見出し画像

軽井沢の自転車

我が家にはまだ三輪車が残っています。
まだ十分に使えそうに綺麗。

祖父母が小さな私のため、あるいは誰かのために買ったのでしょう。はっきりとした記憶はありません。
乗った写真があるので私が使っていたのは確かなのですが…。
その後補助輪がついた自転車を経て普通の自転車に乗るようになりました。

小学生~中学生時代位は私たちが行く時に祖母が貸自転車を頼んでおいてくれたことを、これを書いていて思い出しました。

トラックの荷台に乗せてもってきてくれて、受け取りにもトラックで来てくれていました。
昔は出前や行商、素敵な花売など別荘滞在者のためのサービスが色々手厚かったのだな、と改めて思います。
当時はあまり考えたこともありませんでしたけれど‥。
失われてから気づくものなのかもしれませんね。

2人乗り自転車もいつからか流行り始めて、家族で借りてわいわい言いながら乗った楽しい記憶があります。

今、私が乗っているのは叔父が乗っていたもの。もう60年程たっているようです。今はなくなってしまった国産メーカーの自転車です。時々リペアしていただきながらですが、ギアも動きますし、私の軽井沢での足になっています。ヨガにも時々はアウトレットにも私を運んでくれます。

こうやってみると年季入っているかな。大切な相棒的な存在。


乗ると便利なので鎌倉でも乗ろうかしら、とは思うものの、鎌倉は車も多いですし、自転車にのるようなファッションをあまりしないのでもっぱら軽井沢だけの楽しみになっています。
風を感じ、徒歩よりは遠くへ行かれる自転車は本当に便利。
車も車道以外はあまり多くないので危険も少ないですし‥。

秋の風の薫りと初夏が全く違うことも歩いているより感じられる気がします。

昔、忘れられないことがあります。
弟と近くをうろうろしていた時の事でした。当時はまだ雉を時々見かける頃ではありました。

道を進むと前を行く弟に対して雉が大きく羽根を広げて威嚇してきたのです。その姿に驚いて弟も私も止まりました。
相手が自転車だろうと車であってもきっと同じことをするのでしょう。

子供を守る親の姿に何だかジーンとしてしまったのを覚えています。
ですが、見てみかった小さな雉の子は見えませんでした。
親鳥が威嚇している間に遠くへのがれたのでしょう。

庭がルートになっていて祖父から今年も来ていますよ、と葉書が来たのも懐かしい愛おしい思い出です。

軽井沢の話はセンチメンタルになりがちかもしれません。
思い出が重なり、家族の物語が重なる場所だからなのかも。


ありがとうございます。 欲しかった本やプログラムを購入し、Ballet Collectionの充実に励みたいと思います!