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福山哲郎議員(立憲)質疑 2024年5月9日参議院法務委員会

福山議員
おはようございます。立憲民主党の福山哲郎です。本日は、佐々木委員長はじめ理事の先生方、法務委員会の先生方にご理解をいただき、 また、自民党、与党の国体にもご了解をいただいて質疑をさせていただきますことに心から感謝申し上げる次第でございます。おそらく10数年ぶりの法務委員会での質疑でございますので、よろしくお願い申し上げます。
もちろん、私は今日、参議院議員として質問させていただきますが、この共同親権の法律に対しては当事者としても質問させていただきたいと考えていますので、法務大臣、またそれぞれの閣僚の皆さん、よろしくお願いしたいと思います。
身内の恥をさらすようですが、最も幼い時の私の記憶は、父の母への暴力を止めている自分の姿です。
何度も母の背中に背負われ、逃げました。当時はDV防止法もありません。配偶者暴力相談支援センターもシェルターもなかった時代です。
逃げるたびに父は母の実家で土下座をし、もう絶対に手を出さない、酒も飲まないと約束し、何度も何度も嘘をつき続けました。
逃げていた数日間がどれほど心穏やかだったかわかりません。また、10数度の入退院を繰り返しましたが、その度に 医者や看護師さんに「良いお父さんじゃない。もうお酒も飲まないし、酒を飲みたくて飲んでるわけでもないし、暴力をふるいたくて振ってるわけではないと言っておられますよ。大丈夫だと思いますよ」と言われ、そんなことは信じられない。あなたがたは騙されていると子ども心に思ったものでした。
治療を受け、酒の抜けた父は病院帰りに酒を買い、数日のうちには「よくも俺をアル中扱いしたな」といつものように暴れ出しました。
ちゃぶ台返しは日常茶飯事でした。
割れた茶碗やコップ、散らばった料理の残骸を片付けながら、いかに母と情けない、惨めな思いをしたか、今思い出してもぞっとします。
行きつく先は商売を失敗し、債権者が逃れるために父は行方不明になりました。母と私と小学校1年の弟は、生活のため住み込みで働くことになりまして、なんと父とは思いがけなく別居状態になりました。
金もなく貧乏で将来も不安でしたけど、あの父から離れて生きることがこんなにも心穏やかで前向きになれるんだと、母と話し合っていたことを思い出します。中退した高校の先生にだけはどこにいるかを伝えていましたが、父は必ず高校の先生に私たちの居場所を問い合わせる。そう思い、先生には行き先を伝えないでほしいとお願いをしていました。
父は何度か高校に問い合わせに来たようですが、いよいよ先生に対して脅し文句で父親に教えなければ学校を訴えるとの発言をしだし、 先生からSOSの電話が入りました。母はこれ以上迷惑はかけられないと、先生に「私たちの居場所を伝えていただいて結構です」と涙ながらに電話で話していたことが思い出されます。その時から、いつ父が私たちのところに来るのだろうか、またあの地獄のような日々が始まるのかと暗澹たる気持ちになったことを覚えています。 案の定、少し経ってから父は私たちのところに来て、何もなかったかのようにまた酒を飲み、暴れる毎日でした。
父はインテリで外面が良くて、周囲はそんな父の姿を想像できなかったと思います。
今回の共同親権の審議に際して、多くのDV被害者、当事者の方、そして弁護士、支援者の声を聞きました。
その声が本当に法務省に届いてるんだろうか、与党にも届いてるだろうか、そして法制審議会は適切に運営されたんだろうか、そういう、申し訳ありませんが、疑問が湧いてきました。法務大臣、例えば今回の民法改正で、せっかく離婚が成立して子どもと再出発をしているDV被害者の皆さんが、親権変更の申し立てを受けるかもしれない、また、加害者と向き合わなければならない、裁判の行方も分からないお金もかかる、 そして、もし共同親権が認められたらと不安に思ってる皆さんの気持ちは、法務大臣、ご理解いただけますでしょうか。私は少しは理解するつもりです。
私は、法務省の 官僚の皆さんに説明に来られた時、こう申し上げました。
親権の変更の申し立てがあることを考えただけで、本当に先ほどの私が申し上げた気持ちではありませんが、暗澹たる思いで不安になってる人たちがたくさんいます。そういう法律の審議だと、じゃあ、この親権変更の申し立てを簡単にできない、そう簡単ではないみたいなことがあればいいけど、この審議の中で、衆参で、他も含めて色々不明なタグが多すぎる。ぜひ慎重審議をしていただきたいし、修正できる点は修正していただきたいし、与党にもそのことをぜひご理解いただいて審議に当たっていただきたいと、まずは私から申し上げたいと思います。まず、法務大臣、よろしくお願いします。

