見出し画像

勉強アレルギー

 私は結構な子どもの頃から、かれこれ40年以上酷い花粉症持ちだ。
そしてこの40年以上ずっと周りの人が私に「これ、食べてみたら」「あれ、いいらしいよ」「あそこの病院が効くらしい」…とアドバイスをくれた。若い内はそうかそうか、といろいろな食べ物や薬を試したり、遠くの病院に行ってみたりしていたけれど。ある日ふと気付いた。

誰かに合う方法が必ずしも自分に合うわけではない、と。

 それからはアドバイスも聞き流す様になってきた。アレルギーはそもそも病気みたいに簡単に治せるものでもない。それに「どうせ自分には無理」という気持ちが大半。全く改善されない症状に、だんだんやさぐれた気持ちになり、人の話をスルーする様になった。いちいちワクワクして試してみたり、思い切って高いお金を出してみても結果が全く出ずにガッカリという経験が多過ぎた。

 言わずもがな、アレルギーで一番苦しいのは当の本人。人の話を真に受けようが受けまいが、しんどいものはしんどい。でも人のアドバイスをスルーする様になって自分のペースで自分と向き合って、早く休む様に心がけたり大事な仕事の日には薬を服用したり、と自分に合った方法を見つけることが出来た。

 ふと考えた。勉強が苦手で苦しんでいる子どもに「この方法いいよ」「あれはどうかな」「この塾でみんな成績が上がったよ」みたいなアドバイス。期待に胸を膨らませてやってみるけど、全く上がらずにガッカリ。そんな子をたくさん見てきた。総じて「受け身」で「自分には無理」だと思い込んでいる。

 本当に困った時に自分でその方法を探す旅に出る、それも「学び」の大切な過程の一つ。今は方法が多い上に子どもたちが考える前にその課題解決をしようしよう、と大人たちが動き回っている。
一番大切なのは「自分で考えること」
でも学校のテストは待ってくれない。受験は待ってくれない。大人は焦る。

 子どもたちから「学ぶ楽しさ」を奪い続けているのは、一体なんなんだろう。

 アレルギーの鼻をすすりながら、そんなことを考えている。

読んでくださって、ありがとうございます。 もし気に入ってくださったら、投げ銭していただけると励みになります💜