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「わたしの話」を聴いてもらっていますか?

聴くことは、学ぶこと。
聴くことは、体験すること。


私は、30年以上、人の話を聴く仕事をしてきました。
私にとって、人の話を聴くことは、人生の物語からの学びであり、自分では経験し得ない、小説より奇なりの物語の追体験であると感じている。

半年間、「LISTEN」ケイト・マーフィ(Kate Murphy)著、篠田真貴子監訳、松丸さとみ訳(2021年8月9日初版)の読書会に参加しました。

毎月1回(全6回)、参加者全員が、同時に同じ範囲を読んで、感じたこと、考えたこと、印象に残った言葉などをシェアし合うことで、新しい視点を得たり、内容の理解を深めたりする、充実した時間でした。

私は、この本を通して
「人の話を聴くとは、どういうことなのか」
「果たして私は、ちゃんと、人の話を聴けているのか」
あらためて、問い続けられてきたように思います。

誰の話を、どんな立場で聞くのか、
によって聴き方は、変わってくるでしょう。

でも。
どんな時も、相手に対するリスペクトが土台にあり、
相手の言葉にならない言葉(非言語的コミュニケーション)を汲み取りながら、相手の存在そのものに興味を持って耳を傾ける。

自分の中にある数々の思い込みを脇に置いて、
きっとこうなんだろうという勝手な推測をやめて、共有する時間を一緒に旅するように楽しむ。

これまで過ごしてきた環境や立場が違っても、
人の話を聴く上で大切にすべき共通項は、あるのです。


自分の話をじっくり聞いてもらえる機会は、そう多くない

私たちの日常に、情報は洪水のように溢れていても、
残念ながら、自分の話をじっくり聞いてもらえる機会は、そう多くないように思います。

コミュニケ―ションは、どちらかが一方的に話すでも、聴くでもないはずなのに、なぜ、私たちは「聴いてもらえた」と感じにくいのでしょうか。

本の一説にその答えがあるように感じました。

「コミュニケーションが最高にうまい人は、これまでの人生で人の話をしっかりと聴いてきた人であり、今、コミュニケーションをしようとしている場所でもしっかりと耳を傾けているでしょう」と書かれています

ここで言う、「人の話をしっかり聴いてきた人」とは、ただただ、相手の話を遮らず傾聴してきたという意味ではないようです。

どういことか。

コミュニケーションが最高にうまい人とは、
自分が話しているときも、聞き手の言葉にならないサイン(目元、口元の動き、腕組みや足組み、目線など)を観察して、自分が発した言葉がどう受け取られているのか、常に気を配っている人。
言葉にならないサインをいち早く察知して、相手の反応にチューニングできる人。

聞き手も話し手も、自然に役割を交代しながら、お互いに相手の表現された言葉と言葉にならない言葉に耳を傾けて会話できた時、人は、「聴いてもらえた」感覚が得られるのではないかと、私は考えます。

でも、これって、なかなか、難しい。

何が難しいかというと、
私たちはつい、相手の話を聴きながらも、自分はなんて返そうかとか、相手の話が迷走しようものなら、で、結局何が言いたいんだろう?とか、勝手に脳内が、相手の話から離れてしまうのを、なかなか、止められないからです。

そうなると、相手の言葉にならないサインを見落としてしまいます。
結局、的を射ない返答をしてしまったり、相手の話とはあまり関係ない自分の話を、さも普遍的であるかのように、とうとうと語ってしまったりするのです。

結果として、相手の心を閉ざさせて、気がつけば、何となく居心地の悪い淀んだ空気が残ることにとなってしまうのです。

ちょっと、私ばかり話過ぎてしまったのではないかと反省する時は、おそらく、相手を見失い、どこかに置き去りにして、自分だけの世界を歩いてしまった時なのだろうと思います。


人の話を聴くことを仕事にしていても、まだまだ、いたらないことばかりです。

人の話を聴くことは奥深く、どんなに手探りして求めても、聴ききることはできない世界のように感じます。


だからこそ、人の話を聴くことは、人生をより豊かにするのだと思うのです。

話すほどに親密度が増して、あなたも私も同じ人間なんだと思える。
話終わった後で、あぁ、この人と話せてよかったと、
お腹のあたりから温かくなってくるような、満足感でいっぱいになる対話ができる人でありたい。

そう思ってこれからも、人の話を聴き続けていきます。


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