小泉法務大臣
ありがとうございます。先生ご自身の苦しいご体験を語っていただきました。本当に迫ってくるものがあります。大変貴重なお話であり、まっすぐに受け止めたいと改めて思いました。そしてまた、全国に、先生が今代弁されたような不安を持っていらっしゃる、また苦しみを抱えていらっしゃる方々が大勢いらっしゃるということもおっしゃる通りであります。それも改めて、我々、法改正に携わるもの、我々もその一員として心にそれを重く置いて取り組まなければならない課題である、そのように改めて認識をさせていただきました。
このDVという大きな問題について、そこから家庭を、子どもを、そして多くの場合母親を守っていくということを徹底して進める中で、しかし、全体としてはこの両親が、つまり家族というものがですね、 親子関係とそして夫婦関係で成り立っているわけですが、夫婦関係が破綻したら自動的に、親子の縁が自動的に切れてしまうということもやはり問題があるというふうに考えておりまして、その両方を立てられる道筋を探してきているわけでございます。そのこともご理解をいただきたいと思います。

福山議員
いやいや、離婚しても、仲のいい単独親権であっても、ちゃんと片方の別居親が協力をしながらやってる父と母もたくさんいらっしゃいます。全てが全て切れてるわけではありません。その切れてるのには切れてる理由があるから問題だと私は申し上げています。
法務省にお伺いします。これまでの法制審議会家族法制に関する部会で、全会一致でない議決が含まれている要綱案を策定、提出したことはありましたか。

法務省民事局長
直近では、民事訴訟法のIT化の答申についての決議が全会一致ではございませんでした。

福山議員
家族法制に関する部会でと聞いてるはずです。

法務省民事局長
家族法制に関する部会ではありません。

福山議員
国民生活に民法というのは本当に関わるんです。だから、民法改正は法制審議会で何回も議論してやるわけです。 今回、多数決で決めました。初めてのことです。私は非常に遺憾に思います。
加えて、パブリックコメントで当事者の声が多数切り捨てられました。審議会には当事者が委員としては参加できませんでした
この数日間、環境省が水俣病の皆さんへのマイクを切ったということが大問題になってますが、私はある意味で言うと、 今回パブリックコメントで当事者の意見、 審議会にも委員が、当事者が入ってなかったことも含めて、そして初めて民法の改正の審議会の中で全会一致ではない状況を作ったということは、ある意味、環境省が水俣病の方のマイクを切ったのともっと大きな意味で今回同じようなことをしたんじゃないかというふうに思います。
当事者の方はそういう思いでこの法案の審議を見てるということをぜひわかっていただきたいと思います。法務大臣、何かありますか。

小泉法務大臣
だからこそ、その反対された方々の考え方、思いを最大限にこの法案に取り入れていく、それが重要なことだと思います。
衆議院での修正も、そういう趣旨に基づいて行われているというふうに認識しております。

福山議員
これまで日本は、協力関係のない父母が共同決定を行うのには無理があるという、これは大臣も委員会でも認めておられますが、発言されていますが、 極めて現実的な考え方に立脚して、離婚後に父母が共同で親権行使するのは無理だとしてきました。その結果、同居親が基本的には女性が8割方ですが、9割かな、単独親権・監護権、同居親の氏を選択という法律の運用がされてきました。
しかしながら、今回、 まさに親権に関して天地をひっくり返したような大きな改正をしようとしています。
高葛藤の父母に関して、その子の利益のため、互いに人格を尊重し、協力しなければならないとして共同親権を指定することが、本人同士の同意がなくても、裁判所が指定してるということにな、指定するということになっています。
いいですか。離婚しようとしてるんですよ。裁判にまでいってるんですよ。それが、一応いろいろ審議でも出てますが、互いに人格を尊重し協力しなければならない、そのことがわかって協力し合えるんだったら、離婚で裁判まで行かないでしょう。
もうそもそもこの前提が私は間違ってると思ってますよ。なんでこういう天地をひっくり返したことを急にやるのか。どうぞ法務大臣、何かあれば。

