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【はむ家で出会った人々①】台湾人、エミリーと台南観光へ

8月31日

台南に昨日ついたばかりだが、なんといきなり本日、台湾の子と遊ぶことになった。

台湾人の鶴の(?)一声

事の顛末を説明すると、こうだ。
はむ家は民宿なので、当然宿泊客はわたしだけではなく、入れ替わり立ちかわり、いろいろな人がやってくる。

昨日晩ごはんを食べて戻ってくると、長期滞在者の丸顔おじさんと、もうひとり長期滞在者の小太りのおじさんのほかに、短期で旅行に来ている台湾人女性がいた。

ちょうど洗面所で出くわしたのだが、あっちはお風呂上がりだったらしく、恥ずかしそうに「やだ、化粧してないのに」みたいなことを言っていた。

彼女は30歳(20代前半くらいに見える)で、普段は桃園のほうに住んでいるが、羽をのばしに台南に一人旅に来たらしい。丸顔おじさん(以下、劉さん)ともすぐ仲良くなっていて、はむさんも含めて4人でなんとなくおしゃべりしていた。
台湾人の女性(以下、エミリー)は明日も一日観光し、明後日には桃園に帰ってまたお仕事、とのことだった。

そのうち劉さんが「君は9月12日から学校でしょ?明日エミリーと一緒に観光に行ってきなよ」みたいなことを言いだし、いや、一人旅なのに迷惑では…。と少し躊躇していると、
「日本人は想太多了(考えすぎ)、遠慮することないじゃん」と(なぜかおじさんが)強烈に主張。

エミリーは優しくてオープンな人なので、「もちろん!全然いいよ!」と言ってくれた。
たしかにおじさんの言う通り、学校が始まるまでやることもないし、台湾人の子と遊べる機会を逃すわけにはいかない。

そこで、思い切って知り合ったばかりのエミリーと台南観光に行くことにしたわけだ。

翌朝、10時くらいに支度をして階下におりるとエミリーはすでにリビングで支度を終えて待っていた。
昨日はラフな格好をしていたが、今日はカーキ色のワンピースで、おとなっぽいいでたちだった。はむさんも冗談で「今日の格好は很漂亮(きれい)だね~」なんていったりしていた。

ランドマーク、赤崁樓へ

わたしたちがまず向かった先は赤崁樓。
台南のいちばんのランドマークといっても過言ではない有名スポットで、1653年にオランダ人が創設したという歴史がある。
はむ家から近いとは知っていたものの、まさか徒歩5分ほどでつく距離だとは思ってもみなかった。
入場料を払うと庭園に入ることができるが、その庭園の奥にどっしりと構えているのが赤崁樓だ。2階建てで、展示物はおもに赤崁樓の成り立ちが書かれたストーリーボードや歴史的書物。
そんなに広い施設ではないため、15~20分ほど中を見学すればじゅうぶんだった。
2階にはぐるりと一周バルコニー(?)がついており、ヤシの木や庭園にいる人々を眺めることができる。

2階からの眺め

(成功大学の学生は無料で入れるので、その後赤崁樓は私にとってもっぱらプレゼンの原稿を覚えたり、あるいは物思いにふけったりする散歩スポットとなる。いつも赤崁樓内に設置してある歴史説明パネルを真剣に読もうと思いつつ、結局最後まで真面目に目を通したことはなかった)

台南名物、「小巻米粉」を堪能

つづいて向かったのは、正興街というグルメストリート。小巻米粉という麺料理で小腹を満たす。
そうめんのような麺に輪切りにしたイカが入った優しい味の料理で、セロリがいいアクセントになっている。

これが台南でいうところの「あっさり料理」かも…?!

ちょっと気になったのが、エミリーが食べる前に箸をティッシュで拭いていたことだ。
台湾人でも(という言い方は失礼だろうか)意外とこういう衛生面は気になるのか、などと思った。
(台湾ではほとんどの飲食店で、壁際か各テーブルに小さめのティッシュがそなえつけてあるということにそののち気づいた。そしてわたしも、とあることが原因で食べる前は必ず食器をティッシュで拭くことになるのだが、そのことは今度書くことにする)

観光名所「神農街」は閑散…?!

つぎに神農街という台南で有名なインスタ映えスポットにやってきたのだが、食べ歩きの店や雑貨店がたくさんあるのかと思いきや、ほぼ店は営業しておらず、閑散とした状態だった。エミリーによると、「はやく来すぎたんじゃない?」とのことだった。
といっても12時すぎではあったが、平日でもあったし、どうものんびりやっているらしい。
まあ、そういうところも台湾らしいか。

昼間はこんな感じなので、観光の場合は夜行くことを強くお勧めする

ちなみに後日、休日の夜にいったところ人通りも多く、お店もたくさん営業していたので、ぜひ夜に行くことをおすすめする。いくつも灯された提灯のやさしい明かりが暗い空に映えて幻想的だし、歌やバイオリンの演奏などのパフォーマンスが行われていることも多い。とてもノスタルジックで、夜の神農街は台南でわたしが大好きな場所の1つである。

そのあとも駄菓子屋さんや、水辺の避暑地おしゃれな本屋など、彼女が行きたがっていた場所にすべて行った。

台南人のおやつ的ポジション「肉圓」

最後に台南美術館の方面に足を運ぶ。
小巻米粉があっさりしていたので少し小腹が空いたなあと思っていると、エミリーも同じ気持ちだったようだ。
台南名物、肉圓(台湾語でバーワンというらしい)の店に連れて行ってくれた。
甘いソースがかかった水餃子と小籠包のあいのことでも言ったらいいのだろうか、やわらかい皮に肉の餡がたくさん詰まっていてとてもおいしかった。

こんな見た目だが、とても美味しい。

ここからなぜか、エミリーの食欲が爆発する。
碗顆という、これまた台湾でしかみたこともない茶碗蒸し?が食べたいと言い出し、二人でシェアしながら食べる。そのあとも彼女が調べたプリン屋さんでプリンをテイクアウトしたかと思えば、かき氷食べない??などと言い出すのだった。
わたしがもうお腹いっぱいだから、と断るとすこし残念そうだった。

ハッスル山登り系女子、エミリーに感謝!

こんなこといったら彼女に失礼だが、彼女はわたしより10も上なのにとんでもなく活発というか、底知れない体力の持ち主だった。
そのあとも小さな路地街を見学したり、デパート・林百貨をぐるりと見たりしたが、「まだどこか行く?どうする??」と聞いてくる彼女に、さすがにリタイア宣言。
わたしも体力には自信があるほうだが、35度越えの猛暑だったこと、まだ暑さに体が慣れていなかったのだろう、ひどく疲れてしまった。
同時に、30代パワー、すごいな…と彼女を尊敬。のちに知ったが、彼女はかなりアウトドアなタイプらしく、月に1度、山登りやハイキングに参加しているらしい。

何はともあれ、知らない日本人相手にここまで優しく接してくれたことが嬉しかったし、彼女は私のつたない中国語に一度もイラつきを見せることはなく、むしろ興味津々に耳を傾けてくれた。
台南に来て2日目、初めてできた台湾人の友達だ。
彼女は翌日桃園へ帰っていったが、私たちはLINEを交換し、いつかまた会おうね、と約束したのだった。

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