ななちよ先生

公立学校で10年以上教員してます。不登校現象や対人援助職としての教師、性別不合、トラウ…

ななちよ先生

公立学校で10年以上教員してます。不登校現象や対人援助職としての教師、性別不合、トラウマなどをテーマに執筆してます。臨床心理学、教育学、言語学が専門です。全ての子ども達を元気にしたいと思ってこの仕事を選びました。ゲーム・演奏・書道など趣味をたくさん持っています。グラタン大好き。

最近の記事

不登校の季節。求められるのは大人の落ち着き。

【Information】 ・1記事2000文字以上あります。 ・気軽に書くことを意識していますので、記事の根拠を示すような引用は少ないです。 ・記事内容はやや偏った視点から書いています。 【想定している読者層】 ・学校に関心のある方 ・学校関係者の周囲の方 ・不登校に関係する方 1:結論 不登校の季節です。子どもが不登校になったからと言って、周囲の大人たちが慌てる必要はありません。原因を、事前にしかも完全に取り除くことはほとんど不可能です。ただ、本人にとっては「初めての

    • 教員は辞めても良い。退職は自分の価値を下げない。

      【Information】 ・1記事2000文字以上あります。 ・気軽に書くことを意識していますので、記事の根拠を示すような引用は少ないです。 ・記事内容はやや偏った視点から書いています。 【想定している読者層】 ・学校に関心のある方 ・学校関係者の周囲の方 ・退職などに興味のある方 1:要旨と結論 初任教員や教員としてやっていけるのか悩んでいる人達にとって、今は教員としての自信をなくす時期です。教員を辞めたくなることがあると思います。個人的には辞めて良いと思います。

      • 教員でも、その恋愛事情を知っておくことは人生設計に役立つことがあるかもしれない。

        【Information】 ・1記事2000文字以上あります。 ・PCで書いてます。変な所で改行されて読みにくくなる事があります。 【想定している読者層】 ・教員という職業に興味のある方 ・教員の恋愛事情に興味がわいた方 1.結論 教員の人生設計は、いつでも崩れます。積極的に行動するのか、消極的に行動するのか、自分の本心に問いかけておくと良いと思います。 2.ネガティブな話 教員も人間ですので普通に恋愛をしますが、実態については非常にプライベートな事ですので、情報をたく

        • 意見の述べ方にもレベルがある。たぶん学校では教えていないこと。

          【想定している読者層】 ・学校に関心のある方 ・何らかの意見を発信する方 1.記事の結論 学校では多くの場合「適切な意見の述べ方」を教えていません。これから必要になると思います。 2.意見を交わすとは何をしているのか 私は否定の意図を込めて執筆しているわけではありませんし、議論のHow toを書く意図もありません。  ただ、初歩的な意見交流や表出は「私はこう思う」のぶつけ合いだと思っています。 これは初歩的な例(だと思っています)ですが、 ①自分の意見を補強するような事

        不登校の季節。求められるのは大人の落ち着き。

          保護者から見た教員は「わかってない人」

          【想定している読者層】 ・学校に関係している方 ・学校に関心のある方 1.記事の結論 保護者等から「あなたには分からないでしょ」と言われたら、教員は反論せずに、「確かに本当に分からない部分がある」ことを実感を伴う形で理解を深めた方がよい。なぜなら、本当には分からないのだから。 2.「〇〇なあなたには分からないでしょ」 例えば、保護者の方が、「結婚していないあなたなんかにはわからないですよね」とか「子育てしたことないあなたにはわからないですよね」とか、「障害を持った人が周り

          保護者から見た教員は「わかってない人」

          新年度・初任者。もう辞めたくなった教師は多いかもしれない。

          【想定している読者層】 ・辞めたくなった初任者段階の教員 ・教員の働き方に興味がある方 1.結論 辞めるならできるだけ後悔なく辞める。次の人生に今の人生をつなげるビジョンが描けるとなお良い。自分を責める必要は無い。 2.辞める事は悪いことではない 自分の人生・自分の生き方・自分の在り方等をを決めるのは自分次第です。どんな職に就いているのか、どれだけ稼いでいるのか、どんな人生を歩んできたのか或いは歩むことになりそうなのか、こういったことは、「自分の価値」と結びつけると辛くな

          新年度・初任者。もう辞めたくなった教師は多いかもしれない。

          教員は生徒理解の理論を自分にも使ってみた方がいい。

          【想定している読者層】 ・教員に違和感を持つ方々 ・学校に関心のある方 1.記事の結論 子ども達だけに対してだけではなく、自分にも知識や理論を適用できて一人前の教員ではないかと考えています。 2.自己実現理論(欲求階層) 例えば、教員は子ども達に対して「社会性が弱い」とか「承認欲求が強い」とか「理想と現実が分かっていない」等と評価することがあります。  この評価を、無配慮に子ども達に伝える危険な教員もいますが、ほとんどの場合、教員間での会話でしか聞かないものです。このよ

          教員は生徒理解の理論を自分にも使ってみた方がいい。

          性別不合。脱病理化は当事者の首を絞めた可能性がある。

          【想定している読者層】 ・性別不合に関心のある方 ・脱病理化の影に関心のある方 1.この記事の結論 脱病理化では差別は解消されないし、当事者の福祉は向上しないどころか逆効果ですらあり得る。 2.LGBTに関連する脱病理化 性同一性障害が脱病理化されたのは2019年の事でした。今から5年前の出来事です。目的はQOLの向上です。  同性愛が脱病理化されたのは1993年のことです。  31年前の出来事です。  日本では1994年まで、同性愛を非行としていました。  ただ、ひ