小泉法務大臣
まず、共同親権に至るステップの中で、虐待のおそれあるいはDVのおそれがある場合には、これは単独親権にしなければならない。 決して共同親権にはならないわけであります。
そしてまた、父母の間の協力義務はございますが、尊重義務はございますが、現実にはそうはなっていない。なかなかコミュニケーションも取れない。子どもの重要事項について話し合ううよすががない、そういうご夫婦についても、これは共同親権の共同行使が困難であるという形になりまして、これも排除されます。共同親権になることはありません。
そして、恐らくこれは施行以降の話でありますけども、合意ができないということは、大きなこの共同親権の共同行使の障害になりうる、そういう判断は当然結果的には出てくるとも私は思います。したがって、多くの場合は共同親権ではなくて単独親権の道を行くという形になりますが、しかし、1度子どもの幸せというものをここに置いてみて、父母の間に置いてみて、裁判官が立ち会い調停をする、もう一度考えてもらう。もう一度合意ができないかどうか話し合ってもらう。高葛藤を下げられないか、それを努力をしていただく。そのステップとして、最初から共同親権という道が閉ざされていれば、これはもう一本道になってしまいます。
その高葛藤を下げるまでもなく一本道、もう結論出てしまいます。その過程をですね、ぜひ認めていただきたい。それが我々の思いでございます。

福山議員
そこの裁判に出ていくこと自身がどれほどの不安と不信なのかということについてもご理解いただきたいと思います。
じゃあ、逆に言うと、 合意ができたものだけでもいいじゃないですか、共同親権は。私は、共同親権で仲良くやるんだったらいいと思いますよ。 だけど、なんで裁判所は指定をしなければいけないのか。お互いがNOだと言ってるのに、どちらかがNOだと言ってるのに、そこのところがみんな不信なんです。
今、法務大臣がほとんどが単独親権になると言っていただいたので少しは安心するかもしれないけど、 そこのところについてはまだ疑義があるので、審議の中では深めていただきたいと思います。
それから、DVやそういった事例の時には必ず単独親権にすると今も大臣言われました。そのことは非常に大事なことだと思いますが、その「必ず」はどうやって担保するんですか。例えば、暴力センターからの資料とか支援措置があったとか、そういったものは十分考慮の材料にはなるというふうに思っていいんでしょうか。

小泉法務大臣
そういった事情は当然考慮の対象になります。

福山議員
これもですね、2000年代の前半から、面会交流原則の中で、DV事案があろうが何があろうが、面会交流しなさいというのは家裁ではすごくあって、本当に当事者は、この家裁の調停員や裁判官に対する不信感が募ったんです。今回も裁判官が皆この議事録を読むとは思いません。
その時に、条文には共同親権が原則のように書かれている。まあ法務大臣は原則ではないと何度も言っていただいてるので、それは信じますけれども、 ですけれども、本当にどういう運用されるのか。
最高裁判所の方に聞きますけど、裁判所は必ずDV等の状況があれば単独親権にすると、必ずという言葉が入っていますが、このことについてはどうやって担保するつもりですか。

最高裁判所事務総局家庭局長
まず、前半の現状の面会交流の話も色々ご批判があると認識しておりまして、これについては真摯に受け止める必要があるというふうに考えております。面会交流同様、引き続き法施行なった場合におきましては、 各家庭裁判所におきまして、同居親・別居親、いずれの立場にも偏ることなく、子どもや当事者の安全・安心といった観点について最優先に考慮して、公平中立の立場で適切な審理運営に努めていくべきものと考えておりまして、事務当局としても、一層適切な審理運営がされるよう、調停委員や家裁調査官の専門性向上に資する研修の実施など含め、適切な支援を行ってまいりたいと考えております。

