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将来、小説を英訳するに向けて選んだ三冊

 正直言って、英語がまだまだ得意ではない。
 話すのはカタコト、聞き取りもよく間違える、英文法なんかよくわからない、読むのだって誤訳が多い。
 けれど、やっぱりいずれは世界に向けて小説を出したい。理由をつけようと思えばいくらでもつけられるけれど、ただ単純にやってみたい。
 そうしたら、やればいいだけだ。
 で、そのためにどう英語を身につけていくか。色々英語の勉強法に関する本を読んだりはしたし、参考になったものもある。けれど、「小説の文章」は「小説」から学んだ方が手っ取り早いし正確だと思い至った。
 となると、英語を学ぶ小説を選ぶ必要がある。そこで、三冊をピックアップした。三冊以上だとキリがないし散漫になりそうだし、三冊未満だと小説英語のエッセンスを吸収しきれない気がした。
 意外と三冊の小説はあっさり決まった。

①村上春樹『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』
②ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』
③ジョン・アーヴィング『ホテル・ニューハンプシャー』

 これらを選んだのにはそれなりの理由がある。その理由をこれから述べる。
 あと、今回は電子書籍で購入した。理由は、本の虫が出ない、かさばらない、いつでもどこでも読める、などの理由である。わからない単語はすぐ調べられるメリットもあるし、紙の本で『ホテル・ニューハンプシャー』を一度挫折しているのも理由のひとつ。
 一応、予定では①→②→③の順序で読んでいく予定ではあるけれども、気まぐれなのでその辺は固執していない。
 ではでは、この三冊を選んだ理由をば。

①村上春樹『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』
 これは初めて触れた村上春樹の小説で、夢中になって読んだ上に、内容もある程度覚えている。
 そして、日本語の小説の構造や文体を、どう英訳しているかを知ることは、いち小説家として把握しておいて損はないだろう。
 個人的に、村上春樹さんの文体がどう英訳されているかも興味がある。

②ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』
 そもそも「小説ってホンマはおもろいんや!」と、読まず嫌いから脱却してくれたこの小説、実は英訳は読んだことがある。しかも、この作品の芯となる意図的な誤字や文法の誤りについての注釈つきのとても参考になる本で。
 今回、そっちを買うのを忘れてしまったが、まあいいや、自力でわかるようになろう、ノーヒントの方がかえっていいかも、などと能天気に構えてよだれを垂らしている。
 ストーリーは覚えているし、何よりこの小説は日本語との相性が良い。『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』と『ホテル・ニューハンプシャー』の架け橋となる効果も期待している。

③『ホテル・ニューハンプシャー』
 これはかつて、日本語訳も原文も紙本で買ってはいる。が、読めていない。日本語訳にしっくり来ないのも理由だし、原文のガラが悪く饒舌な文章はとても魅力的だが英語初心者にはハードルが高い。
 けれども、英文での、ガラが悪く饒舌体な部分は拙作の英訳には必須レベルである。なぜなら、作品によってはボロカス下品な文章を使うし、基本的に擬音で例えるなら、「でららららららら」といった感じの文体だからだ。
 これを原文で読めたら、ぶっちゃけ翻訳したい。俺のほうが上手く訳せる自信はある(筒井康隆先生や町田康さんや川上未映子さんといった饒舌体で上手い作家が翻訳してきたら話は別)。なんて生意気を言いたくなるくらい、この小説の文体は、なんとなくわかるし魅力的だ。

 とまあ、こんな理由であって、それが功を奏するかはまだわからないけれど、じっくり一年くらいかけてやっていく所存でござんす。

【おまけというか余談】
 そもそも英単語の引き出しが少ない俺は、Duolingoというアプリで毎日勉強しています。140日以上継続中。
 TOEICのアプリやもう一つの英単語アプリも今日入れてやってみましたが、アプリって楽しいですね。便利な世の中になったもんです。

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