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無償の善意

いつの間にか、金銭が発生することでその仕事を全うしたという感覚になった。その仕事を行なっている最中に、喜びや達成感があるのではなく、数字を目に焼き付けてから、ようやく達成感を獲得できる人間と成り果てた。自己学習も、身を切った書籍購入も、無我夢中で好きだからできていたあの頃は、薄給や残業も楽しんでいた。人間に裏切られたと感じた今となってはどうでもいい。今でも、娯楽ではない仕事関連の書籍を購入をしているが、それは自分が真っ当な人間なんだと証明してくれる代替品であり、自分に真っ当なんだと言い聞かせるために安定剤として利用している。決して純粋な心ばかりで手にとっているわけではない、それが妥当な行動で、適切なんだと言い聞かせるように。

昔は意識高い系だと揶揄されるような人間だった、自分でもそう思う、無駄ではなかったが、仕事自体に真っ当できなくなった今は虚無となった。

寂しい人だと自分にたんをきる。インターネットバンキングの入金確認をしてから、ようやく善意を評価された気持ちになれる、可哀想なひと

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