福山議員
それしか答弁できないのかもしれないけど、そう言って誰でも言えるような答弁してるから皆不安に陥るんですよ。
そしたらね、見事にこの間、5月3日ですよ、 最高裁の戸倉長官はですね、共同親権の今の法案についてですね、「家裁による親権者の判断が規定されていることについて、表面的なことだけではなく、背後にあることをどこまで見られるかはかなり難しい課題だ」とおっしゃってるんですよ。 最高裁長官、無茶苦茶正直に言ってるんですよ。
法文上、必ず何かがあった場合に、DVのおそれ等があった場合には単独親権だと、必ずと書いてある、必ず。どうやって担保するんだと言ったら今の事務方の答弁ですよ。
でも、最高裁長官がですよ、難しい判断だ、課題だと。 調停委員も調査官も裁判官も皆忙しいですよ。本当に1件1件の審理にどれほどコミットしてくれるんですか。
さっき、面会交流の批判については真摯に受け止める、だけど数が多い、その時に本当にどの程度真摯に向き合って調べられるのか。
先ほど支援措置の問題等も重く受け止めると大臣言っていただきましたけれども、支援措置があるということは、行政や支援者、相談センターが皆この子たちは危ない、しかし、支援措置と保護命令は全然数が違うんですよ。
そういう状況の中で必ず単独親権にすると。
どうやって法務大臣、これ担保するんですか。

小泉法務大臣
法務省としましては、まずこの立法趣旨、そして国会におけるこうしたご議論を何としても、裁判所と共有をしなければならないというふうに思っております。これを理解していただく、そしてそれを執行に移していただく、そのための努力を、しっかりと最大限の努力をしていかなければならない思っております。

福山議員
それ、本当に口だけではなく、答弁だけではなく、法案が通ったらそれでいいんだ、じゃないんです。本当に命かかってますから。
もう1個大きな問題があるんです。今の不安の中で。
2001年にDV防止法が議員立法で制定されて、20年運用しています。本当に地域の中のセンターや相談員や自治体、頑張ってくれています。
DV防止の制度設計は、とにかく命や体の危険の防止、安全を守ることで保護命令制度を作って、一時保護制度を作っています。
わかりやすく言うと、逃げることを大前提としています。つまり、婚姻中ですから共同親権中です。
それで、子どもの居所について逃げるということは移動します。これ、今までは逃げることは違法じゃないんです。子連れ別居は違法とは評価されないんです。
しかし、今回改めてこの急迫の要件が入ったことによって、本当にこれで自分たちの子連れ別居を逃げることが違法だと言われないのか、ちゃんと正当化を今まで通りしてもらえるのか。これは、自治体も相談センターも支援者も弁護士も、皆このことの運用について不安に思っています。 ここは一切変わらないということを明言していただけませんか。

法務省民事局長
本改正案におきましては、委員ご指摘の通り、父母双方が親権者である場合には、親権を父母が共同して行うこととした上で、子の利益のため、急迫の事情があるときは親権を単独で行使することができることとしております。
そして、子の利益のため急迫の事情があるときとは、父母の協議や家庭裁判所の手続きを経ていては適時に親権を行使することができず、その結果として子の利益を害するおそれがあるような場合を指しております。
さらに、この急迫の事情に該当する場合としては、DVや虐待からの避難が必要であるような場合があると考えておりますので、DVからの避難には支障がないと考えております。

福山議員
DVだけじゃないですよ。いろんな課題あるんですよ。全く運用変わらないでいいですね。もう1回。急迫の内容なんて聞いてないよ。

法務省民事局長
各行政、各省庁が取られている措置が、この改正によってどのような影響を受けるかということにつきましては、一時的には各府省庁の解釈と運用によるものかと思いますが、基本的には今の現行法での運用と変わらないと考えております。

福山議員
各省庁の解釈とか、悪いけど裁判所の判断だとか、全然調整できてないじゃないか。
法務省なんだ、法律作ったらあとは各省庁に判断任せるのか。そんな無責任な答弁してるから皆不安になるんじゃないですか。 法務大臣、どうぞ。

小泉法務大臣
子どもを連れて居所を変える、DVの被害から逃げる、それはDVのおそれが正にあるから、現実にあるからそういう行動が起こるわけでありまして、その場合には、これはもうDVがあるおそれがあるというふうにこの法体系の中では認定されます。
したがって、そういうことも踏まえながら申し上げれば、今の取り扱いが変わることはありません。

