見出し画像

【台南事件簿①後編】路面店には要注意!食中毒の恐怖

さて、今回は前編に続き、台南事件簿①のその後について書いていこうと思う。また、被害者を増やさないために、どのような対策ができうるかについても述べたい。前回↓


1週間にわたる吐き気と発疹

深夜に39度超えの高熱を出した私の地獄は、この日から始まった。
翌朝になると、熱は下がっていた。

当時コロナウイルスが流行っていたため、一応PCR検査キットを試してみるも、結果は陰性。もし陽性だった場合は民宿という場所柄、遠隔地に隔離されることが決まっていたため、いったんは胸をなでおろした。

しかし本当の苦痛はここからで、(嫌な話で申し訳ないが)ひどい吐き気と腹痛に襲われ続けた。
誇張ではなく10分おきにトイレに駆け込まなければならず、ベッドと洗面所のシャトルランが一日中続く。
このあたりから、普通の風邪やコロナウイルスなんかではなく、自分が何か食べ物にあたって重度の食中毒を引き起こしたのではないかと気づき始める。

インフルエンザにかかっても食欲にはほとんど問題のなかった私であるが、食べるどころの騒ぎではない。
食べても一瞬で気持ち悪くなるし、体調が悪すぎてもはや空腹なのかすら不明。(結構本気で)人生で一番死ぬんじゃないかと思った。

当時症状を書き留めたメモを写真に撮っていたが、これによるとどうも最初は「立ち上がれない」レベルで酷かったらしい。

当時のメモ。死にそうだったので字が汚い。笑

この時に私の助けになってくれたのは、これまでにも何度か登場しているが、民宿に長期滞在していた台湾人男性・劉さんとKさんだった。

台南に身寄りもないままいきなりやって来て、1週間足らずで酷い体調不良を起こしている私を見て本当に心配してくれたのだろう。
当時の劉さんとのLINEが残っているが、コンビニにポカリを買いに走ってくれたり、食欲がゼロの私になんとか固形物を食べさせようと魚のスープを買ってきてくれたり、不器用ながらリンゴをむいてくれたり。
彼らがいなかったら、もし一人暮らしだったら。(冗談ではなく)脱水症状で危険な状態だったかもしれない。

とても心配してくれた。

毎日ポカリとりんご、スープくらいしか食べられなかったが、5日くらい経ったころ、なんとか吐き気と腹痛は収まってきた。

しかしここで皮膚にまで異常が起こる。
私はもともとニキビはあまりできない体質だが、顔中に謎のブツブツとした発疹ができたのである。(当時の写真があるが、気持ち悪いので載せないことにする)

お腹の具合はだいぶ落ち着いてきたものの、周りにも受診を勧められた。(もっと早く行けよとお思いだろうが、そもそも出歩ける状況になかったのである)

私の命綱たち

オンライン診療中に医者、脱走

現地で病院にいきなりかかると高くつくと思ったので、病み上がりの身体を引きずって、日本の某有名保険会社の提携先病院一覧を見た。(これは事前に日本の大学側から加入させられたいたものである)

……。

おい。
提携先に、台南の病院がないではないか。(考えてみれば当たり前で、台南に留学に行く人なんかいないため、ほとんど台北ばっかりなのである)

その時はそれ以上頭が働かなかったため、なんとか自力で頑張って台北の病院のオンライン診療までこぎつけた。

しかし、である。
LINEのチャットでメッセージを交わしたあとビデオ通話する仕組みになっていたのだが、あっちの医者がてんでトンチンカンなのである。
チャット上で、「Can patient come to clinic today?(患者は病院に来られるのか?」とか言ってるのである。

なんともトンチンカンなやり取り

いやいやアンタ、こっちは台南で死にそうになっているっていうのに、台北とか行けるわけないだろ。なんのためのオンライン診療やねん。
流石にあきれ返った。
挙句の果てに、ビデオ通話が始まったと思ったら、一言ふたこと私に聞いたあと、急に画面からフェードアウトしたのである。

?!?!

…逃げた。外国人である私、めんどくさがられた?
このあとのことはよく覚えていないが、明らかだったのは、医者より身近な人たちに助けられたということである。

この2日後、発疹もおさまり、食欲も出てきた。
薬なしに、地獄の淵からなんとか生還(?)を果たしたのである。

食中毒を(極力)避けるために

前編からお察しかもしれないが、私の食中毒の原因になったであろう候補は2つある。

1つ目は、(幸か不幸か頼んでもないのに)サバヒー粥に入っていた牡蠣である。
正直火を通したらあたらないと思っていたが、台湾の友達曰く「当たるときは当たるよ」なのだそうだ。
この日はひどく暑く、食材が傷んでいたとしてもなんら不思議ではなかった。(と、今なら冷静にそう思える)
サバヒー粥はぜひおすすめしたいが、くれぐれも牡蠣には気をつけていただきたいのと、まだ身体が現地の気候に慣れていないときに調子に乗って食べるのはやめた方が良いかもしれない。まったく私という人間は、好奇心が強いのが禍して、痛い目を見ないと学ばないらしい。

2つ目は、夜に食べたかき氷だ。
これは別の友達にも聞いた話だが、海外において水で腹を下す人はとても多く、身近だからこそ意外と注意が必要だ。
この時はほかの台湾人3-4人と一緒に食べたことからして私だけ当たるのは考えにくい気もするが、彼らはもともとお腹が慣れているのかもしれない。
対処法は難しいが、これも台湾の友達から聞いたのは、牛乳でできたかき氷を食べると当たりにくい、というものだ。(といっても信憑性は謎)

どちらの食べ物で当たったのか、真偽は不明だが、共通していたのは路面店であった、ということである。
実際こういう路面店のほうが地元の人でにぎわっているし、安いし、魅力的だし、どうしても避けては通れないところかもしれない。

もし行く場合はしっかり口コミを確認したり店内の衛生状況を見ること。
また、旅行など短期間の滞在であれば行かないのも一つの選択肢だと思う。

と、つらつら書いてはみたが、結局のところ友達が行ったように「当たるときは当たる」のである。私が行った店も、評判の良い場所だった。
というわけで、万が一の時に備えてしっかり海外保険には加入しておいたほうが良いし、私のような「医者脱走事件」に遭わないためにも、その使い方までしっかり把握しておいたほうが良いと思う(台北の場合は日本人向けの病院なども多いだろうし、そこまで心配いらない気はする)。
また、正露丸をもっていくことを強く勧める。

今は笑いごとにしているが、当時は何度も言うように死ぬかと思うくらいだったので、万全を期してほしい。

以上で私の【台南事件簿①】は幕を閉じた。
…と言っても、まだまだ大変な目に色々遭うのではあるが。

それはまた次回にしようと思う。

おまけ:一番能天気な日本の母。笑

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?