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日向坂四期生・新参者で感じた、日向坂のライブが持つ「三角形」のインタラクション

※新参者の感想記事ではありません。

日向坂の新参者公演期間が終了しました。四期生は全10公演、本当にお疲れ様でした。やっぱり密度の濃い期間というものはいいですね。配信で8・10公演目を見ましたが、たった2公演の差分でも大きな違いを感じられました。

そんな四期生だけの公演を見ることで、逆説的に日向坂全体のライブで自分が暗黙的に期待していたものにも気づきました。それは、

メンバー同士と観客をつなぐ、三角形のインタラクション

です。

漫才の三角形

ナイツの塙さんは昔、島田紳助さんに「漫才は三角形が理想」と言われたことがあるそうです。ボケとツッコミが掛け合い、その掛け合いの中で観客の共感を呼び、ボケ・ツッコミ・観客がつながって大きな「笑い」という「うねり」を生む。この構造が「漫才の三角形」と言われるものだそうです。

ボケやツッコミがお互いを向いていなかったり独りよがりだったりして掛け合っていないとか、掛け合っているようでいても観客の共感は呼び込めておらず、観客を「参加」させられていないとかで三角形が崩れると、大きな笑いが生まれない。

この三角形をうまく構築し、大きなうねりを作れる漫才こそが「おもしろい」とか「うまい」と言われる漫才になります。

日向坂の三角形

日向坂四期生の新参者8公演目を見始めてすぐに、この「漫才の三角形」を思い出しました。

「自分って実はグループ全体のライブを見る時、振り付けの範囲を超えたメンバー同士の楽しそうなやり取り、インタラクションを見るのを楽しみにしてたんだなぁ」

「そのインタラクションは無理やり付けた演出じゃなくて、普段の様子から十分自然に想像できて納得感がある自然発生した遊びだから、その楽しそうなやり取りに共感し、こっちも楽しくなってたんだなぁ」

「そんな楽しさの背景がグループを貫いてるから、全体としてパフォーマンスで魅せるシーンでも、メンバー同士の繋がりを感じられて安心して楽しく見られるんだろうなぁ」

というようなことをずっと考えてました。それはさながら漫才の三角形のような、「日向坂の三角形」とでも言うべきものなのかもしれないなぁとおぼろげながらに感じています。

メンバー同士と観客とが相互作用しあう「日向坂の三角形」のイメージ

演者と観客を繋ぐ線であれば、一般的なアーティストなら誰もが持つものだと思います。一方、「演者同士を繋ぐ線」と「そこで発生するインタラクションが観客の共感性をより強固にする」という作用は、他のアーティストとは違う大所帯アイドルグループの大きな特徴になり得るんじゃないかと少し思いました。そして日向坂って、特にそこを安心して楽しく面白く笑って見られるパワーを持ってる気がするんですよね。

価値(Value)ではなく価値観(Values)としてのハッピーオーラが、メンバー同士のインタラクションとしてライブ中に表出して、そんな雰囲気を観客として感じ、大きく共感した僕らは「ハッピーになったわ。これがハッピーオーラか」とホクホクして帰路につく。そういう構造なのかなぁ。ちょっとうまくいえないですが、なんかこの辺が日向坂のライブっぽさを生み出してるのかもしれないなぁと感じてます。ハッピーオーラは価値そのものではなく、価値の源泉的な捉え方ですね。ハッピーオーラに頼らないっていうのはこういう事なのかもしれないなぁ。

以前、以下の記事で櫻坂46の山﨑天ちゃんが日向坂のライブについて述べたことが紹介されていました。

まんま引用させていただくと以下の通りです。

日向さんは常にワクワクとドキドキをくれるというか、トキメキをくれる感じがしていて、夢の空間だし、それをファンの方と一緒につくってるって雰囲気が凄くあって、ペンライトの色とかも凄いし、コールも凄いし、一からファンの方と一緒につくってきたグループだから絆も強いし、圧倒されるんですよね、ライブに行くと。日向坂さんだけにしかない空気とかオーラを感じてて。

天様の言う通り」から引用

この「一緒につくってるって雰囲気」はまさに「三角形の構造」な気がしていて、その構造を成立させているキーファクターとして「メンバー同士の関係性・インタラクション」と「そこへの観客の共感と参与」があったりすんのかなぁというのが、今の自分の仮説です。

大所帯アイドルの人数について、パフォーマンスの観点から一定の適切なサイズ感があるのではないか、みたいな話ってよく出ますよね。要するに人多くね?みたいな話。もしキーファクターにメンバー同士のインタラクションが含まれてくるとしたら、多様なインタラクションパターンを作れるという意味で、実は人数が多いほうが意外に有利なのでは?という気もしてきます。

もっと期待したくなること

そんな「日向坂の三角形」ですが、四期生のパフォーマンスにそれがあるから改めて気づいたというよりは、むしろ「あれ?なんかメンバー同士のインタラクションが思ったより少ないな」と思ったところで気づきました。新参者で四期生は「一体感」をスローガンに掲げていましたが、その言葉から僕は暗黙的にこの三角形を想像し、期待していたんだと思います。(もちろん、ライブをこなせる基礎力をつけるため、演出上あえてさせていないとか減らしているなどの可能性はあると思います)

新参者をご覧になった方はご承知の通り、四期生のベーススキルは格段に向上しましたよね。なんなら、すでに「クオリティ」を持った子も何人か登場しているようにすら思います。一定のレベルに至ったからこそ、さらにその先を期待したくなりました。四期生が初期から垣間見せる潜在能力から考えると今はまだまだ入り口くらいなもんですし、まぁまだ1年そこらですから、今後の活動で自然にそうなっていくとは思います。

グループ全体で見たときも、メンバー↔メンバー間のインタラクションはもっといろんな演出があり得るだろうなぁと思えますし、メンバー↔観客間のインタラクションももっと色んなやり方があり得るだろうなと思います。つまり「伸びしろですねぇ」ということなんですけど、なにはともあれ、日向坂にしか成し得ないライブの勝ち筋というものが、伸びしろとしてちゃんと存在しているような期待感を持ちました。

まとめ

「漫才の三角形」ならぬ「日向坂の三角形」とも言えるような、メンバー同士と観客を繋ぐインタラクションの三角形が日向坂のライブっぽさなのかなぁということと、その価値の源泉がハッピーオーラという価値観なのかもしれないなぁという考えを書いてみました。

これが正解なわけでもないでしょうし、今後どんな形でライブが発展していくかも分かりませんが、「ワシが思うこの味が結局一番うまいんじゃ!」みたいに、「このライブの形が結局一番最高なんや!」という「日向坂の哲学で考える最強のライブ」の形がどんどん見えてきて、実際にそれに惹かれる新しい人達がどんどん増えるといいなと思います。

ということで、まずはKアリーナが楽しみです!

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