朝焼彩茜色

詩作歴30年くらい。 言葉で何ができるのかよりも言葉を生む。 言葉を連ねて行きたいよう…

朝焼彩茜色

詩作歴30年くらい。 言葉で何ができるのかよりも言葉を生む。 言葉を連ねて行きたいようです。 空の豊かさや風の声を受け取ることに幸せを感じる。 好きな音楽、澤野弘之、椎名豪、Samuel Kim 、Diego Mitre 何者かになろうとせずに自然体で生きるのが目標

最近の記事

詩【風は潜在意識、風の潜在意識】

風は潜在意識。  雲は顕在意識。 風は遠い銀河からの記憶を散りばめて、  雲は地球を包むようにその人を描く。 空は心だ。  空っぽな心だ。   空っぽだからこそ善悪のないキャンパスになる 空に憧れて投影している。 空と一体となって愛を求めている。 何を叫んでも落ちてこないその空に、 私は鑑として慕っている。 私の魂の記憶を風が運んでくる。 風は私に問いを生ませる。 そして雲の形の言葉を絵画のように眺めている。 想像と創造の間で、透明に触れるような輝きをただ感じている。

    • 詩【自分にしてあげる】

      自分にしてあげる。 自分に着たい服を着せてあげる。 自分に食べたいものを食べさせてあげる。 選択させてもらえなかったことを、 させてあげる。 選択は自分で責任を持つ大切な覚悟だから、 自分の人生を歩かせてあげる。 私が歩きたいのだ。 自分に手間暇もかけて愛してあげる。 情けないダサダサの自分にも共感してあげる。 自分のくだらない呟きも「うんうん」って頷いてあげる。 自分のどんな感情も出して良いんだよって言ってあげる。 自分が羽撃くために応援してあげる。 自分にチャレンジ

      • 詩【死ぬまでに世界の片隅で】

        全うしようと思えば思うほど 空を仰ぐ為の瞬きは多くなる 瞳に太陽から始まる美しさを映し 髪は風と愛を語り 鼓動はこの世の音源を嗅ぎつける 指先は世の中への贈り物か愛する者に触れるか 迷うかもしれない 心と魂をどうするか 磨き上げた心で傷のある魂を癒せるかもしれない 砂浜や草原を歩いた素足の思い出を 宇宙の栞として挟むかもしれない  こんなにも美しく輝いた場所はあっただろうか 儚いことの尊さが滲む齢の奥に 幸せいっぱいのお別れもある 無限の光線に垂直に走る有限 その

        • 詩【あなたに鳴る】

          何者かになろうと思わなくていい。 わたしはわたしになって、 あなたはあなたになる。 何者かになれた風に見える人も、 その人になっただけ。 魂の単位で培ってきたものだから、 この人生だけで計れるものでもないよ。 あなたは許されているし、 あなたの緩みの中で、 あなたの心臓の音が心地よいって、 あなたの空とあなたの耳がそう云っているよ。 わたしはわたしに鳴って、 あなたはあなたに鳴る。

        詩【風は潜在意識、風の潜在意識】

          詩【風の背びれ】

          地球には「風」というものがあるらしい。 それを感じるには「肌」が必要だと神様に聞いて、 私は人間になって「風」を浴びるために この世に生まれることを魂に決めた。 そんなことは忘れ去られて。 忙しく回転する地球と、 重力という圧にその肉体で肌で感じながら、 答えの弾き出せない生きる意味を追い続けた。 追うと風は逃げた。 止まると風は頬にメッセージを当てた。  貴方が感じる風には全て意味が彫ってある。  貴方の頬はそれを解読している。  風に刻まれた文字を伝えていくのが

          詩【風の背びれ】

          詩【カラスと私】

          ベランダをスーッと横切ったカラスが、 何か云っていた。 聞き取れなかった。 だから、 「こんにちは。今日は曇りだね」と云っていたことにした。 カラスという自然の一部と 私という自然の一部が共鳴して、 この曇り空をより豊かに光に染める。 瞳を閉じてスーッと息を吸い。 フーっと息を吐く。 呼吸の中に幸せが沢山つまっている。 「不満なんて幻」とカラスは云っていたんだ。 心地よい人生の一部を、今日もありがとう。

          詩【カラスと私】

          詩【擬人の友は、】

          擬人の友は、 暗喩に輝く満月を見上げながら語る。 焚き火のてっぺんっとを繋げて想いを燻らす。 言葉の記号を知っている。 編集改札口から感覚の十二単に袖を通す。 倒置の居場所はいつも森の中。 妖精なんて幾度と見ている百群の響き。 貴殿の想いは何なのか。愛を反復しながら夜が明ける。 明喩は眩しすぎて秘密を隠せないから、 もう何年も使ってないと句読点を撒き散らす。 一握りの季語を握りしめて、 私にそれを見せびらかしている。

          詩【擬人の友は、】

          詩【優色ふわり】

          子供を酷く怒ってしまった。 天井から「よくがんばってるね」と声が聴こえる。 私も天井にふわっと浮いて、 優色のオーラに包まれながら、 凄まじい剣幕で怒っている自分を観る。 本当だ。「よくがんばっている」  私は私のハートを取り出して、  私は私のハートを抱きしめる。 そうやって魂の執り行いを眺めていくと、 これ以上自分を責めても仕方ないと、  雨が星を生み始める。 優色のオーラ。  天井にふわっと浮いて、   私は私を見守り続ける。