福山議員
もう一点、これ「おそれ」なんですね。「DVのおそれ」なんです、書いてあるのは、答弁も。おそれっていうのは未来に対してなんです。DVがあったかどうかじゃないんです。だから、僕はさっきセンターとか、支援措置があったかどうかというのが大事かということを聞いたんです。
私がさっきなぜ自分のこと言ったかというと、おそれっていうのは先のことだから、さっき言ったように、お医者さんも看護師さんも、「お父さんしないって言ってるから大丈夫よ」って言って退院させるんです。
面会交流もそうなんです。「大丈夫でしょう」と、「1回か2回しかなかったんじゃないんですか」と言って面会交流に行くんです。行かさせられるんです。
つまり、今回おそれっていう言葉があることが実は非常に重要で、嫌な形で重要なんです。おそれっていうのは先の話だから。でも、過去においてDVなり支援措置なりがあったことというのは、当然考慮に入る、それは大きな要素だということでいいですね、大臣。

小泉法務大臣
過去にそういうことがあるからこそ将来へのおそれも生じてくるという、それは表裏一体だと思います。したがって、先ほどの答弁の通りでございます。

福山議員
僕は、大臣は議事録全部読んでますけど、大臣は非常に真摯に答えていただいてると思います。
あとは、申し訳ないけど、法務省しっかりやること、 そこはお願いしたいと思います。ちょっと具体的に、時間がないので行きます。
衆議院でもこの参議院でも福島先生、衆議院で枝野先生が議題になりましたパスポートです。
現状では、共同親権になって法定代理人を書くところは1人分なので、 共同親権が指定されて、離婚した後、共同親権の別居親がそのパスポートの発行をダメだと言って、外務省に確認しました。不同意書というのを出したら
パスポート出せないということになっている。外務省、これでいいですね。

外務省大臣官房参事官
未成年者の旅券発給申請については、現状においては、委員ご指摘の通り、親権者である両親のいずれか一方の法定代理人署名欄への署名を持って、両親のご同意を代表するものとみなして申請書を受け付けております。
ただし、署名を行っていないもう一方の親権者が、あらかじめこの旅券申請に対する不同意の意思表示を提示している場合がございます。 この場合は、同親権者に改めて同意の意思を確認し、もし同意が得られる場合には旅券を発給するということにしております。

福山議員
今は現状は単独親権で、同居親が法定代理人として申請すれば事が足りるんです。
これ、枝野さんも言われてましたけども、修学旅行なんて、今小学校でも中学校でも海外行きます。 でも、これ急迫でもないんです。なぜなら、修学旅行っていうのは全部お金積み立ててるから、1年とか2年積み立ててる。だから急迫でもないんです。
そうすると、法定代理人である親権者の別居親が不同意だと、俺は海外行かすのけしからんと言ったら、パスポート、これ出ないんです。
法務省、それでいいんですよね。それは確定ですよね。

法務省民事局長
まず修学旅行についてですが、修学旅行は学校行事の延長というふうに考えられますので、 通常は監護および教育に関する日常の行為というふうに考えられて、そこの点では単独行使が可能だという いうふうに思われます。
パスポートにつきましては、そこは外務省の扱いによるかと思いますので、法律の施行までの間に外務省としっかり協議をしてまいりたいと考えております。

福山議員
ごまかしちゃダメだよ。国内の修学旅行は行けるよ。パスポート取って海外行こうと思ったら行けないんだよ、それは。何ごまかしてんだよ。
そういうごまかしの答弁するから、信頼感がなくなるんじゃないか。
外務省、 今回の共同親権の法案が通って、外務省はこのパスポートの申請について、運用変えますか、変えられませんか。

外務省大臣官房参事官
旅券法に基づく旅券の発給申請ということになりますけれども、これは公法上の行為であり、今回の民法の改正案によっても未成年者の申請について現在の不同意書取り付けに基づく審議をするという手続きは、基本的に変更する必要はないというふうに考えております。

福山議員
外務省に任している。そうすると、不同意書が出てる限りは、この子はパスポート取れないんです。っていうことは、海外の留学も行けないんです、修学旅行だけではありません。
で、まさに今法務省の方言われたように、修学旅行っていうのは日常の教育の行為です。それでも行けなくなります。これ確定です。これがどこに子の利益なのかが全くわからない。これ確定でいいですね、法務大臣。

小泉法務大臣
これ、衆議院で修正をしていただきました条項の中に、明示的にはこの旅券法という言葉は出てきませんけども、社会保障制度、税、その様々な支援措置ですね、あるいは関係法令に影響がある問題については、施行までの間にしっかりと関係省庁が連携して対応を取ることということが明記されておりますので、その修正法案のその条項に従って外務省とも協議をし、十分検討したいと思います。