          性別不合。脱病理化は当事者の首を絞めた可能性がある。

          子どもを対象とする教員の恋愛行為はただの恐怖。

          【想定している読者層】 ・教員、保護者、児童生徒等 ・いわゆる地域の人 ・学校に関心のある方 1.記事の結論 児童生徒に対して恋愛行為を行う教員は専門職である教師という仕事に従事していない。 2.児童生徒を対象とする教員の恋愛行為に関するありがちな意見 よくある意見は次のようなものです。 ①結婚するなら教員と児童生徒の恋愛は良い ②恋愛感情を持ってしまうのは人として仕方がない  これを言っているのは教員です。これらはよく聞くありがちな意見ですが、他にも、かなり衝撃的な

          子どもを対象とする教員の恋愛行為はただの恐怖。

          不登校を英訳して自分の心を確かめよう。

          【想定している読者層】 ・不登校に関心のある方 1.記事の結論 不登校に対して持っている無意識的な理解を見直す手がかりとして英訳することが有効です。 2.不登校への理解は終わらない 不登校に対してよくある理解は「選択の結果」でしょうか。  この理解は既に過去のものですが(『不登校は終わらない:「選択」の物語から〈当事者〉の語りへ』貴戸 理恵 )未だに根深いものであると思います。  もっと言うと、未だに「サボリ」や「病気」という理解が多くを占めていることも現実です。  

          不登校を英訳して自分の心を確かめよう。

          3月の不登校。保護者の想い。自責感の行きつく先。

          【記事の結論】  否定的な感情は「人を助けるエネルギー」の源でもあります。勿論、「虐待的な対応」の呼び水にもなります。だから、上手く活用できればいいのであって、「否定的な感情を抱いてはいけない」ことはありません。 1.3月の不登校・支援者(保護者)の思い 不登校のお子様を持つ保護者の方々は、この時期、色々な状況にいらっしゃるとおもいます。  不登校について支援機関等に相談に行っても「次はもう少し早く来てくださいね」とか「もう少し様子を見ましょう」とか身もふたもないことを言

          3月の不登校。保護者の想い。自責感の行きつく先。

          投票は大切。生活圏を良くしよう。正しく主張。(性別不合を例に)

          【記事の結論】  困り事が多い人ほど選挙で投票しましょう。重要なのは、今自分が住んでいる地域の選挙に行くこと。不登校や性別不合の問題は時間がかかりますが、選挙に行くことは比較的即効性のある有効だと思います。 1.地方の選挙に行くことをおすすめします この記事は政治的な主張を行う記事ではありません。ただ、困っている人ほど選挙に行った方が良いです。国政選挙のイメージで選挙を捉えてしまうと「そんなすぐ変わらないよ」となると思いますが、それはその通りです。  まず、私たちは勿論、

          投票は大切。生活圏を良くしよう。正しく主張。(性別不合を例に)

          性別不合の移行。費用・時間・効果が高いのは?見通しが重要

          【記事の結論】  性別不合の移行期には、簡単なできることから始めることで自信が持てるようになる。周囲からの目線も気にしなくて良い。 1.移行期初期の考え方 性別不合の移行期のプロセス等に関する研究はほとんどありません。また、移行期についてはインターネットでも情報収集が困難です。やることが見つかっても、見通しが持てないことがほとんどです。その結果、「はやくやる」ことが強く意識されるようになり、心の安定が損なわれます。  落ち着いて移行準備を進めるためには経験者のサポートがあ

          性別不合の移行。費用・時間・効果が高いのは?見通しが重要

          性別不合死なずに生きて!足踏みをたくさんして。薬の影響

          ※注意:性別不合(MTF)についてかなり踏み込んだ内容の記事です。誰かの役に立てばと思いながら書きますが、誰かを責めるための権威付けにならないことも願っています。あくまでも素人意見ということで、途中で読むことを止めても良いです。当事者の方はきちんと医者の意見を聞いて下さい。 【この記事の結論】  性別不合(MTF)の女性ホルモンの服用は、よくよく足踏みして考えた方が良いと思います。結論が出ないうちは保留を続けることも選択肢のうちです。 1.女性ホルモンの影響①性欲減退  

          性別不合死なずに生きて!足踏みをたくさんして。薬の影響

          性別不合とトイレと社会。安全な世界はどこにあるのか

          【記事の結論】  現段階でトイレは施設管理人の意向によって利用方法が決まります。トイレは非常にプライベートな場所なので、そのことがこの問題を複雑にしています。 1.性別不合とトイレの問題はメジャー 性別不合を持つ人にとってトイレはとても大切な問題です。一般人からすると悩みの種にすらならないトイレですが、性別不合を抱く人たちにとっては大きな悩みの種で、実際に病気になってしまうことがあります。  教育業界でよく言われるマズローの欲求の5段階説があります。教育業界では、普通、一

          性別不合とトイレと社会。安全な世界はどこにあるのか

          教員と公認心理士 教育と支援の共通点

          【記事の結論】  「国の方針をくむ」という点で、教員も公認心理士も共通する部分があるのではないかと感じます。こういう部分で葛藤を抱えたくないなと思いますが、そうもいかないかもしれませんね・・・ 1.教員が見なければならない国の方針 教員は、かなり多くの部分で裁量が認められている仕事です。なので、生徒指導の場面では、教員の個人的な思いが表に出てきますし、授業の内容ですら、教員の個人的な思いに色濃く染まっています。  ただし、生徒指導は「生徒指導提要」がありますし、授業には「

          教員と公認心理士 教育と支援の共通点