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レッスン料の半分は自分がコミットする時間に払っている

 私はオンライン日本語教師をしながら、同時に生徒としてもオンラインで語学を勉強しています。その時私が心がけていることは、最低でもレッスン時間の倍の時間を自主学習にあてることです。前回のレッスンノートや講師のフィードバックを読み返したり、テキストを予習したり、作文を書いて講師に送ったりします。そして、そのような自主学習の時間を得るためにレッスン料を払っていると考えるようにしています。物価高の折、安くはないレッスン料を払って学んでいるのですから、成果には固執します。そのおかげでレッスン料以上の成果を出していると思っています。
 ベトナム語は週1回のオンラインレッスンだけで学習していますが、現在までに28回レッスンを受けて、ベトナム語検定の一番低い級に手が届きそうなところまで来ました。レッスン時間自体は25分ぐらいの短いレッスンを受けていますが、レッスン前に1時間ぐらい学習時間を確保することで少しずつ成果が出ていると感じています。
 レッスン時間の倍の時間は自主学習をするという考え方は大学設置基準でも採用されています。大学での1単位は45時間の学修を必要とするとされているのですが、授業時間だけでは45時間にならないので、授業時間と同じぐらいの時間を事前・事後学修にあてることになっています。つまり、大学に払っている授業料の半分は自分で学習する時間に払っているようなものなのです。私は大学教員として学生たちを指導する際、授業時間の倍ぐらい自分で考える時間を作るように勧めています。講義を聴くだけではすぐに忘れてしまって、単位数と卒業証書しか残りません。大学時代に自分の興味のあることについてじっくり考えて、取り組む時間をとれば払った学費以上の成果が返ってきます。偉そうに言っている私自身も大学学部4年間は親が払ってくれた学費を十分に活かせなかったと反省しています。自分で働いたお金で進学した大学院では、学費以上の成果に固執して必死に努力しました。自分ができなかったのに学生たちに偉そうに言う資格はないのですが、私自身が大学を卒業してから後悔した経験があるので、どうしても学生たちには学費を無駄にしてほしくないと思っています。さらには私が大学生だった時より今はもっと厳しい時代なので、無駄にできるお金も時間も彼らにはないと思います。
 レッスン時間の倍の自習時間という原則で、オンラインレッスンに臨めば、必ず成果につながると信じています。オンライン語学レッスンを通して、語学力だけでなく、新しい気付きをもらったり、考えるきっかけをもらったり、新しい行動につなげてもらったりしました。ベトナム語の学習をきっかけにベトナムの少数民族について学んだり、そこから日本の移民政策や難民問題にも興味を持つようになりました。文法や発音の勉強という形の自習だけでなく、レッスンで講師から聞いた話について何度も思い返すのも効果的です。そうしているうちに気が付くと、行動が変わっていたり、考え方が変わっていたり、理解できなかったことが理解できるようになっていました。
 現在はオンラインで様々なことが学べる環境が整っています。あなたがもしレッスン料を払って何かを学んでいるなら、自分自身がコミットする時間もレッスン料に含まれていると意識してみてください。

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