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勝手に1日1推し 181日目 「やまと絵ー受け継がれる王朝の美ー」 

「やまと絵ー受け継がれる王朝の美ー」東京国立博物館     芸術

なんやかや、行きました。なんやかや、日美の再放送が見れて、やっぱり行くぜ!と覚悟を決めて行って参りました!!
実に「運慶展」以来の運び(調べたら6年も前!!)となりましたが、やっぱり疲れますなあ。やっぱり混んでますなあ・・・。
とりあえず「日月四季山水屏風」「百鬼夜行絵巻」「信貴山縁起絵巻」「浜松図屏風」だけでも見よう!って、意を決して入館。
結果、そこそこ見れた!行って良かったです。疲れたけど、良かったです!国宝、重要文化財で満ち満ちておりました。豪勢や、ほぉー。

屏風、いいなあって思います。西洋で言うところの壁画のイメージだよなって思います。
ダイナミックで美しい。構図や表現も、調度品として美麗荘厳で、煌びやか。写真や映像では味わえない金泥銀泥、金銀砂子(?)の鈍い輝き。あの鈍くて渋い輝きにグッとくるんだよなあ。
「日月四季山水屏風」カッコ良すぎた!よくぞ、現存してくれていたものよ。日輪(太陽)のまんまるさ、大きさ、暗さがいいよなあ。
色鮮やかな「浜松図屏風」でさえも、輝き方が鈍いっていうか、慎ましくて品があるんだよなあ。たおやか~。
きっと、当時の宮廷やお寺の住宅&灯り事情で一番映えるように描かれていて、それって絶対展示室のように薄暗いはずなので、つまり、私たちは当時の王朝と同条件で味わっていることを意味しているわけで(恐らく)、いとをかしですよね。マツケンサンバみたいなきんきらきんではない煌びやかさ。実物からじゃないと感じられない美だなあって今回つくづく感じました。
関係ないけど「日月四季山水屏風」であと1つ。「大奥」ファンとして見逃せなかったのが、水の描かれ方。流水紋してるやん!
流水&波の表現は浮世絵のそれで、唐絵とは一線を画して脈々と受け継がれる伝統になったんだなあって思いました。

てか、そもそも、自然災害が多い日本で1000年以上も経った現在までこれら多くの美術品が残されていることに感慨ひとしおだったりもしませんか?!だって、火の粉がちょっとかすっただけですぐ燃えちゃいそうじゃん、薄紙の冊子とか絵巻なんて。でもでもこんなに沢山残されているんだよぉ。凄くないですか?それから、繊細なそれらを丁寧に細心の注意を払い、修復するのであろう技術者の方々。凄くないですか?凄いなあ、凄いなあ。最上級の感嘆、凄いなあ(語彙力・・・)。

と思いを馳せつつ、歩みを進め、「信貴山縁起絵巻」に到達。日美で学習した”異時同図”、ばっちり見れました~。良かったなあ。山口晃さんの「来迎図」、もう1度見たかったなあ。

「春日権現記絵巻」とか「山王霊験記絵巻」からはアニメが連想されました。ほわわんほわわんって現世と霊界を行き来する場面とその動きがアニメーションとなってまざまざと脳内に再生されました!”異字同図”も含め、現代の表現方法、技法に繋がる土壌を多々発見した気がしました。
画中画、画中屏風、はたまた建物などの細部にわたり、描き込みに一切の手抜きなし!で、その徹底ぶりも現代の良質と呼ばれる作品に共通するものがあると思います。

扇も良かった。めちゃめちゃ可愛かった!屏風への示唆も問われているって、解説がありましたが、正に!!って感じ。蒔絵も硯も意匠が凝っていて螺鈿も美しかったです。

で、思わず凝視してしまったのが「天子摂関御影 摂関巻」。ポートレートみたいに一人ひとりの似絵(似顔絵)が描かれているんだけれど、どの人もきっちり特徴を掴んでて、顔や体付きが違ってた!イラストちっくで、他のどの絵巻とも似ていずポップに描かれておりました。1点だけ異質で突然現代っぽくて面白かったです。井上涼さんっぽさすら感じました。

「百鬼夜行絵巻」はね、もー、いい!!!の一言に尽きます。
妖怪たちのなんと愛嬌のあることか。どんな理由で妖怪化したのか、一体ずつ思いを巡らしちゃうくらいゆるかわ。絶対ヘンテコな理由に違いない!だって全然怖くないもん!!逆に「地獄草紙」とかめっちゃ怖かったもん・・・。
絵巻の子らは、「葛籠から妖怪が出てきました。なんか用かい?」くらいの気安さなんだよなあ。ひたすらそれぞれがキャラとして確立しておりました!グッズ展開の強い味方デス。もちろん、アクスタガチャガチャをやりましたYO。琵琶の妖怪が当たりました。きっと琵琶をモリッシーのように床に打ち付け破壊した人が呪われたに違いありません!あぁ、かわいいYO(トップ画像参照)。

話は変わって、常設の「考古学展示室」が楽しすぎたので、それも言及致します。埴輪や土偶、なんかゆるくて癒されます。間が抜けた顔してんだよなあ。あーあ、日本には室町時代どころか、5世紀からキャラデザに特化した美術品が確立されてたんですねえ。キャラ文化も脈々と受け継がれていると言えますねえ。
まさか遥か未来に、トーハクの看板を背負ってグッズ展開されるなんて思いもよらなかったでしょう、埴輪も。
いかんせん何もかもが埴輪頼みなの!!アクセサリー類から靴下、ぬいぐるみ、トートバック・・・。笑っちゃった。デフォルメしやすいというか、そのままで愛くるしいからそりゃそうなんだけど。イメージキャラにもなってた!
ゆるキャラも100年後には、美術品としてトーハクに展示されるんだろうか。のっぽん・・・ぶんかっきー・・・
蔵王権現像残欠も可愛かったです。「エイやっ!」って言ってそう。

しっかし、とにもかくにも疲れました!!
もっと見たいしウロウロしたいけど、企画展と常設展を同時に見るのは無理!!庭園なんて寄れない!!公園内の紅葉にうっとりなんて出来ない!!足の裏がびりびりしてる、なう(数日間)。だもの。
でもでも「考古学展示室」は企画展の隣だから、ね。大丈夫。そのまま帰路につけば、動線上にミュージアムショップもありますから、ね。大丈夫。

そして総括!
長々と口上を述べて参りました(まだ言い足りなかったりします)が、ラストを彩った「浜松図屏風」を前にし、隣で鑑賞していた老紳士が「綺麗だなあ」と、思わずという感じで詠嘆していたんです。
きっとそれが全て。ほんと、真理。綺麗。以上。

ということで、推します。

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