福山議員
いや、外務省変えないと言ってるので、それは無理です。
じゃあ逆に言うと、外務省と整えて修学旅行におけるパスポートはOKだというまでこの法案採決しちゃダメですよ、それは。 そういう話になりますよ。外務省変えないって言ってるんだから。それを事前に調整してない法務省の責任ですからね。次に行きます。
高葛藤で裁判所が共同親権を決定した場合、子どもの氏の選択はどうなりますか。今は単独親権、監護権があって同居親が決まりますので、その時に即日氏は変更可能になります。ですから同居親と子どもの姓は一緒の形で行きますが、 高葛藤の状況で裁判所が共同親権を決定した場合、子どもの氏の変更はどうなりますか。

小泉法務大臣
本改正案では、子の氏の変更について父母の意見が対立した時、これ両方とも父母の双方が親権者であり、結果、父母の双方が法定代理人であるという状況のもとでのことでございますが、父母の意見が対立した時は、当該事項に関する親権行使者の指定の裁判を離婚訴訟の附帯処分として申し立てることができ、そのような申し立てがあった場合には離婚判決において親権行使者が定められることになります。
その際には裁判所において個別具体的な事情を踏まえて判断されますが、一般論として申し上げれば、親と共同生活を営む子の社会生活上の必要性等が考慮され、加えて必要に応じ、家庭裁判所調査官を利用して、子の年齢及び発達の程度に応じて子の意見、意向等が把握され、考慮されるものと考えられます。
そうすると、審理が長引くのではないかというご指摘があろうかと思いますが、これは離婚訴訟の資料と特定親権行使者の指定の判断の資料は似通ったものが多くございまして、附帯処分の申し立てによって審理が長期化するものではないと考えております。

福山議員
今回、附帯処分の中に親権行使者を追加をして人事訴訟法を変えられました。ですから、今の法務大臣の答弁の通りだと思いますが、 例えば共同親権者は両方で戸籍筆頭者は当然日本の場合9割が男性の氏名、男性の氏ですので、例えば両方共同親権があって、男側が戸籍筆頭者、そして女性側が戸籍筆頭者でないと。その時に、女性側は当然同居親として氏を変えてくれと言う。いやいや、共同親権なんだからうちの戸籍からは抜かないよと男性が言う。お互いぶつかる。
この場合に、親権行使者は裁判所が決定するんですけど、 どうやって決定するんですか。

法務省民事局長
裁判所の考慮要素ということでお尋ねかというふうに思われますが、 一般論として申し上げますと、親と共同生活を営む子の社会生活上の必要性というのが問題になってまいりますし、もしくは必要に応じて、お子さんの年齢、発達の程度に応じまして、お子さんの意見や意向等も把握されて考慮されるものと考えられます。

福山議員
つまり、親権行使者の決定から裁判、争われることがあるということですよね。

法務省民事局長
子の氏に関しまして、親権者同士の意見が一致しないということであれば、親権行使者の指定の審判の申し立てをしていただくか、もしくは離婚訴訟において、先ほど大臣ご答弁なされた通り、附帯処分として親権行使者の申し立てをしていただくいうことになろうかと思います。

福山議員
でしょ、親権行使者の申し立てするんでしょ。
例えば、意に反した人が親権行使者になったとします。そしたら、その親権行使者は、当然男性だった場合には戸籍から抜かないと、女性はそれが納得できないとなれば、その判断に対して審判もう1回しなきゃいけないんですよね。審判を求めなきゃいけないですよね。

法務省民事局長
家庭裁判所一審ということで審判がなされたという前提であれば、その審判に対して抗告をするというような手段で争うことができると考えます。

福山議員
つまりこの場合は、父母の氏の選択が、別の場合には延々と争いが続くんですよ。今はそんなことないんですよ。これ、どこが子の利益なんですか。
これ、なんで子どもを真ん中に置いて、両方が氏名を選択し合うのを子どもに見せるんですか。
それ、今、子どもの意見聞くって言いましたね、子どもの意見聞いたら、それそのまま通るんですか。どうすんですか、これ。氏、だって学校生活やらなきゃ、入んなきゃいけない、戻らなきゃいけない。これ、延々と審判が続くんじゃないんですか。

