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火災保険を調べる

今週、火災保険の見積もりをお願いしに行ってきました。初めての見積もりです。火災保険の仕組みもよく分からなかったので教えてもらいました。

そこの会社には大まかに2種類の保険がありました。
ひとつは火災の被害のみを保障するもの。火災による被害は100%補償され、掛け金は控えめです。被害に応じて、1000万円分掛けておけば1000万円まで、2000万円分掛けておけば2000万円まで補償されます。

もうひとつは火災にプラスして雪害、水害、地震による被害を保障するもの。火災、雪害、水害による被害は100%補償されますが、地震による被害は50%の補償になります。掛け金は火災のみの保障に比べて、数倍高額になります。

ちなみに火災による被害でも地震が原因の火災の場合は、火災保険では1円も保障されません。その場合は、地震保険が必要になります。

補償額の目安は、同じだけの広さの建物を再建するのに必要な額 = 家の面積○平方メートル × ○万円 と算出します。補償額が高くなると掛け金も高くなります。


興味深いシステムだなあと感心しました。

保険会社はボランティアや非営利団体ではないので、利益を追求し、企業が存続するためには儲ける必要があります。
そのため補償額や掛け金を決めるために、被害の発生率や被害総額にまつわる細かい計算があって、保険会社は損をせず儲かるように出来ているはずです。
なんだか保険を購入する側は、絶対に勝ち目のない勝負に"賭け金"を賭けているギャンブラーの気分になります。
保険に入るのは、"安心"という目に見えない商品を買うため。唯一、賭けた賭け金以上にお金が戻ってくるのは、火災や雪害や水害や地震などの被害に遭ったときだけという負け戦さ。

保険屋さんは「最近、地震が多いですからねえ」と繰り返します。顧客の不安を煽れば煽るほど、保険会社は儲かるのでしょう。大変な商売だなと思います。

でも火災による被害は掛けた分だけ100%補償してくれるのに、地震による被害は掛けた分の50%しか補償してくれないのです。つまり火災に合う確率は少なく、地震に合う確率は高いと言うこと。いやはや、よく出来た仕組みです。この辺の補償率は地域や国によってうまく計算されているのでしょう。地震の多い国に帰って来たのだなあと思います。


もしも何かの被害に遭ってしまったら、私は家を再建したいと思うかな?と想像してみます。被害に遭わなければ分かりませんが、再建するよりも、それならどこかで何かほかのことを始めたくなりそうに思います。そもそも地震による被害なら50%しか補償されません。同じ建物を再建設するのに1000万円必要だから1000万円分保険を掛けても500万円しかでないなら、再建もできないではありませんか。
しかし有事の際、被害に遭った建物の後処理や新しい何かを始めるための資金はあった方が助かるのは間違いないでしょう。だから保険に入るメリットはあります。

医療費については国民健康保険や高額医療制度があるのに、火災や地震やその他自然災害には同じようなシステムがないのは不思議だなとも思います。


保険の見積もりを見ていると、私は"安心"という品物を幾らで買いますか?と尋ねられている気分になります。安心に幾らまで払っても、勿体無いと思わないか。目に見えない安心は、空っぽの箱のように感じます。そこに存在しているようで手には掴めないコンセプトを探ります。

服を買う、学校で学ぶ、食事をするなどのお金の使い方に比べ、保険に入るのは、すごくシュールレアリスティックな行為で、安心の詰まった空っぽの箱の値段を、私はまだ決められずにいます。


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