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『すずめの戸締り』読んでから観てみた。

小説も読んだほうがやっぱりいい

涙がこぼれていく
でもね、この涙、人間の為のものじゃない

震災が起きたときだって
私は揺れる事
当たり前だと思っていたのだから

失うことは怖い
その後の悲しみだって知っている
苦しさが怒りが渦巻いていた
あの時も覚えている


でも

私が涙をこぼしたのは

土地が、私達が好き勝手につくって、打ち捨てて、忘れた場所が、私達の事を記憶してるんだって、そこには止まった時があるんだって、感じたからかもしれない。

勝手で、儚くて、脆くて、すぐ忘れて、けれど必死に生きてる命が人間なら、それを抱きしめてくれるのはやはり大地や空で、私はそれが…それが…


 言葉にできない波がやってくる


私達が忘れたり、薄れさせていくかわりに、覚えていてくれて有難う。ごめんね。
勝てないそのものに敬意を。

明日を求めることが、ゆるされている。

それがどれだけ脆くて、美しいかを、私は知っている。


上のは見た日に書きなぐった言葉。

数日経って改めて感想…。
と思ったけど、私さ、映画の感想とか本の感想とか書くの下手なんだよね。

新海作品は、観るのに体力使うものが多い。
感じ取るものが多いんだと思う。
私と相性がいいっていう感じかな。
相性いいっていうと元気もらえるとか、そういうイメージになる?
相性いいってことは、それだけじゃないんだよ。

そういえば、『君の名は。』もしっかりネタバレして(小説読んで)から観に行ったなぁ。あれもなかなかだったな。

今回もしっかりネタバレしてから観に行った。
『君の名は。』は2回目で涙が零れそうになったくらいだったのに、『すずめの戸締り』は冒頭辺りからハラハラと涙が流れて、いや、泣く気がしていたんだけれど、流石に外でそこまで簡単に涙流したりしないから、少しだけ自分が意外だった。

外での私しか知らない人は、私が泣くところは想像できないっていう。


なのに、ガラガラだからって映画館であんなに涙が溢れるとは思わなかったよ。
私は溢れだしたら、驚くほどポタポタと涙が落ちるタイプ。


で、だ。

こっから少しだけ内容的なとこに触れたいので、ネタバレしないで観たい人は観てからね。
(って、書きなぐったのにも若干というかネタバレしてるよね。ごめんと謝りつつ消したくないのでそのまま)


小説読んでさ、こんなつぶやきしたのね。

これね、草太さんの台詞のことなんだ。

「大事な仕事は、人からは見えない方がいいんだ」

何故かとても大切な言葉な気がした。
ずしりと重たく響いた。

だから、確かめるように声に出して読んだ。

映画のシーンで、ほんとうに、何気ない事のように草太さんはこの台詞を言った。
さも、当たり前のようにその台詞を言った感じ。

そして、観終わったあと、もらった特典を開いてドキッとした。

最後の方に、主演のふたりと新海さんが対談してるのが載ってるの。
そこで草太さん役の松村君が印象的だってセリフの話をして、新海さんは何かから与えられたようないい言葉が降って来る瞬間があるって。

私が感じたものは、やっぱり……って思った。

その後、なんで降ってきたか、紐解くように話す新海さんのその感じとか、違うと思うけど、何か解るなって。

『すずめの戸締り』は人間のことも沢山考えるけれど、土地とか、純粋な力そのものとかを感じると思う。

震災の時、私は思考の渦にのまれていた。
人間の思考が凄い速さで流れていたのを覚えている。

けれど、地上がどうこうなったわけじゃない。
ずっとずっと生きている星の上に私達は住んでいるのに、住んできたのに、まるで忘れて好き勝手していただけじゃないかと…何かが悔しかった。

どうもしてない。
ただひたすらに純粋な力があるだけだよ。
私達はそれに付き合っていかなきゃならない。
そうやって生きているんだよ。

忘れちゃうくせに、つくって忘れちゃうくせに、失くなった途端に困ったり、怒ったり、悲しんだり…。

人間ってそういうの繰り返す。
でも、それでいいんだとも思うの。
ゆるされて、悲しさや苦しさや、怒りの先に、光と共に生きていくんだと思う。

私は物とか土地とかとの同調率が高いのかもね…。だから、今回は体力使いすぎて、映画のあと、写真も撮ったから夕方眠っちゃったんだ。



背景が背景であってくれることは、当たり前なんかじゃないよ。
そんな奇跡みたいな日常の中で、溢れる涙の理由もわからないほど見つめていたい誰かと出会う事は……
 
息を吸い込む。
言葉にしようとして、音にならない息が吐き出されて、涙がみるみるうちに溢れていく。 


私は私のそれがこの星にないことを知ってる。  

「ハルカカナタ」の歌詞にある『あなたとみる絶望は、あなたなしの希望など霞むほど輝くから』って歌詞の強さ。

すずめは死ぬのは恐くないっていっていたけど、でも、大切な人が生きている世界から消えるのは恐いって、大切な人を見つけたから、最後は死ぬのは恐いって言ったんだよね。って私は思っている。

安心で、安全で、でも、其処に大切な人や場所がなかったら、きっとそれは意味がないんだよ。

不安定で、恐くて、傷ついても、大切な人や場所と明日を望むことは、光なんだよ。

草太さんの言葉が頭に響くの。

『命がかりそめだとは知っています』
『死は常に隣にあると分かっています。それでも私たちは願ってしまう。いま一年、いま一日、いまもう一時だけでも、私たちは永らえたい!』

すずめが言ったの。

『あなたは、光の中で大人になっていく』
『私は、すずめの、明日』


あぁ、積み重なって、私たち。
思い出して、私たち。
この命は永遠ではないから、だから。



私の拙い感想というか、なんというかでは解らなかったと思うので
『すずめの戸締り』は観て欲しいなと思う。

なんなら、小説読んでみて。




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