイクリングスタートです。時間は10時半ごろでした。

筆島見晴台から 右手に見えているのが筆島です

筆島見晴らし台から波浮港まで

この辺りは下り坂中心で快適でした。波浮港見晴らし台からの風景も美しかったです。波浮港は港スレスレを自転車で走れました。鵜飼商店では定番のコロッケを購入。港でいただいたのですが、食べることばかり考えていたため、写真は撮り忘れました。

味がある看板
波浮港見晴台からの風景


手前が私のブロンプトン、奥は連れ合いのBirdy


波浮港から断層切断面まで

小腹を満たしたところで、波浮港から時計回りに元町に向かって漕ぎ出します。この辺りは登り坂が多く、坂に慣れていない私たちにはちょっと大変でした。ただ、登っては少し下るというパターンであることも幸いし、歩くことはなくクリア。大島一周道路は道路はコンディションが非常によく、車も少ないので、サイクリングはしやすいです。ただしアップダウンは「坂が少ない」と言われている西側でもそこそこありました。なお東側は、タクシーに乗った感じでもかなり大変そうでした。

「頑張れ 頑張れ」と自分を励ましていると前方に地層の断面が現れます。有名な断層切断面、通称「バームクーヘン」です。大島一周道路を建設中に発見されたこの切断面、過去1万5千年以上の間に繰り返された噴火の際の灰や軽石が層状になっているそうです。年輪のように重なる断層は、なかなかの迫力でした。ここで観光がてら、一息つきました。

迫力の地層大切断面



地層切断面から元町へ

「これでもう登りは終わりかなあ」という期待も虚しく、バームクーヘンからもしばらく登り坂が続きます。今回の旅で、ここが一番つらかったです。登っても登っても、カーブの先にまた現れる登り坂。それでも、ギアを一番軽くして何とか足をつかずに頑張りました。

でも、ある地点から突然ダウンヒルが始まり、そこから先は快適なこと。ヒューッと降りていく爽快さが、疲れを一気に吹き飛ばします。景色も綺麗なのですが、カーブが多いので眺めていると危険。この後も元町に着くまで、時々登りはあるのですが、それほど大変ではなかったです。頑張った後の下り坂で、思いっきり達成感を味わえました。

元町散策

元町には12時半ごろに到着。ランチには寿し光さんで名物の「ベッコウ丼」をいただきました。お店はとても綺麗で、お店の前にはサイクルラックらしきものもありました。疲れた体を、美味しいお寿司をいただきながら、ゆっくり休めることができて、ありがたかったです。

ゴジラがかわいい寿し光さん


名物ベッコウ丼!


ベッコウ寿しは、白身魚を唐辛子醤油につけてあるためにベッコウ色になっているものです。もともとワサビがないために作られたものだそうですが、寿し光さんのベッコウ丼は辛すぎず、美味しかったです。

元町では、お土産屋さんやスーパーをみたり、港まで行ってみたり。坂があるので大変ではあるのですが、それでも徒歩よりもスピーディに移動できました。元町ではレンタサイクルできるお店もあったので、マイ自転車にこだわりがないなら、手ぶらで行くのもよさそうです。お土産は、地元産にこだわり、椿油とお塩を購入しました。


お塩と椿油 パッケージも素敵。椿油のパッケージは100年前のデザインだそうです

このお塩、料理に入れると明らかに味が変わります。他の土地のお塩と比べたわけではないのですが、個人的にはもっと宣伝されても良いのではないかと思いました。椿油は、ハンドクリーム代わりに使っています。猫が手をなめても安心です。ちなみに、調布飛行場には島しょ部のお土産を購入できる自動販売機が入口付近にあり、椿油とお塩を購入することができます。

なんちゃって「伊豆大島イチ」達成! サンセットバームライン経由で空港へ

14:20ごろ、元町を後にして、初心者用サイクリングコースとしてよく紹介されているサンセットバームラインを経由しながら、空港へと向かいます。サンセットバームラインは、ときどきアップダウンはあるものの、ほとんど平坦で走りやすいです。私たちは車道を走ったのですが、大島一周道路に続き、道路のコンディションもよかったです。

