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【読書感想】ケーキの切れない非行少年たち

ずっと読みたかった本をやっと読んだ。
『ケーキの切れない非行少年たち』宮口幸治著



知的障害・発達障害が犯罪の要因になっている傾向がみられる。
傷つきやすい支援されるべき少年が、放置され、怒りの発散などから、犯罪を犯していますという。この本を読みながら、空恐ろしくなった。うちの息子も非行少年になっていた可能性もある。

中学の時、教師に反抗し、教師をあおったり、口答えしたり、しまいには、ある教師を殴ってしまった。夜中に警察に保護されたこともある。非行一歩手前だ。中学1年生の時で、その時に、病院に行き、診断を受ける決意をした。小学6年生の時の発達障害の検査 WIscでは、凸凹はあるが、今すぐ診断を受けないといけないほどではないと検査をしてくれた心理士さんは言った。

この本でも、少年院に入る子は、病院に行った事がない子だという。もし、早いうちに診断、支援を受けていれば、少年院に入る可能性はなかったかもしれないという。

思い返せば、息子は小学1年の1学期に、ひらがな、カタカナを完璧に覚えていなかった。その事に、私はあまり危機感をもっていなかった。しかし、それは、サインだったのだろう。その後も、漢字を書いても、一本横棒が多かったり、点があったりなかったり、しっかりと認識できていなかったのだろう。九九も覚えきれてないまま、3年生になっている。それでもまだ、障害とは気づかずにいた。小学6年生の時、WISCの結果を見せて、相談した担任の先生さえ、息子が発達障害とは、信じられないと言っていた。それくらい、多くの児童を見てきた教師でさえ、気づかないものだ。

中学で、勉強が出来ず、先生に邪魔もの扱いされて、夜に、出歩くようになり、1年生の時、3年生の先輩と夜、出かけてどこにいるか、分からなくなることも時々あった。あのまま、どんどん悪化していく事もあったと思うと、今、こうして、平和な毎日に感謝する。一方で、そういう被害者の子ども達は、たくさんいる。

著者は最後にこう結んでいる。

そのためにできること、それは、「困っている子ども」の早期発見と支援であると考えます。それに最も効率的に支援できるのは、子どもたちが毎日通い、かつかなりの時間を過ごしている学校以外にあり得ないでしょう。

ケーキが切れない非行少年たち P179

私の意見は、学校にこれ以上を求めるのは、無理な気がしています。学校以外の学校のような場所が必要でしょう。

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