好きなことを仕事にしていて、産みたくて妊娠したはずなのに、なんでこんなにつらいのだろう?(A.ぜんぶつわりのせい)

イヤな夢をみた。
つわりでほとんど寝ているので、夢をみる頻度がぐんぐん高まっている。
もちろん、楽しい夢もあるけれど、地震・カミナリ・火事・オヤジ(両親)……
巻き込まれたり、喧嘩したりして、何も解決されないままハッと目を覚ますときがある。
(両親とは普通に仲良しです)
早く寝るものだから、起きた時間がAM2:33とかだと、そこからの夜が長い。

今日のはひどい。仕事ができないことを「子どものせい」にしている夢だった。
能力的に仕事ができないのは私のせいだし、
体力的に仕事ができないのは仕方のないことなのに。
反抗期で喧嘩中なのか、顔の見えないわが子に向かって「あなたができたから~」「あなたがいなければ~」なんて、つまらないセリフを吐いていた。
「子どもができたらいいな」と思っていたはずなのに、思いもよらぬひどいつわりで弱り切っていたのかもしれない。
潜在意識の中に少しでもその思考があったのかと思うと、ぞっとして、何もせずに寝直すことはできないから、思うまま書いてみよう。

実際に今、つわりがひどくて仕事を休んでいる。さらに、会社から今後の私の体調や、育休産休を考慮して「仕事をセーブしたり、引き継いだりしよう」という提案があった。

とても助かる話で、納得できる話で、不満なんて一切ないはずの話なのに、
チリチリと心の隅に悔しさがくすぶっている。
「早く仕事を進めたいのに、吐き気と頭痛で体が動かない」
「本当は全部自分でやりきって、堂々と休みに入りたいのに、そうする時間はない(本づくりは時間がかかるし、何かあったときに結局誰かに引き継がなくてはならない)」
「私が通した企画なのに……」
とちょっと卑屈にさえなっている。
(引き継いでくれた人にはすごく感謝をしているので、悔しさとありがたさで情緒がジェットコースター状態)

編集者は、自分で企画を生み出すけど、自分で進めたり、納品しなくても、誰かがやってくれる仕事だ。
納期もノルマもあるから、ストレスで心が折れそうになることは何度もあった。それがこんなカラダであと数本……やり切れる気がしない。

「厳しいお仕事なのだから、今はしっかり休む準備を整えればいい」
「どうしても仕事がしたくなって、カラダが落ち着いて、子どもの預け先が見つかれば、育休だってフルに使う必要はないし」
「今は自分のカラダが第一」

いろいろ言われる言葉は、ぜんぶ、わかってる。
「仕事がしたい」というよりも、
「休むのが怖い」という感覚のほうが近いのかもしれない。

何度も辞めようと思った仕事だけど、
しんどい仕事だけど、
それでも、踏みとどまれたのは「私の企画」があって「私の仕事」があったから。
仕事を休むのが怖い。
案件がゼロになるのが怖い。

なんとなく「それでもまだ、その会社で仕事を続けるの?」と改めて社会から試されているような気持ちになる。
「やめちゃえば? どうせ続けていけないよ」なんて、悪魔の声まで聞こえる。

**

ただ、このような不安や葛藤は、子どものせいでもなんでもない。
子どもを産もうと思った私に、本当はその瞬間から、
「それでも仕事を続けるの?」
「それでも子どもを産むの?」
と問われ続けていたことだった。
いざ、休む場面に直面して、私は足がすくんでしまっているだけで、
深刻に考えず、当たり前のように休み、復帰する人はたくさんいる。

私はこの子が産まれるまで、
この子が誕生するのを待ち望む人でありたいし、
この子が産まれたあと、
この子の成長のサポートをしながら、
しっかりと仕事のできる人でありたい。

「仕事がしたい」
「休むのが怖い」
こんな気持ちは「なんだかんだ仕事が好き」ってことで。

つわりは思いもよらぬしんどさだったけど、
こんなものはまだまだ序の口で、
「思ってたんとちがう!」ことなんて子育て中に山ほどあるだろう。
(そもそも私の人生、今までそんなことばっかりだったはず)
もしかしたら正夢になって、子どもと喧嘩することもあるだろうし、出産を後悔する日が来てしまうかもしれない。

でも、なにがあっても、「この子のせい」なんかじゃない。
私の気持ちのせいかもしれないし、
私のカラダが病にかかっているせいかもしれないし、
時代のせいかもしれないし、
お金がないせいかもしれない。

いつか何かで後悔をしたとしても、それはこの子のせいじゃない。

そんなことを書き留めておきたいと思った。

(おわり)

ー----------キリトリー----------
妊娠15週目のつわりピーク&眠れない情緒不安定な中、書きなぐりました。
18週目の今はだいぶおさまり、お仕事を再開しています。
とはいえ、すぐに疲れちゃうし、お腹には違和感くらいの軽い痛みはあるし、「働く妊婦さんって、本当にすごいな」と思う。

なんかもっと、「一所懸命働いている人が、妊娠によって身体が変わり、生活が変わり、それって大変だししんどいけど、そういうのも含めてイイコトだよね」みたいな、そんな内容にしたかったのに、なんだかんだドロドロしてしまった。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。 読みごたえがあったと思います。ひと休みしてくださいませ。 もし余力がありましたら「スキ」やフォローをお願いします。