法務省民事局長
まず、親権行使者の指定の審判の中で、先ほども申し上げました通り、その親と共同生活を営んでいらっしゃるお子さんの社会生活上の必要性というのがかなり重要な要素になってくるのではないかというふうに考えます。
お子さんの年齢と発達の程度に応じてお子さんの意見も考慮されるということですので、永遠に争われることにはならないのかなというふうに思いますし、一般論として申し上げますと、父母の一方から父母相互の人格尊重義務に反するような主張がなされた場合には、親権喪失ですとか親権停止の審判等において、その違反の内容も考慮され得るのではないかと考えております。

福山議員
その人格尊重義務に違反するようなんだったら、裁判所が共同親権指定しなきゃいいじゃないですか、最初から。
つまり、高葛藤な父母に裁判所が共同親権を指定すること自身が、私は制度設計として間違ってると思いますよ。
私たちは、実は衆議院で若干の修正をしていただきましたけれども、それは
与党も他の野党も理解をいただきましたけど、もう少し本質的な修正しなきゃいけないと思います。
これ、監護者を決めてたら、多分氏の選択しやすいと思います。監護者になればいいわけだから。さっき局長が言ったことと同様の趣旨ですか、監護者が決まればもっとはっきりします。
それから、父母の相互の合意がない共同親権を裁判所が認めることは、基本的にはやめた方がいいと思います。 なぜ、お互いが合意しなくて高葛藤なのに裁判所が上から共同親権ですと決めるのか、これ全くわかりません。
先ほどの法務大臣の趣旨から言うと、 それは、お互いが話し合って共同親権なんて決まるところはいいけれども、なんで高葛藤なところでそういったことをするのか、それが尊重義務だとかがあるからだって、それはちょっとお花畑の議論にしすぎです。そんなうまくいくものではありません。
それから、意見聴取も子どもの人格尊重があると言いますが、人格尊重は人格を尊重する側の主観ですから、逆に言うと、父も母もお互い子どものことを尊重してるから言ってるんだというに決まってます。なぜ子どもの声を直接聞こうとしないのか。これ、私は重要な修正項目になると思います。
私は共同親権全部を否定するわけじゃありません。お互いが高葛藤でなくて協力し合えるんだったら共同親権でもいいと思いますが、高葛藤なほど、実は子どもの利益を害する。
先ほどのパスポートのように拒否権と言われてる方もいらっしゃいますが、私は片方が、ある意味で言うと邪魔をしたり、嫌がらせをする道具を与えることになると思います。こんなことして本当に子どもの利益になるのかと思います。
実は私、もっといっぱい聞きたいこと今日あるんです。先ほど大臣に言われたところで言えば、父と母が協力をすることに対してある程度評価をするというような話がありましたが、私は2人親が揃って協力をして子どもを育てられればいいと思うけれども、それが 自明、それが全てうまくいくとは思えない。それが全てうまくいくわけではないと思います。
今、ひとり親で育ててる人たちが120万人います。その人たちも頑張って子育てをしてる。2人で決めることがすべて善だというのは自明ではありません。 この法律はそういうことを前提に答弁の中で何度も出てるけど、そのことに対しても私は非常に違和感があります。
1人で今育ててるたくさんの皆さん、それから日本が戦後70年間単独親権でやってきたことの成果の中で、立派に子育てしてる人たちもたくさんいるはずです。そのことを劣位に置くような答弁は、やっぱりちょっと私は看過できないと思います。
この審議、本当にたくさんのまだ疑問点とか明らかにしなければいけない点があります。先ほど局長が少し言われた急迫の問題もそうです。時間の概念なのか事象の概念なのか、これも正直言って明らかになりません。
こういったこともはっきりしていただかないと、先ほどから申し上げているように、DVやそういった事象の人たちは皆不安でいます。どうかそういう人たちが不安が解消できるような国会の審議にしていただきたいと思いますし、無理やり審議を打ち切って採決をするとか、無理やりやるようなものではありません。
もっと言えば、これはちょっと野党的に嫌味を言うと、支持率が20%か25%の内閣が無理やりやるような法案ではないと僕は思います。民法の改正っていうのは、本当に与野党ともにある意味了解の上で、そして当事者が、皆が安心できる状況にしないと、この戦後の大改正の、この家族のもとが変わるような、天地ひっくり返したような改正については、慎重にお願いしたいと、法務委員会の先生方、委員長にお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。今日はありがとうございました。


以上
誤字脱字がありましたらすみません。

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