          詩【優色ふわり】

          詩【子供の声の源は】

          子供が電車に乗りたいとしつこく言う。 私は面倒だなと思う。 じゃあ夏休みね。とテキトウな返事をする。 子供が電車に乗りたいとしつこく言う。 ママはやりたいこといつするの?と聞こえる。 私は自分の心の声にテキトウに答える。 子供が電車に乗りたいとしつこく言う。 ママがやりたいことは 「電車に乗って素敵な景色を見て楽しむもの」 と教えてくれる。 私は今は乗り気じゃないんだ。という声を聴く。 テキトウに自分へ返事をするのを止めて、 今は乗り気じゃないんだね。と自分へ寄り添

          詩【子供の声の源は】

          詩【地球椅子】

          何もないと、何でもあるを合掌する。 劣等感と優越感にお辞儀をして、 両腕で抱き寄せる。 「おめでとう。それらで一つです」と。 肉体を手に入れて乗りこなして、 酸素吸ってるだけで、 「不満なんかあるものか」と足を組んだ眷属は云う。 ありのまま云々かんぬんを砂時計に混ぜて誤魔化しながら、 悩みほど贅沢なものはないと、 生き難さほどやりがいのある人生はないと、 皮肉から血が漏れ出す。 思考が彷徨いながら倒れた時、 感情が獅子舞の如く参り出す。 何もないと何でもあるを合掌

          詩【地球椅子】

          詩【野生曲線の淵で】

          雪山で負傷した仲間を置いてゆくことを 受け入れる神視点。 野生と厳格を屠った自然の中に溶け込めるはずの 人間の心を「所詮、前頭葉」と弾き飛ばす威力は、 時に、美しく思う。 オーロラの滝に打たれたような禊。 先人たちの野生の直感をまとった叡智。 先住民の大陸や大地に根を張った調和。 文明の基盤となる精神統一の囁きが、 美しくてならない。 風に色をつけた発色の世界が美しくてならない。 生きることに貪欲な個人に微笑む、 非情を非難しないその神視点に、 野生の曲線の淵を見

          詩【野生曲線の淵で】

          詩【憩いへの着地】

          あなたの持っている優しさと、 わたしの持っている優しさを合わせて、   憩いへの着地   鳳凰が空から降りて来る。 女性性のほどけた色を翼に、     解放感いっぱいに、        水の惑星に、 その音色をふるわせ着地する。 今までの軌跡を辿り、新しい今をひらめきのまま、漸進を輝かせる。 踏み鳴らして来た分の奇跡を。 わたしの育んだ優しさと、 世界が育んだ優しさを信じて。

          詩【憩いへの着地】

          詩【貴方を讃えて例えたい】

          雨で濯われた空は、 碧を表現するのに精一杯だ。 貴方を讃えて例えたい。 そんな想いは蜘蛛の糸のように繋がり、 一日の風吐息に寄り掛かる。   感情という星の粒が、   泣いた後に笑顔を魅せる。  貴女の心を映している空は、  貴女の美しさでいっぱいだ。  貴女の心を映している空は、  貴女の色でいっぱいだ。 貴女の心を映している空に、温もりの線を描いて、 一日を綴る。 ※曲はイメージ

          詩【貴方を讃えて例えたい】

          詩【劣等缶の記憶】

          事あるごとに劣等缶の中でいじけることがあった。 缶の切り口で流血して体を折りたたんで入るのだ。 宇宙から見れば滑稽かもしれない、その仕草を、 私は好んでやっているのだ。 どうだ。こんないじけ方格好いいだろう。 誰もやらないことに優越感を味わうのさ。ウヒッ。 劣等缶から仰ぐ、愛する縹色の空を瞳に落とすと、 劣等缶の中が血と涙でいっぱいさ。 劣等缶はどこから転がってきたのだろうか。 劣等缶に入ったのはいつからだろうか。 至らぬ自分も丸ごと愛してもらえなかった、

          詩【劣等缶の記憶】

          即興詩【臓器の温もり】

          私は臓器と対話する。 子宮から心臓へ向かって思いを馳せる。 今までずっと動き続けてくれてありがとうと、    労い、労り、健全なる誓いを立てる。 臓器に依存するかのような栄養のやり方、 ストレスと向き合わない体への八つ当たり。    それでも臓器は働き続ける。 細胞一つ一つに色をつけて見てみたい。 きっと宝石となんら変わりない。 パッションピンクの血液の川を背景に天の川を重ね 宇宙となんら変わらない脈打ちを、とくとくと。 心音の柔さと鼓動の酷さの波打ち際

          即興詩【臓器の温もり】

          【詩】【老いの瞳の幼さ】

          こんな世の中だから。 どんな世の中でも。 だからこそと思える。 そう軽やかに、 そして豊かに感じられるものやことを、 体中の細胞全てを陽にあてて、 胸にあてるように、 そっと二人だけの秘密をしまうように、 生きて行きたい。 今この瞬間を細かく刻んで、 昼下がりの心地よい空から振りまいたら、 どんなに美しいだろうか。 その煌めきを窓から眺めていられる。 頬杖をつきながら。 至福を吹きかける老いの瞳の幼さよ。

          【詩】【老いの瞳の幼さ】