つわりで点滴

※タイトルの通りです。妊娠についての話や点滴を打ったことが書かれています。
つわりで苦しんでいる人が「こんなにしんどいのは私だけじゃないわ」と少しでも気がラクになればと思って書きました。
イヤな気分になる人は読まないほうが良いです

前回の投稿からもう1年も経ってしまった。
何があったのか、ざっくり。
仕事の大スランプ(何も書きたくなくなる)

脱スランプ(忙しくなる)

結婚式準備&挙式(かなり忙しくなる)

妊娠発覚(夕食を全て吐くことによって気づく)

有給を使いながらお仕事中断(いまここ)

妊娠に関しては、あまり喜びすぎないようにしている。
というのも、安定期に入るまでの、あまりにも不安定な数値に「本当に産まれて来るのか」疑いのほうが強くて(縁起でもない話であるのは重々承知のうえで)
「もし……」という恐怖で、喜びに対してどうしても躊躇してしまう。
正直、2年も一緒に住んでいてできないのだから、ちょっと検査したほうがいいかも、ま、できなくてもふたりで楽しく生きていけばいいかなんて思っていたので、
喜びよりも、今は驚きの感情にひたっていたい。マジでびっくりした。

さらに驚いたのは、2ヵ月近くも続いている、吐き気と頭痛だ。
「妊娠すれば、生理も止まるし、出産後は生理痛も軽くなるらしいからラッキー☆」
なんて思っていた私は、つわりに対してはまだまだフィクションの世界の出来事で、とにかく今、生理痛の重さから解放されれば何でもいいとやけくそになっていた。(重い生理痛が20年くらい毎月やってきていたのだから、本当にイヤになっていた)

実際に私にふりかかったつわりとは、
生理2日目から3日目のひどい頭痛が2ヵ月近く毎日24時間続く(医者から処方される薬は、生理痛の薬と比べると効きが悪い)
+
何か少しでも口にすれば、強烈な吐き気で胃がからっぽになるまで「あ~気持ち悪い~しんどい~」とうめく(食べづわりではなく吐きづわりだったため、お茶ひとくちでも気持ち悪さがやってきた)
過去の私にしんどいマウントを取るつもりはない。個人差もあるし、ここまで想像するのは無理だったと思う。ただ、これが現状だ。

病気をしても、生理痛が重くても、食欲だけはなくならなかった私は、こんなにも長期間、何も食べられなくなったことに驚いた。

それでも、「液体ならいける」と、オレンジジュース、いちごオレ、鉄分のヨーグルトドリンク、ゼリー飲料……と、普段なら「太るから」と封印していた数々の飲料は取れていたので「これなら大丈夫」と私も思っていた。

つわり中の合言葉は
食べたいときに、食べたいものを、食べたいだけ食べる
だが、本当にしんどい人は、食べたいときなんて来ないし、食べたいものなんてないし、食べたら気持ち悪くなる(最悪吐く)。

液晶も長時間見ると頭痛がひどくなるので、スマホ、アニメ、ゲームは30分したら休憩(気持ち悪さもアップするため、再開する気力も失せる)。
気分がいいときは、近所のコンビニに行ったり、公園に行ったりしていたが、
家に帰ったら吐いたので、もうどこにも行きたくなくなった。

起き上がると気持ちが悪くなるので、寝たきり。
Alexaからリラックスする音楽とか、元気が出る音楽とか、ディズニーの音楽とかをかけて、気を紛らわしながら、早く1日が終わるのを待つ。

そんな生活が続いた。
「妊娠は病気じゃない」という言葉があるらしい。でも、私の生活は闘病中のときと何も違いはない。しんどいなら、病気かどうかなんてどうでもいい。休んだほうがいい。

運動ゼロでゴロゴロしてただけにもかかわらず、体重はみるみる減り、ついに「点滴しときましょうか」と医者に言われた。11週のときだった。

「うっ……」と言葉に詰まった。
私は血管が細い。
採血のときはいつも看護師さんが、左腕を見て、右腕を見て、なぞったり、押したりして、それでも針を入れたら血管なくて、時間を置いて再チャレンジ……みたいなことになる。

「でも、これ以上数値が悪くなると入院です。入院したら確実に点滴です。そこまで脱水が進んでしまうともっと血管が細くなって、むずかしくなるでしょう。
今のうちに打って、様子見ましょう」
私は返す言葉がなかった。

個室に通され、スカートのまま白いベッドに横になる。大学時代に入院したとき以来だ。

看護師さんが来て、私はまた血管が細い説明をした。
左腕を見て「あら本当!」と看護師さんは優しく撫でて笑った。
私もつられて笑ってしまった。
優しい笑いで、ふっと和やかになる。

そして、右腕を見て、もう一度左腕を見て、バンドを巻いて、あっという間に針を入れてしまった。まったく痛くなかった。

すごく救われたのに、点滴後の衰弱で、全然感動を伝えられなかった。帰り際「つわりは必ず終わりますよ」と励ましていただいたのに。

「こんなに痛くなかったの初めてです」
「血管わかりましたか?」
「すごいです」

明日は伝えよう。
妊娠期間はまだ始まったばかり。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。 読みごたえがあったと思います。ひと休みしてくださいませ。 もし余力がありましたら「スキ」やフォローをお願いします。