ただ海沿いを走るので、風は強かったです。この日は曇っていて、伊豆半島はかすかに見える程度だったのですが、晴れていれば景色も相当きれいなはずです。今度は富士山が見えるときに是非いきたいです。

途中で右折して、空港のそばにある農作物販売所「ぶらっとハウス」を目指します。道には小さな標識が出ていて、迷わずに曲がれました。空港の下がトンネルになっていて、そこを通過すればすぐにぶらっとハウス、のはずなのですが、トンネルに入ったところ、目の前に飛び込んできたのが、まさかの急坂! トンネルに視界を遮られて遠くまで見えないため、壁がそそり立っているようにしか見えません。「うーむ、これはもう足をついてしまうかも」と心が折れる思いだったのですが、トンネルを抜けると「斜度はきついものの、距離は長くない」ことがわかりました。ここは覚悟を決めて、ギアを落として淡々と登ります。

激坂を登りきるとすぐに「ぶらっとハウス」に到着です。やったー! ここでは、大島牛乳を使ったソフトクリームやシャーベットが食べられます。シャーベットはお店の裏で作られているという地産地消度合いの高さも◎。ソフトクリームは激坂で折れた私達の心に癒やしを与えてくれました。波浮港のコロッケに続き、ここも写真を撮りそこねてしまいました。ぶらっとハウスには、大島牛乳や大島で作られているお野菜もが売られていました。

さて、ぶらっとハウスから空港ターミナルまでは5分くらい。半分タクシーを使った、なんちゃって「伊豆大島イチ」達成です! 時間的にも少し余裕がある感じで、慌てなくてすんでちょうどよかったです。

本格的な輪行旅行は初めてだったのですが、自分の足で自転車を漕いでまわる旅は、大変だったことも含めて、なかなか思い出深いものになりました。次回来るときは、三原山までタクシーで登ってダウンヒルを楽しんだ後で元町をゆっくり観光するとか、調布飛行場から他の島に行ってみるとか、また挑戦したいな、と思いました。

反省点としては、自転車を漕ぐのに精一杯であまり写真を撮れなかったことです(^^;;;  特にコロッケとソフトクリームはあっという間に胃の中に消化されてしまいました。次回は撮影も考慮して計画を立てたいです。

まとめ よかった点と今ひとつだった点

最後に今回の伊豆大島飛行機輪行の良かった点と悪かった点をまとめておきます。
よかった点
・調布飛行場も大島かめりあ空港も、ターミナルビルに入ってすぐがチェックインカウンターなので、自転車を持ち運ぶ時間が短い
・タクシーを活用することにより、走りやすいコースを選んで走行できた(なお、大島のバスは追加料金を払えば輪行袋に入れた自転車をのせられます)
・計画をたてるときに「普通の倍くらい時間がかかる」想定で、逆算して各地点の最終出発時間を調べておいたことで、「最悪この時間にでればよい」という目安になり、安心して過ごせた(間に合わない場合は、タクシーかバスを使う予定)
・大島一周道路もサンセットバームラインも、道路の状態がよく走りやすい
・車が少ないため、安心して走ることができる
・自然の迫力を感じることができる

今ひとつだった点
・飛行機やタクシーを使ったので、費用的には割高(ただ宿泊はしていないので、トータルではトントンかと、、)
・初心者にとっては、坂がきつくない言われる西側も全体的にアップダウンが多く感じる
・海沿いのため、風が強い
・行った日は曇りだったため、伊豆半島など眺望は今ひとつだった
・(自転車旅全体にいえることですが)雨にふられるリスクと隣合わせ
・飛行機のCO2排出量の多さも気になるところ。ジェット船と比較してみたい

おまけ:サイクリング中のコミュニケーション
連れ合いはスピードを出したいタイプ、私は景色を楽しみながらのんびり走りたいタイプなので、普段一緒に出かけるときは「目的地集合」になりがちです。今回は、バームクーヘン、元町の他、道が分岐していそうな場所など、何箇所か集合地を決めておきました。おかげでいい感じで合流しながら一周できました。伝えたいことがある場合は、スマホのメッセージ機能をつかって連絡を取りあうのですが、走行中はチェックできないので、我が家の場合は補助という感じです。

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