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「言継卿記」から京都の十兵衛のお家を推察する。

前回、ツイッターにて「言継卿記(ときつぐきょうき)」室町時代の公家、山科言継の幕府奉公衆等への年始挨拶まわりの記録から十兵衛のお家を追ってみましたが、イマイチ以上に場所が定まらず。

今回は言継卿記で同じく永禄13年2月末に「信長が京都に来て、十兵衛のうちに行った」という記録から再度、十兵衛の京屋敷の場所を推察してみました。(毎度特定キモヲタでごめんなさい。。。)

で、今回の推察だと、十兵衛のお屋敷は前回よりも北・・・
上京の「五辻(いつつじ)通り・大宮通~千本通の間あたり※」あたりがあやしいな、と。※画像の緑、黄緑の斜線部分。

参考にした言継卿記は以下の部分です。
「永禄十三庚年 二月 卅日
 織田弾正忠申刻上洛 公家奉公衆、或江州或堅田、坂本、山中等へ迎に被行、京上下地下人一町に五人宛、吉田迄迎に罷向、予、五辻歩行之間、則被下馬、一町計同道、又被乗馬、 則明智十兵衛尉所へ被付了」

(永禄13年2月30日。 織田信長公が夕刻に上洛。公家、奉公衆が近江堅田、坂本、山中等へお迎えに行った。京都の町は1町につき5人をあて、吉田(山)あたりまで人を出している。私(言継)は五辻の間、馬を下り一町(約110m)ほど信長の行列に同行してまた馬に乗り、一行は明智十兵衛の家に到着した。)

【信長の上洛は「志賀越道」?】
上記の地名から、当時信長が上洛に使用したルートはおそらく「志賀越道(しがごえみち)」と呼ばれる、古くから京と近江方面を結ぶ道のようです。叡山のちょっと下?の山の峠を越えるルート。

信長は美濃を出て、琵琶湖を渡り坂本のちょっと北である堅田あたりに出て、そこから志賀越道で京の「吉田山」(現京都大学の近く)に出たと思われます。
吉田山近辺は今も「北白川」と呼ばれる土地で、当時は街道沿いに集落もあったようです。(別の記録・・・吉田兼見の記録だか?でこのあたり・・・白川の川岸で坂本へ帰る途中の十兵衛に会った、というのを見たような。。。)

志賀越道の京での終点は鴨川の荒神橋口(御所の真ん中よりちょっと下の方の鴨川のところ)ですが、信長一行は吉田山からは今出川通(当時の北小路)を進んで鴨川を渡り、御所の北側を通ったのではないかと。

で、そのまま西に直進し、今出川通りから五辻町、もしくは五辻通へ入り十兵衛の家へ着いた・・・と!!
(ちなみに、今出川通りと、隣の五辻通の間は約100mくらい・・・なのでまさに「1町(約110m)程歩いた」言継の日記とも矛盾なさそう。。。)

上の画像でいうと、左上のオレンジ色のラインが「五辻通り」になります。
この通りは東は堀川・大宮通り。西は北野天満宮までのようです。

しかし当時の地図をみると、天満宮の手前「千本通り」から西は寺院があるので、十兵衛の家はそれより東側と考えるのが妥当と考えます。(とはいえ、このあたりは寺社が点在していたようなので。幕臣となった十兵衛が「寺社から横領した土地に館を建てた」と摂津に嵌められそうになった話も無きにしもあらんや。。。w)

そしてさらに・・・この五辻通り。五辻町の西隣は今も「一色町」となっておりまして。。。町名の由来を調べると、室町時代に幕府奉公衆「一色氏」(麒麟にもちょろっと出てきましたよね)の館があったから、らしい。

前回、「言継卿年始まわり」で調べた時は、当時の地図(中昔京師地図)でもう少し南のほうに一色館の記載があったんですが。。。町の由来等鑑みると今回の方が一色氏の館の所在として、また言継の年始回りルートから見ても正しいような?気がしてきました。

となると、一色館のある地域近く(=奉公衆の館が立ち並ぶ区域)に新参の奉公衆となった十兵衛が屋敷を与えられる・・・というのも無理ないような。
(麒麟でも、一色氏は義昭様を将軍に担ぐあたりから十兵衛と面識ありましたしね!←既にファンタジーと史実が混ざっておる)

ただ、有力奉公衆でもあった一色氏の館より、新参者の家の方が公方様方面に近い・・・ってのもどうよ?とも思いますので、推察としては
「五辻通で一色館の西(画像黄緑色の斜線部分)」というセンもありかなーと。

いずれにせよ。十兵衛のお家にお泊りする前の信長の定宿「妙覚寺」もすぐそばだしね!ノッブからしてみたら、周囲の土地勘もあって公方様や奉公衆ら、さらに御所からも程々の距離があって。大変居心地のよい場所だったんではないでしょうか。十兵衛のおうち。

・・・そんなわけで。シロウト推察ながら今回、ぐっと?十兵衛のお家の特定範囲が狭まってきたように思いますが・・・どないでしょう?

(皆様からの十兵衛のおうち特定やご意見・推察・情報お待ちしております!w)  

ではまた!次のキモヲタ特定でお会いしましょう!SeeYou!           







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